インビザライン・ファーストとは
インビザライン・ファーストとは、マウスピース矯正のパイオニアである米国アライン・テクノロジー社が提供する10代の子ども向けのインビザライン・システムです。
治療期間は約1年半を想定し、マウスピース型矯正装置を一定期間おきに交換しながら、歯列の育成を目的としています。また透明のマウスピースを装着することで、多感な成長過程において、歯列矯正装置が目立たずに治療を行うことができます。
インビザライン・ファーストでは、従来は永久歯列期に近い時期からしか適応できませんでしたが、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行う1期治療にも適応範囲が拡大しました。
インビザライン・ファーストはこんなお子様におすすめ
- 歯列矯正装置が目立つのは避けたい
- 指しゃぶり、舌癖がある
- 痛みに敏感
- 歯磨きが苦手
- スポーツや楽器演奏の習い事や部活がある
- 2期治療の基礎として歯科医師から薦められた
インビザライン・ファーストの特徴
インビザライン・ファーストは、顎や歯列の成長過程である混合歯列期から適応が可能なマウスピース矯正です。
対象は小学校高学年から中学生頃
インビザライン・ファーストは、10~15歳前後の永久歯列になる前の混合歯列期が対象です。第一大臼歯(6歳臼歯)、切歯(前歯)の萌出や、乳歯の残存、永久歯の萌出程度により、適応となる症例が限られます。
便宜抜歯不要の可能性
永久歯列でスペースが不足している場合、便宜抜歯が必要です。
インビザライン・ファーストでは、成長する力を利用して、スペースを広げることが期待できます。その結果、便宜抜歯が不要となり、歯がきれいに並ぶ可能性があります。
治療中の痛みが少ない
歯列矯正の痛みは、お子様の治療への意欲や理解を低下させる要因の1つです。
インビザライン・ファーストでは、1ステージでの歯の移動を約0.25㎜に計画しています。そのため、歯の移動にかかる力も小さく、治療に伴う痛みも少なく済みます。
デジタルによる精密治療
インビザライン・ファーストでは、精密検査によって採集した口腔内の資料を元に、クリンチェックという専用のシミュレーションソフト上で治療計画を立案します。
治療前の段階から、治療完了までの状態を可視化することで、お子様の治療への理解を高めます。
推奨装着時間は1日20時間
アライナーは1日20時間以上の装着が必要です。食事や歯磨き時以外には、装着していただくことを想定しています。装着時間が短い場合、治療効果が十分に発揮できず、シミュレーション通りの仕上がりにならないといったリスクがあります。
インビザライン・ファーストのメリット
インビザライン・ファーストは、成長期の繊細な時期にも、お子様の活動を妨げることがありません。
目立たない透明のアライナー
インビザライン・ファーストの適応時期は、感受性が高い年頃です。
そのような年頃にとって、アライナー装着時の見た目が目立ちにくく、歯列矯正治療中であることを気づかれないことは大きなメリットの1つと言えます。矯正装置を気にせずに、これまでと変わらない笑顔になることができます。
2期治療の矯正期間が短縮
インビザライン・ファーストにより、歯列スペースの確保が十分にできれば、2期治療が必要な場合にも便宜抜歯が不要となることが期待できます。結果として、治療期間の短縮に繋がります。
衛生状態を向上
アライナーは取り外しができるため、歯列矯正治療中であっても、歯の隅々まで磨くことができます。歯面清掃が十分に行えることで、う蝕や歯周病、口臭といったリスクを低下させることができます。
飲食物の制限なし
飲食時は、アライナーを取り外すことが必要です。ワイヤー矯正であれば、装置への付着が起こりやすい食品は避けることが必要ですが、アライナーは取り外すことで皆と同じ食事を楽しむことができます。
部活動や習い事を楽しめる
インビザライン・ファーストの適応時期は、学校の部活動や習い事などに熱心な時期かもしれません。ワイヤー矯正であれば、粘膜の受傷を防ぐため避けていたスポーツや楽器演奏なども、問題なく楽しむことができます。
習癖の改善
指しゃぶりや舌の突出といった習癖は、治りにくいものです。
アライナーを装着すると、指や爪を咬むことが困難になる、舌を正しい位置に保持しやすいなど、習癖の除去に効果的です。結果として、習癖由来の歯列への過剰な力を予防することができます。
