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歯列矯正の失敗例と矯正開始前と完了後にできる対処法

歯列矯正の失敗例と矯正開始前と完了後にできる対処法

歯列矯正をしたものの、「何か違う」「こんなはずじゃなかったのに……」など、治療を悔やむ失敗例を見聞きしたことがあるかもしれません。

決して安くない治療費と長い時間をかけて行う矯正治療では、誰しも失敗はしたくないと思うでしょう。

しかし、矯正治療の失敗には必ず原因があります。しかも、治療に対する希望・要望が失敗の原因になっていることもあるのです。

では、失敗を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。

この記事では、歯列矯正で起きやすい失敗例の原因や対応法などを解説します。

この記事を読むことで、歯列矯正における失敗例とその原因、矯正開始前と完了後にできる対処法などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

こんな疑問を解消!

  • 歯列矯正で比較的多いトラブル・失敗例の原因と対処法
  • 失敗を防ぐためにあらかじめやっておくべきこと
  • 矯正完了後にできる対処法

目次

歯列矯正の失敗例。原因と対応

歯列矯正の失敗には多くの種類がありますが、いくつかをご紹介したいと思います。

虫歯

矯正治療の失敗というわけではないですが、比較的目にするトラブルです。

歯列矯正は必ず歯に何らかの装置をつけます。

ワイヤー矯正ではブラケットとワイヤーのほかにも、各種ゴムが着くことがあり、ワイヤーも単純なものからいくつも曲げやループの加わった複雑な形をしたものが入ります。マウスピース矯正ではアライナーと呼ばれる矯正用マウスピースを限りなく24時間近く装着し続けます。そのため、磨き残しができやすかったり、プラークが同じところに留まりやすくなったりします。

除去されないプラークの存在は虫歯の原因となります。

矯正治療中に虫歯ができてしまった場合は、できた虫歯の部位や大きさによりますが、単純に削って埋めて対応する場合や、装置を一部外して虫歯の処置を行い、虫歯の処置が終わったらまた装置を着けなおす場合もあります。 装置を外して虫歯の処置をする間は、矯正治療は中断になり治療期間が延びるほか、場合によっては治療計画の修正もあり得ます。

これを防ぐにはプラークコントロールの徹底しかありません。

治療前からブラッシング指導を受け、装置が入ってからもその時々に応じたブラッシング方法を教えてもらい、実践していきましょう。矯正治療中にクリーニングを受けることもあると思いますが、セルフケアが何より重要です。

歯肉退縮

虫歯と同じく矯正治療で比較的目にするトラブルです。

プラークコントロールが不良になると虫歯のほかに歯周病のリスクも上がり、歯周病による歯肉退縮が起こり得ます。

矯正装置を着けている間のブラッシングは大事ですが、ブラシの当て方や力の強さが不適切だとブラッシングによる歯肉退縮を起こすこともあります。

これらは防げる歯肉退縮のため、歯科医院で適切なブラッシングについて指導を受け、ときどきチェックしてもらうのがよいでしょう。

既に歯周病により歯槽骨(歯槽突起、歯槽部)の破壊がみられている、歯槽骨が薄い、大きな歯列拡大を予定しているなど、既に歯肉退縮を起こし得る要素を持っていた場合には、歯肉退縮を避けられないこともあります。

事前に十分な説明を受け、リスクについてよく知っておくことが重要です。

歯根吸収

歯の根が短くなる現象です。

歯列矯正を行ううえで歯根吸収はある程度は避けられず、必ずしも失敗とは言えないものです。

歯根吸収は前歯部で多く出現し、矯正力が原因とされています。歯根の1/3を超えるような重度の吸収をきたした場合は、歯の力への抵抗性が落ち、予後に影響が出る場合があります。

出っ歯になる(無理な歯列拡大)

前歯が唇側に傾斜した状態で治療終了となり、見た目が「出っ歯」の状態となるケースがあります。

歯を並べるスペースを作るには、抜歯による方法と歯列拡大による方法があります。

歯列拡大は成長の余地があるうちは骨そのものを拡大することが可能ですが、成人後は主に歯を外側に傾けて行うことになり、得られるスペースは抜歯時に比べると少なくなります。

本来であれば抜歯が必要(大きなスペースが必要)な症例にもかかわらず歯列拡大で行おうとした場合、不足するスペースは前歯の傾斜で補われることになります。その結果、矯正して歯はきれいに並んだけど出っ歯になったということが起こり得ます。

どんな場合でも非抜歯での矯正治療を謳うものも見かけることがありますが、非抜歯での治療が抜歯を伴う治療より優れているということはありません。抜歯の要否は模型やレントゲン写真を用いた術前診査で判断されるものであり、仕上がりや予後に影響します。

