ソムノデントとは
ソムノデントによる治療
OSA(閉塞性睡眠時無呼吸症)
ソムノデントとは、口腔内にマウスピースを装着し、下顎を前に出すことで睡眠中の気道の閉塞を防止する歯科的ないびきの治療法です。マウスピースは他の治療方法に比べて心身の負担が少なく、携帯も可能なので、出張中や旅行中などにも、場所や環境を気にすることなく、普段通りご使用いただけます。
当医院では、患者様に毎晩継続してご使用いただくことが何より重要と考え、世界で一番広く使われ、その有効性を実証しているエビデンスが最も豊富な ソムノデント (上下分離型)を採用しています。
ソムノデントの特徴
ソムノデント・フュージョン
- 世界で最も多く使われている上下分離型の口腔内装置(マウスピース)
- 内層(歯列側)には独自に開発された高品質のソフトポリマーを採用で保持力と快適性が高い
- 独自形状のウィングで装着時に当初設定された顎位に調整
- 上顎側部(左右)に顎位を微調整するためのスクリューを装備で装着後の調整が簡便
- メーカー保証30か月付
いびきと睡眠時無呼吸症
いびきの頻度は人口の19%といわれています。そして加齢とともにその頻度は増加、中高年の男性の60%、女性の40%に習慣性のいびきがあるという報告も出ています。又、40歳以上で習慣性のいびきがある人は高血圧を合併する頻度が高いともいわれています。
そして激しいいびきと無呼吸を周期的に繰り返すのが睡眠時無呼吸症です。日本の有病率は概ね2~3%で、睡眠時無呼吸の患者は少なくとも300万人はいると推定されています。睡眠時無呼吸症は交通事故だけではなく、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などの原因となることが国内外の研究により明らかにされています。
ソムノデントのメリット
- 上下分離型なので装着時の拘束感を軽減し、装着中に口を開いたり、会話や水を飲むこと、咳やあくびも自由にできます。何より快適に長期間ご使用いただけます。
- 上下分離型でかつ下顎の位置を調整できるので、顎関節への負担を最小限に抑えられます。
- スクリューを前後させることで、下顎の前方位を柔軟にかつ簡便に調整できます。
- 装置は手のひらに載るほど軽量、コンパクトです。ご家庭だけでなく、出張や旅行などにも手軽に持ち運びができます。
- 装着後30か月のメーカーによる製品保証がされていますので、長期間安心してお使いいただけます。(一部除外条件あり)
ソムノデントのデメリット
- 顎関節、咀嚼筋の痛みや違和感(治療開始早期に多い、上下一体型より軽減される)
- 起床時の咬合の違和感
- 口が開く場合がある(自然開口癖がある患者様にはエラスティックゴムのオプションを使用)
- 公的医療保険の適用外となり自費診療
ソムノデントはこんな方におすすめ
- 激しいいびきにお困りの方
- CPAPが使用困難、または抵抗のある方
- 上下一体型のマウスピースがうまく使えない、継続使用ができない方
- 移動・出張の多い方
- 旅行先で友人からいびきや無呼吸を指摘された方
ソムノデント製品の比較表
当院では、最新のソムノデント・フュージョンを使用したいびき治療を行なっております。
ソムノデント・ フュージョン |
ソムノデント・ フュージョン2 |
ソムノデント・ フレックス |
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製品イメージ | ![]() |
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OAタイプ | 上下分離型 | 上下分離型 | 上下分離型 |
外側材質 | アクリル樹脂 | アクリル樹脂 | アクリル樹脂 |
内側材質 | SMH Bflex | SMH Bflex | SMH Bflex |
ウィングによる調整 | 〇 | 〇 | × |
スクリューによる調整 | 〇 | × | 〇 |
総可動量 | 前後8.5mm(0.1mm単位) | 前方のみ3mm(1mm単位) | 前後6mm(0.1mm単位) |
保証期間 | 30か月 | 30か月 | 30か月 |
特徴 |
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ソムノデント治療の流れ
ソムノデントは、患者様個々の歯列に合わせてオリジナルで製作される装置です。

口腔内の検査、レントゲン検査で顎の状態を確認します。問題がなければ上下顎の歯型採りを行い、ソムノデントの製作をメーカーに依頼します。検査の結果、虫歯や歯周病の症状が見受けられる場合は、先にそちらの治療を行います。

メーカーに依頼してから、概ね2週間でソムノデントの製作が完了します。最初の来院から2週間以降でご来院いただき、歯科医師からソムノデントの装着の指導をいたします。ソムノデントをお持ち帰りその日よりご使用いただけます。

