インビザラインの種類の違いは?各プランの特徴を紹介
近年、目立ちにくい矯正治療として人気を集めている「インビザライン」ですが、実は歯並びの状態や目的に合わせて、複数のプランが用意されていることをご存知でしょうか。
マウスピース矯正はどれも同じだと思われがちですが、実際には非常に緻密な計算に基づいた治療であり、症例の難易度や年齢に応じて最適なパッケージを選ぶことが、治療を成功させる重要な鍵となります。
この記事では、インビザラインの6つのプランそれぞれの特徴や適応症例、費用、治療期間の違いを詳しく解説します。
この記事を読むことで、自分の歯並びにはどのプランが適しているのか、費用や期間がどの程度かかるのかを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- インビザラインにはどのような種類(プラン)があるのか
- 全体矯正と部分矯正で選べるパッケージはどう違うのか
- 自分の歯並びの状態に合った最適な治療プランの目安
- 各プランごとの具体的な費用相場や治療期間
- 子どもの矯正に適したプランや内容
インビザラインで歯が動く原理
インビザラインは、アライナーとよばれるマウスピースを付け替えながら歯を動かしていく矯正治療です。マウスピースは綿密な検査に基づき計算された形状で作られていて、1~2週間ごとに新しいものに交換することで、わずかな力で歯に圧力をかけていきます。
継続的に圧力をかけている間、歯の周囲の骨の中では、動いていく方向の骨が溶け、引っ張られる側には新しい骨が作られるという生理的反応が起こっています。この反応によって、マウスピース1枚当たりおよそ0.25㎜を目安に歯が移動していきます。
インビザラインに種類がある理由
インビザラインには、大きく6つの種類があります。
種類による違いがある理由は、歯列不正の程度や原因、年齢など、治療を受ける人の口腔内の条件や患者様の希望が百人百様であり、最も効果的かつ効率的な治療法を選択する必要があるからです。パッケージにバリエーションがあることで治療の選択肢が広がり、より高い成果を求めることが可能になります。また、子どもを対象とする場合は、成長過程であることを念頭においたパッケージが用意されています。
マウスピースを使った矯正治療は、どれも同じように思われることがありますが、実は非常に緻密な計算に基づいた高いレベルの矯正治療といえます。
インビザラインの種類と特徴
インビザラインには、大人向けに『コンプリヘンシブ』『モデレート』『ライト』『エクスプレス』、子ども向けの『ファースト』、主に前歯の部分矯正向けの『Go(ゴー)』といった6つのパッケージが用意されています。これらのパッケージは、特徴や適応、治療期間と頻度、マウスピースの数、費用などに違いがあります。
インビザライン・コンプリヘンシブ
インビザラインの中で最もスタンダードなパッケージです。
奥歯を含む28本全部の歯を動かす全体矯正で、難症例も含めて敵応範囲が広いのが特徴です。症例によっては、マウスピースとワイヤー矯正を併用することがあります。治療期間を気にせず、仕上がりを重視する人にお勧めです。
適応
奥歯まで歯列不正がある、重度の歯列不正、難症例、奥歯の噛み合わせの異常などの幅広い症例
治療期間・通院頻度・マウスピースの枚数
治療期間は2~3年程度が一般的です。
通院は1~2か月に1回程度で治療の進み具合などを確認します。
マウスピースの数は保証期間内(3~5年)であれば制限がなく、何度でも追加や作り直しが可能です。
費用
80~120万円程度
インビザライン・モデレート
コンプリヘンシブとライトの中間にあるパッケージで、中程度の歯列不正の矯正治療が可能です。咬み合わせの治療を行う場合は顎間ゴムを追加したり、状態によっては上下どちらか片方のみの治療を選択したりすることもできます。
マウスピースは、治療の進み具合に合わせて歯科医師の指示の下、1~2週間に1回交換します。
適応
咬み合わせのずれがそれほど大きくない中度の歯列不正で、全額矯正が必要な症例(インビザライン・コンプリヘンシブの適用となるほどではないもの)
治療期間・通院頻度・マウスピースの枚数
治療期間は8か月~1年程度が一般的で、最大でも2年程度とされています。
通院頻度は1~2か月に1回程度ですが、進み具合で異なりますので歯科医師が判断します。
使用されるマウスピースは、1クール最大26枚で最大3クールまで追加が可能です。また3年以内なら2回まで作り直しができます。
費用
70~90万円程度(1クールの場合)
インビザライン・ライト
軽度の歯列不正や、主に前歯などの部分的な歯列不正の治療を目的としている全体矯正も可能なパッケージです。治療期間が短いことや費用を比較的抑えられるのが特徴です。
マウスピースの追加は2回までですので、治療計画の変更には対応が難しいといえます。
適応
比較的噛み合わせに問題がない軽度の歯列不正、一部の歯が少しがたがたしている程度の歯列不正
治療期間・通院頻度・マウスピースの枚数
治療期間は7か月程度を目安としていますが、進み具合で個人差があります。通院頻度は1~2か月に1回程度が一般的ですが、進み具合によって歯科医師が決定します。