もしどうしても抜歯には抵抗があり非抜歯での治療を希望されるのであれば、担当の歯科医師と相談するのが良いでしょう。

歯列矯正における抜歯の目的と非抜歯矯正との比較

奥歯の沈み込み(ボウイングエフェクト)

前歯を後ろに下げる動きをするときに見られることがある現象です。

臼歯部の歯が弓(ボウ)がしなるような形に沈み込むためこのように呼ばれ、奥歯が咬まない状態になります。マウスピース矯正でよく見られますが、舌側矯正でも見られることがあります。

犬歯から犬歯までの6前歯をまとめて後ろに下げるときに起こりやすいため、予防のためには少しずつ前歯を動かしたり、発生してしまったときにはブラケットやワイヤーを追加して一時的に頬側からのワイヤー矯正を行うなどして修正します。

矯正力のかかり方により起こる現象のため、動的治療中に患者がとれる防止策はありませんが、治療を急がないことや、頬側からのワイヤー矯正を含めた柔軟な治療計画を検討することが必要なことがあります。

咬みあわせの不調和

治療終了となっても緊密な咬みあわせが得られない場合です。

骨格性の歯列不正に対し歯の移動だけで対応しようとしたり、抜歯症例に対しマウスピース矯正のみで対応しようとしたり、適応外であったり無理のある計画で治療を行うことになった場合にこのような結果となることがあります。

失敗を防ぐには

今回挙げた失敗例は適応を無視した治療法の選択や、無理な治療計画が原因となるものが多くあります。

歯列矯正の治療法、治療計画にはそれぞれのケースで適切なものと不適切なものがあります。自分の望む治療と適切な治療は、必ずしも一致するわけではありません。

勧められる治療について十分な説明を受け、それでも納得できない場合には代替手段とその場合のリスクについて聞いてみて、歯科医師と患者双方が了解、納得できる落としどころを探ってみてもよいかもしれません。

矯正後の後戻り

矯正後の後戻り

歯列矯正には動的治療(歯を動かす)と保定(動かした歯の位置を安定させる)があります。動的治療後に、歯が以前の場所に移動してしまったりすることを「後戻り」と呼びます。

動的治療が終了した直後の歯は、咬み合わせの力など様々な要因により位置が変わりやすい状態です。動的治療で得られた歯並びや咬み合わせを長期的に安定させるために保定が必要であり、保定には少なくとも1年以上の期間が必要とされています。

取り外し式の保定装置を装着しなくなってしまった、固定式の保定装置が外れたままにしてしまった、といったことが原因で後戻りになるケースがあります。

後戻りの防止には指示通り保定装置を使用したり、早期の発見や対策のためには動的治療終了後も定期的なチェックを受けることをおすすめします。

リテーナー(保定装置)の目的と注意点

【まとめ】歯列矯正の失敗例と矯正開始前と完了後にできる対処法

歯列矯正の失敗例とその原因・対処法、失敗を防いで納得のいく治療を受ける方法、矯正後の後戻りを防ぐ方法などを解説しました。

この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。

ここがポイント!

  • 歯列矯正のトラブルや失敗例として、虫歯や歯肉退縮、歯根吸収、出っ歯、奥歯の沈み込み、噛み合わせの不調和などがある
  • 失敗例は、適応を無視した治療法や無理な治療計画が原因であることが多い
  • 希望する治療と適切な治療が一致するとは限らない
  • 歯科医師が提案する治療に納得できない場合は、代替治療とリスクについても説明を受け、納得できる治療を選ぶとよい
  • 後戻りを防ぐためには、保定装置を適切に使用して歯科医師による定期的なチェックを受けることが重要

歯列矯正の失敗例はいろいろありますが、防げるものも多くあります。

治療終了後に後悔しないためにも、その治療法のリスクやメリット、デメリットについて歯科医師としっかり相談しましょう。

南青山矯正歯科クリニックでは、すべての歯科矯正に対応しており、その中から患者様の症状に合わせた最適な治療法をご提案しております。

歯列矯正の疑問や不安がありましたら、診察にてご相談ください。女性歯科医師が親身に対応させていただきます。

参考文献

吉田教明. 「舌側からの矯正におけるバイオメカニクス-空隙閉鎖にはスライディング?ループ?それとも・・・」. 日本舌側矯正歯科学会会誌. 2011年, 2011巻, 22号, p.3-10. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjloa/2011/22/2011_3/_article/-char/ja/, (参照 2020-10-27)

達谷窟佳子, 清水義之, 古田樹己, 三谷英夫. 「矯正治療に伴う歯根吸収のリスクの診断法に関する研究(第1報)-東北大学歯学部付属病院における矯正治療に伴う歯根吸収に関する疫学的調査-」. 日本矯正歯科学会. 1998年, 57(5), p.359-368. https://ci.nii.ac.jp/naid/110004018101, (参照 2020-10-27)

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