インビザラインの費用の内訳と値段の相場は?安い歯医者の理由も解説

矯正治療は原則、保険診療の適用外です。
そのため、代表的なアライナー(マウスピース)矯正であるインビザラインも同様で、治療費は各歯科医院が独自に決めています。また、一般的にインビザラインの治療費は高額ですが、中には低い治療費を提示している歯科医院もあります。
なぜ、歯科医院によってインビザライン矯正にかかる費用に差が出てくるのでしょうか?
この記事では、インビザラインの費用の内訳や相場感について解説します。
この記事を読むことで、インビザラインの費用の根拠が理解でき、下記のような疑問や悩みが解決します。
こんな疑問を解消!
- インビザラインの費用の内訳はどうなっているのか
- インビザラインの相場はどれくらいか
- インビザラインの種類で相場に違いはあるのか
- インビザラインの治療費が安い歯科医院は何が違うのか
目次
インビザラインの費用の内訳
インビザラインの矯正治療の治療費には、次のような費用が含まれています。
カウンセリング費
カウンセリングは、最初に行う相談や簡単な説明などです。
検査費
カウンセリングを受けて、インビザラインを希望された方は検査に進みます。検査では、問診、レントゲン写真撮影、口腔内スキャン、口腔内写真撮影、顔貌写真撮影、齲蝕症や歯周病検査などが行われます。
もし、齲蝕症や歯周病が発見された場合は、矯正治療の前に齲蝕症や歯周病の治療を行います。なお、齲蝕症や歯周病の治療費はインビザラインの費用には含まれません。
診断費
検査結果をもとに診断を下し、治療計画を作成します。診断費は、これにかかる費用です。
抜歯などの処置費
歯をきれいに排列するために抜歯が必要な場合の便宜抜歯や智歯抜歯の費用です。
このほか、アタッチメントが必要な場合にはアタッチメントの費用、矯正用アンカースクリューを設置した場合は、そのための処置費用も発生します。
アライナー製作費
アライナー製作費は、アライナーの製作にかかる費用で、矯正治療の治療費の大部分を占めています。矯正装置製作費という言い方をすることもあります。
インビザラインのアライナーは、歯科医院で製作できません。アライン・テクノロジー社に発注して作ります。
管理費
管理費は、インビザライン矯正中に行われる数か月に一度の矯正治療の進捗状況の確認や歯のクリーニング、矯正装置の調整などにかかる費用です。調整費という歯科医院もあります。
保定装置費
保定装置はインビザラインでの矯正治療を終えた後、後戻りを防ぐための矯正装置です。
リテーナーともよばれます。保定装置費は、保定装置の製作や調整にかかる費用です。
メンテナンス費
メンテナンス費は、保定装置の確認や後戻りの有無の確認、歯のクリーニングにかかる費用です。
アライナーの紛失、破損時の再製作費
アライナーを紛失したり、アライナーが破損した場合は作り直しが必要です。再製作もアラインテクノロジー社に発注して作ります。作り直した場合には、その費用も発生します。
その他
インビザラインによる矯正治療が、当初の計画通りに進まない場合、追加料金が発生することもあります。
インビザラインの値段の相場
インビザラインは、アライナーの数や矯正したい範囲などにより、数種類がラインナップされており、値段の相場は種類によって異なります。
インビザライン・コンプリヘンシブ
インビザライン・コンプリヘンシブは、アライナーの数に制限がなく、あらゆる歯列不正に対応できるインビザラインです。
コンプリヘンシブはインビザラインの最上位クラスというだけあって、相場は70〜120万円ほどになります。
インビザライン・モデレート
インビザライン・モデレートは、アライナーの数が片顎26枚までに制限されたインビザラインです。中程度の歯列不正に対応しています。
モデレートの相場は、70〜90万円くらいです。
インビザライン・ライト
インビザライン・ライトは、アライナーの数が片顎14枚までに制限されたインビザラインです。軽度の歯列不正に対応していますが、全体的な歯並びの矯正は難しいことが多く、部分的な矯正によく使われています。
ライトパッケージの相場は、40〜70万円程度です。