インビザライン・ファーストのデメリット
インビザライン・ファーストは、アライナーの装着、洗浄など保護者の管理が必要なことがあります。
お子様の理解と協力
お子様がアライナーを煩わしく感じるなど、装着時間を守ることができない場合、治療効果が十分に現れない可能性があります。
治療の成功には、お子様ご自身が歯並びを治したいといった、ご希望や治療への協力が十分であることが必要です。
お口の感覚過敏がある場合には困難
アライナーは、薄い適合のよい素材で製作されていますが、口腔内の感覚に過敏な場合には、装着が困難なことがあります。徐々に慣れることが期待できますが、嘔吐反射が起きやすいなどある場合は事前の相談が重要です。
アライナーの自己管理と合わせて保護者の管理も大切
毎日の20時間以上の装着時間の順守は、お子様ご自身の他、保護者による管理が必要です。その他に、アライナーが破損していないか、衛生的に使用しているかなど、保護者による適宜管理が求められます。
適応条件
インビザライン・ファーストは、適応条件が限られています。具体的には、第一大臼歯(6歳臼歯)や乳歯から永久歯への生えかわり、永久歯の萌出状況によって治療の適応外となることがあります。
アライナーの紛失や破損
1日20時間以上という長時間の装着は、学校生活の中で困難となることがあります。
修学旅行や部活の合宿など、宿泊時に紛失や破損が起こったという場合には、自己判断で装着することなく、早めに担当医に相談する必要があります。
インビザライン・ファーストの適応
叢生(八重歯・乱杭歯)
上顎前突(出っ歯・口ゴボ)
反対咬合 / 下顎前突(受け口)
上下顎前突
開咬(オープンバイト)
交叉咬合
過蓋咬合(深い噛み合わせ)
切端咬合
空隙歯列・正中離開(すきっ歯)
正中の不一致
顎偏位 ※骨格性でないものに限る
過剰歯
萌出遅延・埋伏
捻転歯
転位歯
歯の欠損 / 先天性欠如
ガミースマイル
インビザライン・ファーストの流れ
当院のインビザライン・ファーストの治療は、インビザライン公式認定を受けた経験豊富な女性歯科医師が担当いたします。
診察・相談では、30~60分の十分な時間をかけて、お子様ご本人と保護者の方から矯正歯科を担当する女性歯科医師がお話を伺います。
歯並びに関する現在のお悩みやご希望などお伝えください。
歯列の状況を診断するため、資料となるいくつかの検査を実施します。
具体的には、複数の角度からの歯列や口元、顔貌の写真撮影、顎の成長や永久歯の確認を行うためのレントゲン撮影、印象採得(歯型採り)、咬み合わせの確認などを行います。
精密検査による資料を基に、アライン・テクノロジー社による3D治療計画ソフトウェア「クリンチェック」上で、治療計画を作成します。
クリンチェックでは、3Dシミュレーションを使用した歯並びの仕上がり予測や、おおよその矯正期間をご提示いたします。
インビザライン・ファースト治療のご契約後、アライン・テクノロジー社にアライナーの製作を依頼します。発注から約2~6週間でお子様のお口の状態に合う、カスタマイズされたアライナーが出来上がります。
う蝕(虫歯)がある場合には、インビザライン・ファースト治療に限らず、歯列矯正治療を開始する前に虫歯治療を完了することが前提です。
また、歯列矯正治療中のう蝕リスクを減少するためにも、適切な口腔清掃の方法についてお伝えいたします。
初めに、アライナーの着脱や清掃、保管方法について説明いたします。
毎日、装着していただき、ステップに応じて新しいアライナーへと交換をお願いいたします。1~2か月に1回、治療効果の確認のためにご来院いただきます。
インビザライン・ファーストの治療により理想的な歯並びになったら、歯列を安定させるために保定が必要です。
保定では、リテーナーと呼ばれる保定装置を一定期間装着することで、歯並びの後戻りを防止します。
インビザライン・ファーストの料金・費用
メニュー名 | 本数・回数・内容 | 価格 | モニター価格 |
---|---|---|---|
Ⅰ期治療 ファースト |
片顎 | 605,000円 | 374,000円 |
両顎 | 825,000円 | 497,750円 | |
Ⅱ期治療 コンプリヘンシブフェーズ2 |
片顎 | 605,000円 | 374,000円 |
両顎 | 825,000円 | 497,750円 | |
精密検査・クリンチェック | 55,000円 | ||