ソムノデントの使用開始から概ね1か月後にご来院いただき、症状の改善状況を伺い、必要に応じて調整いたします。
ソムノデントの料金・費用
メニュー名 | 本数・回数・内容 | 通常料金(税込) |
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ソムノデント | フュージョン | 220,000円 |
検査・歯型採り | – | 22,000円 |
エラスティックゴム装置(開咬用) | – | 22,000円 |
毎回の調整料 | – | 5,500円 |
ソムノデントのよくある質問
肥満はいびきや睡眠時無呼吸症とかなり相関の高い要因です。特に欧米ではその傾向が高いといわれています。
一方、日本人の場合、解剖学的な要因も大きいといわれています。つまり、日本人は顎が小さいために舌を収めるスペースが狭く、そのため睡眠時に舌根が気道を閉塞させてしまいます。一般的には男性の頻度が高い傾向がありますが、最近の報告では女性の有病率は高いという発表が出ています。
毎朝、装置を取り外した後、表面および内面を常温水で洗い流し、毛先の柔らかいブラシで清掃してください。そして、1週間に1~2回程度、市販の部分入れ歯用洗浄剤を用いて数分間洗浄してください。
日常の保管は装置清掃後、装置全体が浸かる程度の水道水を入れた容器の中に保管してください。詳しくは、装置納品時に同梱されている【洗浄と保管について】をご参照ください。
保険適用のマウスピースは、上下一体型 (上下のマウスピースが固定された) 装置であり、装着時に顎運動が極端に制限されます。又、装着後は口を開閉したり、水を飲むことはできません。さらに口の中に溜まった唾液が飲み込めず、装着したままでは咳やくしゃみもできません。
それに対して、ソムノデントは、上下分離型の口腔内装置で、口を開閉したり、おしゃべり、水を飲むことも可能です。唾液は自然に飲むことができ、装着したままでは咳やくしゃみもできます。このような装着の快適性により、多くの患者様が長期間継続使用されています。
ソムノデントをCPAPと比較評価したエビデンス(海外文献)
これらの臨床研究を通じてソムノデントが中等度の睡眠時無呼吸症でCPAPと同等の有効性があることをエビデンスとして実証されています。
CPAP及び口腔内装置(ソムノデント)治療でのOSA患者への健康効果比較
無作為・非盲検・クロスオーバー試験
結論:AHIの改善はCPAPで優位にみられたが、コンプライアンスは口腔内装置(ソムノデント)で優位であり、総合的にCPAPと口腔内装置(ソムノデント)の治療効果は同等である。口腔内装置(ソムノデント)は従来の適用範囲(軽度から中程度のOSA患者)を超えて処方が検討されるべきである。
原題:Health Outcomes of Continuous Positive Airway Pressure versus Oral Appliance Treatment for Obstructive Sleep Apnea …. A Randomized Controlled Trial
執筆者:Craig L. Phillips, et al, Royal North Shore Hospital, St. Leonards, Australia,
文献名:American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol. 187 2013
CPAP及びOA(SomnoDent)で治療した重度のOSA患者の心血管疾患での死亡率
レトロスペクティブ・コホート試験
結論:CPAP及び口腔内装置(SomnoDent)共に、重度のOSA患者の致命的な心臓血管イベントを引き起こすリスクを軽減するのに同等に有効な治療である。未治療のOSA患者は心血管疾患により死亡のリスクが顕著に高くなるため、未治療の患者をなくす対策が重要となる。
原題:Cardiovascular mortality in obstructive sleep apnoea treated with continuous positive air pressure or oral appliance: An observational study
執筆者:Anil Anandam, et al,Western New York Respiratory Research Center,Buffalo,New York, USA
文献名:Respirology (2013) 18, 1184-1190
CPAP及びMAD(分離型OA)で治療したOSA患者の血圧低下効果について
システマティックレビュー及びメタ解析
OSA患者への治療において、CPAP及び口腔内装置(ソムノデント)は共に血圧低下に効果がある。CPAPと口腔内装置(ソムノデント)の間では血圧低下効果に統計的な有意差は認められなかった。
原題:CPAP vs Mandibular Advancement Devices and Blood Pressure in Patient With Obstructive Sleep Apnea: A Systematic Review and Meta-analysis
執筆者:Daniel J. Bratton, et al, University Hospital Zurich, Zurich, Switzerland
文献名:Respirology (2013) 18, 1184-1190
ソムノデントのページをご覧の皆様へ
いびきや睡眠時無呼吸症と聞くと、太った男性の病気と思いがちではありませんか? 確かに肥満度との相関はあり、比較的男性の方が頻度が高い傾向にはあるといわれています。そして、特に日本人の場合、顎が小さいという顎顔面的な要因が大きいといわれています。
しかし、いびき治療は女性の方がマウスピースは奏功するといわれていますので、ぜひお気軽にご相談ください。実際、もっと早く受診すればよかったという多くの患者様の声をいただいております。
ソムノデントの治療概要
治療方法 | ソムノデント |
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治療説明 | ソムノデントは睡眠時無呼吸症によるいびきを体に負担の少ないマウスピースで治療する方法です。 |
治療費 | 220,000円(税込) |
治療の副作用(リスク) |
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治療期間 | 1か月 |
治療回数 | 1回 |
適応症例 | 睡眠時無呼吸症 |
ダウンタイム | なし |
カウンセリング当日の治療 | カウンセリングまで |
入院の必要性 | なし |
術後の制限事項 | なし |
不適応の症例 | 印象採得が必要なため嘔吐反射のある方は適応外 |