歯の着色(黄ばみ)・変色について
歯の黄ばみ
歯の色は、人の印象を決定する大きな要素のひとつといわれています。歯並びがよくても、黄ばんだ歯や歯が黒ずんでいると、清潔感に欠け、老けてみえることもあります。
また、歯の黄ばみによって審美的に自信のない状態が続くと、人前で口を開けたり、笑顔を見せられなくなり、表情が硬なることで、対人関係に支障をきたすことも少なくありません。歯の色を白く保つことは、その人の印象をよくするだけでなく、人生を豊かにすることにもつながるといえます。
歯の着色(黄ばみ)の原因と症状(リスク)
歯の着色汚れの原因は、主に食習慣と喫煙です。
歯の着色の原因
歯の着色の原因は、主に次の4つが挙げられます。
①ポリフェノールを多く含む食品
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
- 赤ワイン
②色素の濃い食品
- カレー
- チョコレート
③着色料を多く使っている食品
- お菓子
- ジュース
④喫煙習慣
タバコには歯を着色させるヤニが含まれています。
歯の着色の症状(リスク)
歯の表面に着色性の汚れが沈着すると、歯列全体に黄ばみなどの色調異常が現れます。歯が局所的に黒ずむ虫歯とは、症状が大きく異なります。
歯の変色の原因と症状(リスク)
変色した歯の症状
歯の色は天然の生えたばかりの状態ですと、やや乳白色が一般的で、個性によって黄色味かかっています。しかし、さまざまな原因によって、強い黄色、茶色、黒色、グレー、青色、縞模様、ホワイトスポットなど様々な歯の色に変化がでます。とくに痛みは伴いませんが、審美的に気なる方は多いでしょう。
歯の変色の原因
歯の変色は、外因性と内因性の2つに分けることができます。
①外因性の変色の原因
着色性の高い飲食物の習慣的な摂取
喫煙習慣
虫歯による色素の沈着
②内因性の変色の原因
- 加齢による歯の黄ばみ
- 外傷や虫歯による歯の神経の失活
- テトラサイクリンなどの抗生物質による影響
- 乳歯の虫歯による永久歯への影響
歯の変色の症状(リスク)
歯の変色の症状は、原因によって異なります。
加齢や習慣による変色
加齢に伴って歯質が薄くなったり、着色性の食品を習慣的に摂取したりしていると、歯列全体が黄ばんでいきます。喫煙習慣がある場合も、同じような症状が認められます。
失活歯の変色
外傷や虫歯で歯の神経が死ぬと、その歯だけ黒ずんできます。歯の神経が死んだ状態を「失活歯」といいます。
テトラサイクリンが原因の変色
テトラサイクリンという抗生物質を歯の発育期に服用すると、歯列全体に縞模様が形成されます。これを「テトラサイクリン歯」といいます。
乳歯期の虫歯が原因の変色
乳歯の虫歯が重症化すると、すぐ下に控えている永久歯にも悪影響が及び、白斑や着色、場合によってはエナメル質の形成不全を引き起こします。これを「ターナー歯」といいます。
歯の着色(黄ばみ)・変色の治療方法
歯の着色や変色の改善方法には、日常の着色であればホワイトニングやクリーニングで白くなります。自分の歯を利用でき、刺激もリスクも少ないですが、日常生活でまた着色していきますので定期的なメンテナンスが必要です。また元々の天然歯の白さを超えて白くまたは明るくすることは難しいでしょう。
神経が死んでしまったことによる歯の変色には、治療期間と治療費、歯を削るリスクはありますが、セラミックの歯で半永久的に美しさを維持できます。自分の歯を残して歯の中からホワイトニングするウォーキングブリーチ療法もありますが、効果が期待しにくい点と、歯が脆くなるデメリットもあります。
テトラサイクリン歯や乳歯時代の虫歯などの影響による白斑に対しては、ホワイトニングを試すこともできますが、変化がなかったり、より目立つようになることもありますので、セラミックなどの人工物の治療のほうが予後がいいでしょう。