MTMとは
MTMとは、Minor Tooth Movementの略で、歯牙の動きを1歯から数本に限定して、部分的に歯列を整える治療法です。歯列矯正といったら多数の歯を動かす全額矯正ですが、矯正期間が2〜3年とかなりの年月を要します。
しかし、MTMであれば、部分的な矯正で、かつ補綴治療(クラウンやブリッジ)、インプラント治療との組み合わせにより半年程度で歯並びの改善が期待できます。
また前歯の中心に隙間が生じている「すきっ歯」を治す矯正法としても有効で、歯と歯の隙間を矯正ゴムの力を使って閉じていくのですが、それほど長い期間を必要とせず、治療に伴う痛みもほとんどありません。
MTMの特徴
MTMには他の矯正法と比べ大きなメリットもありますが、その裏にはデメリットも存在します。治療費や治療内容だけでなく、ご自身の生活スタイルやビジネスシーンに合わせた矯正治療を選択できるのが理想です。
MTMのメリット
MTMのメリットは、その名の通り歯列の部分的な矯正治療であるため、短期間で治療を完了することが可能です。患者様の歯並びの状態にもよりますが、最短で1週間、長くて1か月程度で矯正治療を終えることができます。通院回数は2回程度です。これは全顎矯正と比べると、比較にならないほど短い治療期間です。
また、治療を施す部分が限られるため、全顎矯正と比べると治療費を大きく抑えることが可能です。さらに歯を削ったり抜いたりするような処置も一切必要ありません。
MTMのデメリット
MTMのデメリットとしては、「すべての症例に適応できるわけではないという」点が挙げられます。
すきっ歯の症状が重度の場合は、セラミック治療を併用することがあります。歯の形の異常や埋伏歯が原因ですきっ歯になっている場合は、MTMによって隙間を完全に閉じるのは難しいこともあります。
咬み合わせが深い場合は、ゴムを装着すること自体が困難であったり、装着できても外れるリスクが高かったりします。また、真ん中の隙間を閉じることができたとしても、横の歯に新たな隙間が生じるリスクもあるのです。
その他、歯の表側にゴムを装着することで審美性が害されたり、後戻りしやすいことから3年程度の保定期間が必要だったりするなどのデメリットも挙げることができます。
MTMはこんな方におすすめ
MTMがおすすめの方は、まず何より「すきっ歯」の症状に悩まされている方です。笑った時に前歯に隙間があると気になってしまうものです。けれども、一般的な歯科医院では、すきっ歯の治療も全額矯正に含めることが多く、2~3年の治療期間が必要と診断された方も少なくないかと思います。
その点、当院のMTMであれば最短で1週間という、極めて短い期間ですきっ歯の症状を改善することが可能です。また、通院回数を減らしたい、治療にかかる費用を抑えたいという方にも、MTMは最適な治療法といえます。今ある健康な歯を削りたくないという方にもおすすめです。
セラミック矯正との組み合わせによる歯並びの改善
すきっ歯をセラミックで治療する場合、ラミネートベニア、クイックホワイト、セラミック矯正による治療が選択肢になります。
その中でセラミック矯正は、歯の色や大きさ、歯並びを治す時に有効です。しかし、歯が大きく離れていたり、向きがバラバラの場合、神経を取ることがあります。
こういった重度の不正咬合でも、ゴムを使用し歯を本来の位置に戻してからセラミック矯正をすると、神経を取らずに歯に対するダメージを最小限に抑えるといったことも期待できます。
MTMの流れ(すきっ歯の矯正治療)
MTMは短期治療だけでなく、通院回数も2回程度で済み、多忙で通院できず歯列矯正を断念してしまった方にもおすすめです。

歯の裏側に(表側の場合もあり)ゴムをつけます。治療時間は30分程度です。治療期間は、1週間から長くて1か月程度です。

隙間が閉じたら、ゴムを外してワイヤーで固定して保定期間に入ります。治療時間は30分程度です。
MTM矯正の料金・費用
メニュー名 | 本数・回数 | 価格(税込) |
---|---|---|
MTM矯正 | – | 165,000円 |
MTMのよくある質問
もちろん治せます。歯並びの状態にもよりますが、すきっ歯以外にも出っ歯や八重歯、前歯の歯並びがガタガタな乱杭歯などもMTMで矯正することが可能です。その他、奥歯の一部分だけ咬み合わせを調整したり、上の歯列あるいは下の歯列のみを部分的に矯正したりすることもできます。
歯を動かすため、個人差はありますが多少痛みを感じる場合もあります。
隙間が閉じたらなるべく早めにご来院ください。時間が経つと違う向きに歯が動いてしまうため、固定が必要になります。
保定期間は基本的に3年くらいしたら外しても大丈夫ですが、万が一の後戻りのために付けっぱなしをおすすめしています。
MTM後のセラミック矯正は可能です。ただし、セラミックにした後にも動いてしまう可能性はあるので、連結しておくか、マウスピースの使用をおすすめします。
MTMのページをご覧の皆様へ
笑った時に部分的に見える歯列不正が気になって、手で口元を隠したり思いっきり笑えないなんてことはないですか?
多くの患者様はこの部分的に悪い歯並びのために「全体的に矯正するのは嫌」「高額な費用は掛けられない」「治療期間が長い」などと断念される方が多いのも事実です。MTMはそんな部分的な歯列不正の状態を、歯を削らずに動かし、治療期間も短く済む治療です。
前歯などの部分的な歯列不正が気になる方は、まずはカウンセリングにお越しください。
MTMの治療を担当する歯科医師
MTMの治療概要
治療方法 | MTM |
---|---|
治療説明 | MTMは空隙歯列や軽度の叢生に対し、ゴムを使用してご自身の歯を引き寄せる矯正方法です。 |
治療費 | 165,000円(税込) |
治療の副作用(リスク) |
|
治療期間 | 1か月程度 |
治療回数 | 2回 |
適応症例 | 空隙歯列 |
ダウンタイム | なし |
カウンセリング当日の治療 | カウンセリングまで |
入院の必要性 | なし |
術後の制限事項 | 保定期間あり |
不適応の症例 | 空隙歯列以外の歯列不正 |