マウスピースは最大14枚まで作成可能で、2枚まで追加が可能です。
費用
45~65万円程度
インビザライン・エクスプレス
限られた範囲で軽度な歯列不正を改善する治療です。
使用するマウスピースの数が少ないため、歯を動かす範囲は小さく、大臼歯は動かすことはできません。インビザラインの中でも小規模で、期間や費用を抑えたパッケージです。
適応
大臼歯の咬み合わせは問題なく、前歯から小臼歯までの小さなずれが気になる程度の歯列不正、治療が終わって後戻りした症例など(インビザライン・ライトより軽度の症例)
治療期間・通院頻度・マウスピースの枚数
治療期間は3~4か月程度とされ、定期的に歯の動き具合などを確認するために1~2か月に1回程度の通院が必要です。
マウスピースの数は7枚までで、1回限り無料で追加できます。
費用
20~40万円程度
インビザライン・ファースト
6歳臼歯が生え揃い、交換期が終了するまでの成長期の子ども向けのパッケージです。
顎の拡大と歯の移動を同時に行うことが可能で、1~2週間に1回マウスピースを交換するのが一般的な進め方です。使用されるマウスピースはしなやかで口腔内を傷つけにくく、着脱式なので食事の妨げにならないことや透明で目立ちにくいことから、お子様の日常生活への影響が少ない治療です。
治療では、顎骨の成長する力を利用して歯列を拡げ、永久歯が並ぶスペースを確保する1期治療が行われます。1期治療を終了して定期的に経過観察を行いながら、さらに治療が必要と判断された場合には、引き続き2期治療(永久歯列の本格的な矯正治療)に移行することがあります。1期治療による治療の基礎ができていれば、2期治療はスムーズに進むことも期待できます。
適応
成長期の子ども(6~10歳くらいの混合歯列期)、反対咬合や叢生、上顎前突、交叉咬合など、早期から治療が必要な症例
治療期間・通院頻度・マウスピースの枚数
治療期間は1期治療では1~1年半程度とされ、2期治療が必要になるとさらに1~3年程度追加の期間が必要ですが、どちらも個人差があります。
通院頻度は1~2か月に1回で、進み具合や口腔内のチェックを行います。
マウスピースの枚数は、1期治療では18か月以内、2期治療は3年以内なら無制限です。
費用
1期治療は40~70万円程度(2期治療は別途20~30万円程度)
インビザラインGo
前歯から小臼歯までの20本を治療の範囲として、比較的費用を抑えて短期間で完結できる部分矯正を目的としたパッケージです。主に動きやすい前歯の歯並びを改善したい人に適しており、スペースがなく抜歯が必要な症例や大臼歯を動かす必要がある症例は対象となりません。
結婚式やパーティなど、イベントまでに歯並びをきれいにしたいと希望される方などにおすすめです。
適応
主に前歯の軽度の歯列不正に対する部分矯正(コンプリヘンシブは必要ない程度)
治療期間・通院頻度・マウスピースの枚数
治療期間は6~10か月程度です。
通院頻度は個人差がありますが、1~2か月に1回程度です。
マウスピースの枚数は、片顎あたり20枚までで、追加は1回のみとなります。
費用
30~60万円程度
インビザライン治療を失敗しないためのポイント
インビザライン治療を計画通りに成功させるためには、治療上のルールを守ることが重要です。
- マウスピースは1日20~22時間以上装着する
- マウスピースは奥までフィットした状態で装着する(チューイーを使うのがおすすめ)
- 食事や歯磨きの時は外して破損や紛失しないよう管理する
- 歯磨きとマウスピースのお手入れをしっかり行い、虫歯や歯周病を予防する
- 指示された通院のタイミングを守り、トラブルがあった時はできるだけ早く受診する
- 治療後はリテーナーを装着して後戻りを防ぐ
- 実績豊富な信頼できる歯科医師の元で矯正治療を開始する
インビザラインは基本的に自己管理が中心となる治療ですので、受診時の歯科医師の指示をきちんと守りながら進めることが重要です。
【まとめ】インビザラインの種類の違いは?各プランの特徴を紹介
インビザラインの6つのプラン(コンプリヘンシブ・モデレート・ライト・エクスプレス・ファースト・Go)の特徴と違いについて、詳しく解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 全28本の歯を動かすスタンダードな「コンプリヘンシブ」から、ごく軽度のズレに対応する「エクスプレス」まで、大人の矯正には4つの主なプランがある
- 前歯の部分矯正に特化した「インビザラインGo」や成長期の子ども向け「インビザライン・ファースト」など、目的に応じたバリエーションが豊富である
- プランによって、使用できるマウスピースの枚数や作り直しの保証期間、治療費用の相場が大きく異なる
- インビザラインは、1日20〜22時間以上の装着といった自己管理のルールを守ることが、計画通りに治療を進めるための必須条件である
インビザラインは、個々の口腔内の状態に合わせて最も効果的かつ効率的な治療法を選択できる優れた矯正システムです。
ご自身の希望や歯並びの状態を実績豊富な歯科医師に相談し、納得のいくプランで理想の歯並びを目指しましょう。



