インビザライン・ファーストのコンプライアンス・インジケータとは?子供のアライナー装着における注意点
マウスピース矯正は、従来成人を対象にしたものだけでしたが、近年、子供にも適用可能なタイプが開発されています。
それがインビザライン・ファーストです。
インビザライン・ファーストは、子供を対象としているため、成人向けのインビザラインにはない特徴を備えています。
そのひとつが、コンプライアンス・インジケータです。
この記事では、インビザライン・ファーストのコンプライアンス・インジケータや子供のアライナー(マウスピース)装着時の注意点などについて解説します。
この記事を読むことで、コンプライアンス・インジケータの目的や特徴、子供のマウスピース矯正を成功させるためのポイントなどについて理解でき、下記のような疑問や悩みが解決します。
こんな疑問を解消!
- コンプライアンス・インジケータとは何か
- コンプライアンス・インジケータの特徴
- 子供のマウスピース矯正ではどのような点に注意が必要なのか
- 子供のマウスピース矯正での保護者の協力の必要性
コンプライアンス・インジケータとは
インビザライン・ファーストは、混合歯列期を対象とした歯列矯正である1期治療用に開発されたマウスピース矯正です。
成人向けのインビザラインにはない特徴として、インビザライン・ファーストには、コンプライアンス・インジケータがついています。
まず、コンプライアンス・インジケータについてご説明します。
コンプライアンス・インジケータとは
インビザライン・ファーストのコンプライアンス・インジケータとは、アライナーの臼歯相当部に付けられている青色の小さな突起物です。
本来、インビザラインのアライナーは、無色透明なのですが、コンプライアンス・インジケータについては、食用色素を用いて色付けがなされています。
コンプライアンス・インジケータは非常に小さいうえ、臼歯部という見えにくいところにつけられるものなので、目立ちにくいというインビザラインの特性を損ねることがありません。
コンプライアンス・インジケータの仕組み
コンプライアンス・インジケータの色素は、唾液によって薄められていきます。
アライナーを装着していると、コンプライアンス・インジケータが唾液に触れるため、次第に色が薄くなります。
たいへんシンプルな仕組みですが、この色の変化によって、装着時間が守られているかどうかを判断します。
コンプライアンス・インジケータの特徴
インビザライン・ファーストのコンプライアンス・インジケータの特徴について、ご説明します。
装着時間が把握しやすい
コンプライアンス・インジケータは先述のとおり、唾液によって色素成分が分解され、色が薄くなるように作られています。
アライナーがきちんと装着されているかどうかを、視覚的に判断できるようになっています。
付ける付けないの選択が可能
インビザライン・ファーストのアライナーに、必ずコンプライアンス・インジケータが付けられるわけではありません。
保護者の方が不要であると判断した場合には、コンプライアンス・インジケータを付けないという選択肢もあります。
違和感はほとんどない
コンプライアンス・インジケータは、とても小さく作られています。
突起物といえ、とても小さいので付いていることがわからないほどなので、違和感を感じることがほとんどありません。
健康上も問題ない
コンプライアンス・インジケータの色素は、食用色素を利用しています。
このため、健康を害する心配は全くありません。
矯正力はない
コンプライアンス・インジケータの目的は、あくまでも装着時間が守られているかどうかを判断することです。
コンプライアンス・インジケータ自体には矯正力はないため、歯を移動させる作用がありません。コンプライアンス・インジケータを付けるかどうかを選択できるのも、矯正力が備わっていないからです。
子供のアライナー装着における注意点
インビザライン・ファーストでの歯列矯正時の注意点についてご説明します。
装着時間を守る
インビザライン・ファーストも成人向けのインビザラインと同様に、アライナーを1日20時間以上装着する必要があります。
装着時間を守れなければ、歯が治療計画通りに移動しません。
アライナーの交換期間を守る
いつまでも同じアライナーを使っていては、治療計画通りに治療が進みません。適切なタイミングで次のアライナーに交換する必要があります。
治療開始のタイミング
インビザライン・ファーストは小学校の低学年から中学年程度を対象としていますが、その条件は、以下のように厳密に規定されています。
- ❶すべての第一大臼歯が萌出していること
- ❷上下顎の切歯のうち、少なくとも2本が2/3以上萌出していること
- ❸顎を上下左右に4分割した場合の3/4ヶ所以上に、乳犬歯・第一乳臼歯・第二乳臼歯、または萌出前の犬歯・第一小臼歯・第二小臼歯が2本以上あること
このため、タイミングを逃してしまうと、インビザライン・ファーストによる歯列矯正が受けられない可能性もあります。
インビザライン・ファーストで欠かせない保護者の方の協力
インビザライン・ファーストは、子供用のマウスピース矯正というだけあって、保護者の方の協力も欠かせません。
装着時間の管理
食事や歯磨きのときに外せるのがマウスピース矯正の利点ですが、子供さんなので外した後に付けるを忘れたり、紛失する可能性もあります。
目立ちにくいため、付けていてもつけていなくても、一見するだけではわかりません。
子供が原則的に食事と歯磨き以外の時間、きちんとアライナーを装着しているかを、保護者の方が確認なさることをおすすめします。
交換期間の管理
アライナーを適切なタイミングで、次のアライナーに交換していかなければ、歯列矯正の効果は得られません。
子供なので、きちんと付けていても、交換のタイミングを忘れてしまうことも考えられます。そこで、子供がアライナーの交換を忘れていないかどうかを、保護者の方が管理することをおすすめします。
ブラッシングのチェック
インビザライン・ファーストは、矯正装置が可撤式のアライナーなので、食事や歯磨きのときに外せます。
歯磨きしやすいのが利点ですが、子供なので適切にブラッシングできていない可能性もあります。
ブラッシング不足のままアライナーを装着すると、う蝕(齲蝕)の原因にもなりかねないので、適切にブラッシングできているかどうかをご確認ください。
【まとめ】インビザライン・ファーストのコンプライアンス・インジケータとは?子供のアライナー装着における注意点
インビザライン・ファーストは、1期治療用に開発されたマウスピース矯正です。
子供向けに開発されたため、成人向けのインビザラインにはない特徴としてコンプライアンス・インジケータが設けられています。
この記事では、下記のようなことがご理解いただけたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- コンプライアンス・インジケータは、インビザライン・ファーストのアライナー装着時間の管理に用いられる
- コンプライアンス・インジケータは、食用色素の唾液による分解により装着時間を把握する仕組み
- コンプライアンス・インジケータは、付与の選択が可能で違和感も少ないが、矯正力はない
- 子供のマウスピース矯正では、装着時間・交換期間の管理、治療開始のタイミングに注意が必要
- 子供のマウスピース矯正を成功させるためには、保護者の方による装着時間・交換期間の管理に加え、ブラッシングの確認も不可欠
コンプライアンス・インジケータを付けることで、アライナーの装着時間が把握しやすくなり、治療計画通りに治療を進められるようになります。
また、インビザライン・ファーストは子供向けのマウスピース矯正なので、治療を成功させるためには保護者の協力が重要です。
南青山矯正歯科クリニックには、小児矯正の実績のある矯正医が在籍しております。
インビザライン・ファーストには、専門的な知識だけでなく、治療経験や専門的技術が欠かせませんので、なるべく治療期間の短い小児矯正をご検討中の方は、ぜひ当院までご相談ください。