インビザライン・エクスプレス
インビザライン・エクスプレスパッケージは、アライナーの数が片顎7枚までに制限されたインビザラインです。軽度の部分矯正に使われています。
エクスプレスパッケージの相場は、25〜50万円です。
インビザラインGo
インビザラインGoは、アライナーの数が片顎20枚までに制限された部分矯正用のインビザラインです。第二小臼歯という前から5番目までの範囲の歯列不正の矯正に使われています。
インビザラインGoの相場は30〜50万円です。
インビザラインGoプラス
インビザラインGoプラスは、アライナーの数が片顎26枚までに制限された部分矯正用のインビザラインです。第一大臼歯という前から6番目までの範囲の矯正治療に使われています。
インビザラインGoプラスの相場は40〜60万円です。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、小児矯正用のインビザラインです。主に7〜9歳ごろを対象としています。
ファーストの相場は、35〜40万円です。
治療費の安い歯科医院の理由
インビザラインの治療費は最高で120万円ほどとたいへん高額ですが、中には平均的な治療費と比べても治療費を安くしている歯科医院もあります。
メーカーであるアライン・テクノロジー社でのアライナー代が最も多くの割合を占めている点は変わらないのに、どうして安く設定できているのでしょうか。
治療費の総額を提示していない
インビザラインの治療費の提示の方法に決まりはありません。
検査から保定装置まで矯正治療にかかわる費用の総額を提示しているところもあれば、アライナーの費用だけなど、部分的に提示しているところもあるかもしれません。
インビザラインの治療費はそれぞれの歯科医院で決めていますので、例えばアライナー代を低く抑え、抜歯や保定装置の費用を高く設定することも可能です。
アライナー代だけをみると治療費が安く見えても、総額で考えると相場と変わらない、もしくは相場より高いということもあります。
適応症例を限定している
インビザラインの治療費は、インビザラインの種類によって異なります。
インビザラインの治療費として提示している一例が、前歯部矯正などの一部分だけの矯正治療ですと一見すると治療費が安く見えます。
症例数が少ない
開院から間もないなど、矯正治療の症例数が少ない歯科医院では、症例数を増やすためにキャンペーンなどを行なって治療費を下げている例があります。
無理をして治療費を下げて経営が行き詰まると治療が中断してしまい、かえって治療費が高くなる可能性も考えられます。
専門医ではない
矯正の専門でない一般歯科治療を行っている歯科医師が、コンピューターのシミュレーションとアライナーの自動製作を過信して矯正治療をしている場合です。
検査費や診断費を下げて、治療費を低く見積もっている可能性があります。
【まとめ】インビザラインの費用の内訳と値段の相場は?安い歯医者の理由も解説
インビザラインの費用の内訳や相場感について解説しました。
この記事では、下記のようなことがご理解いただけたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- インビザラインの治療費の内訳は、カウンセリング費や検査費、矯正装置の製作費、調整費など
- 治療費の中で最も割合が多いのはアライナーの製作費用
- インビザラインの治療費の相場は種類(プラン)によって異なり、30〜120万円と開きがある
- インビザラインの治療費が安いところは総額を提示していない、低価格の症例を提示している可能性がある
インビザラインは、アライナー矯正の代名詞とも言える矯正治療法です。そして、保険診療の対象外なので治療費は歯科医院ごとに異なります。そして、インビザラインの治療費の大部分は、アライナーの製作費用になるので、ほとんどの歯科医院の治療費は相場の範囲に落ち着きます。
しかし、平均的な治療費より低すぎる治療費を提示している歯科医院は、何らかの理由があるはずです。
インビザラインの治療費について内訳が知りたい方など、ご質問や不安のある方は、ぜひ当院でご相談ください。