リテーナー | 55,000円 | ||
毎回の診察料 | 5,500円 |
インビザライン・ファーストのよくある質問
保管方法や洗浄の不備、旅先での置忘れなど、アライナーを破損、紛失することは起こりえることです。アライナーがない、変形したといった不具合がある際には、お早めにご来院ください。
ご自身の判断で次のステップに進むと、強い痛みが出ることや効果的な歯の移動が起こらないことがあります。アライナーの破損や紛失に備えて、1つ前のステップのアライナーを保管することをお勧めします。
効果的な歯の移動には、アライナーの装着は1日20時間以上が必要です。
そのため、基本的にはアライナーは就寝時に装着していただくことが必要となります。歯磨き時や飲食時以外は、装着することがおすすめです。
ワイヤー矯正では、スポーツなどの接触により、粘膜が傷つくリスクがありました。
アライナーであれば、基本的には装着したまま体育や部活動といったスポーツを行うことができます。咬みしめが強いスポーツやコンタクトスポーツなどの場合には、マウスピースの破損リスクがあるため、取り外すことをお勧めすることがあります。
ワイヤー矯正の場合には、アンブシュア(演奏時の口の状態)が不自然になる、ワイヤーで粘膜を傷つけるといったリスクがありました。
アライナーは取り外しができるメリットがありますので、演奏時にはアライナーを外すようにします。しかし、部活動など、長時間の練習が必要な場合もありますが、アライナーは1日20時間以上の装着が必要です。取り外し時間が長くなると、治療効果が表れにくくなるため注意が必要です。
大人のインビザラインは、永久歯の歯並びを対象としたマウスピース矯正です。一方、インビザライン・ファーストは、混合歯列期という乳歯から永久歯へと歯並びが成長している時期を対象としたマウスピース矯正です。
大人のインビザラインは子供の歯列矯正には使えませんが、インビザライン・ファーストなら適応となれば、子供の歯列矯正にも使える点が異なります。
インビザライン・ファーストは、おおむね7〜10歳頃を対象としています。
「第一大臼歯が萌出していること」「切歯の2本が2/3以上萌出していること」「少なくとも3/4顎に乳犬歯、第一乳臼歯、第二乳臼歯または未萌出の犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯が2本以上あること」の3つの条件を全て満たしていれば、インビザライン・ファーストによる矯正治療を受けられます。
インビザライン・ファーストのページをご覧の皆様へ
このページでは、10代から本格矯正が受けられるインビザライン・ファーストについてご確認いただけます。
当院では、正式なアライン・テクノロジー社のセミナーを受講しライセンスを持つインビザラインドクター(すべて女性歯科医師)が在籍しております。審査診断処置までを一貫した担当医制で対応しております。
インビザライン・ファーストは、アメリカ最大手の最も歴史と症例数がある、アライン・テクノロジー社による3Dデジタルシミュレーションを駆使した最先端のマウスピース矯正です。
インビザライン・ファーストの治療を担当する歯科医師
インビザライン・ファーストの治療概要
治療方法 | インビザライン・ファースト |
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治療説明 | インビザライン・ファーストは、インビザラインのひとつで、10代向けのマウスピース矯正です。 |
治療費 | 484,000円〜935,000円 |
治療の副作用(リスク) | 歯根が未完成であるため、過度な力がかかると形成不全や根吸収を起こす可能性があります。装置の使用が不適切な場合、怪我や装置の破損、治療の効果が得られない可能性があります。永久歯の大きさや萌出方向によっては、ワイヤー矯正が必要な場合があります。その際に抜歯が必要になることもあります。歯の生え変わり時期のため、装置が当たって痛みが出る可能性があります。 |
治療期間 | 1年半〜3年 |
治療回数 | 13回〜39回 |
適応症例 | 乳歯列完成の3歳頃から永久歯列完成の12~13歳頃まで |
ダウンタイム | なし |
カウンセリング当日の治療 | カウンセリングまで |
入院の必要性 | なし |
術後の制限事項 | 保定期間あり |
不適応の症例 | なし |