インビザラインの4つのデメリットと6つのメリット
インビザラインは、従来のワイヤーや装置を歯に装着せず、マウスピースの力で歯を動かす矯正治療法のひとつです。マウスピースは自由に取り外しができて、透明で目立たないことから大人でも取り組みやすく、既にたくさんの人が治療を受けています。
「仕事をしながら歯並びを治したい」「結婚式までにきれいな歯並びになりたい」そんな願いを持っている人たちは、インビザラインという選択肢を検討してみるのもよいかもしれません。
この記事では、インビザラインのデメリットとメリットについて解説します。
この記事を読むことで、インビザラインの適応範囲や従来からある歯列矯正との違いなどが具体的に理解でき、次のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- インビザライン矯正とはどんな治療?
- インビザラインの適応症
- インビザラインのデメリットは?
- インビザラインのメリットは?
- インビザラインでは抜歯が必要?
目次
インビザライン矯正とは
インビザラインは、マウスピースを使ったアメリカ生まれの矯正治療です。今では世界中で行われており、多くの実績があります。
インビザラインでは、それぞれの歯並びに合わせて計算された複数のマウスピースを交換しながら歯に負荷をかけ、ゆっくりと歯を動かしていきます。目立ちにくいことや着脱ができることから日常生活に馴染みやすく、幅広い年齢層に対応しています。
インビザラインの適応症
- 叢生(でこぼこの歯並び)
- 上顎前突(出っ歯)
- 反対咬合(受け口)
- 開咬(上下の前歯の噛み合わせが開いている)
- 鋏状咬合(噛み合わせがすれ違っている)
ただし、適応する症例であっても、状態によっては適応とならないことがありますので、最終的には歯科医院での検査によって、歯科医師の診断を受けることが必要です。
インビザライン治療の4つのデメリット
インビザライン矯正には、守るべきルールや使用方法、事前に理解しておくべき条件などのデメリットがあります。
ルールを守らなければ計画通りに進まない
インビザラインは、1日20~22時間は装着することを徹底するというルールがあります。つまり、食事や歯磨きなどのやむを得ないタイミングを除いて、ほぼ終日装着することが求められます。
この装着時間のルールを守らなければ計画通りに歯が動かず、治療期間が長くなったり、予想していた成果が得られなかったりすることがあります。また、治療期間が終わっても適切にリテーナーを装着しなければ、歯が後戻りして治療が徒労に終わる可能性が高くなります。
食事や歯磨き、会話をする時は外さなければいけない
インビザラインはプラスチック製のマウスピースですので、食事の時には外さなければ破損のリスクが高くなりますし、食物をきちんと咀嚼することができません。
マウスピースとの隙間に食べ物や汚れが入ってしまうと虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、食後は必ず外した状態で口腔ケアとインビザラインのお手入れをすることが必要です。
また、インビザラインを装着していると話しづらいため、大事な長時間の会話をする時は外すことをお勧めします。ただし、それ以外の時間は、できるだけ装着するよう心がけることが大切です。
適応できる症例が限られている
インビザラインは多くの症例に対応していますが、歯列不正の程度が重度のケースや骨格に問題があるケース、過蓋咬合(上の歯が下の歯に大きく被っている状態)、重度歯周病やインプラントが複数入っている場合などは、適応対象外となることがあります。
歯の隙間を削ることがある
インビザライン矯正では、歯が並ぶスペースを確保する目的で、歯と歯の間をわずかにスライス(削る)するIPRを行うことがあります。IPRは痛みはなく、歯へのダメージもほとんどみられない程度ですが、食べ物が詰まりやすくなることがあります。
インビザライン治療の6つのメリット
インビザライン矯正は、普段通りの生活を送りながら気付かれることなく、着実に歯並びを改善できるメリットがあります。
目立たない
インビザラインは透明なマウスピースですので、目立たないのが大きなメリットのひとつです。他の人に気付かれずに治療ができるので、大人でも取組みやすく、仕事をしながら続けられる治療です。
痛みがほとんどない
従来のワイヤー矯正は、治療後ワイヤーの締め付けによる痛みや違和感が強いというデメリットがありました。
それに対してインビザラインは、マウスピースの力でゆっくり時間をかけて歯を動かすので、痛みを感じることはほとんどありません。また、装置が頬や口唇に当たって傷がつくなどのトラブルもありません。
自分で取り外しできる
インビザラインの大きな特徴は着脱ができることです。
好きな時に外せるので、自分の都合に合わせて使用することができます。ただし、スムーズに治療を進めるためには、装着時間のルールを厳守することが大前提です。
通院の頻度が少ない
インビザラインでは綿密な治療計画に合わせてマウスピースが作られ、指定された期間おきに自分で次のマウスピースに交換する自己管理方式です。そのため、おおよそ2~3か月に1回程度の通院でよいとされています。
ワイヤー矯正では、概ね1か月に1回の受診が必要であるため、通院の回数は少なくて済みます。ただし、なんらかのトラブルがあった場合は、できるだけ速く受診することが大切です。
治療前に歯の動きをシミュレーションできる
インビザラインでは、クリンチェックという専用の機器を使って治療の進み方や最終の完成予想を3Dシミュレーションで確認することができます。きれいになる歯並びを動画で確認できることは、モチベーションアップにもつながります。
治療の進み具合が確認できる
治療中は専用のシステムを使って、治療の進み具合を正確に確認することができます。計画通りに進んでいるか、治療の追加や変更は必要ないかなどを細かくチェックし、治療が終わるまで最適な治療と管理を行うことができます。
インビザラインに抜歯は必要か?
重度の歯列不正や歯を並べるスペースが確保できない場合は抜歯が必要ですが、スペースを確保できる場合は抜歯が不要です。
抜歯が必要なケース
歯をきれいに並べるスペースの確保が困難な場合やトラブルの原因となる歯がある場合には、抜歯が必要になることがあります。
- IPRではスペースが不足している場合
- 特に奥歯の向きや位置がずれて、並びきれないと判断された場合
- 重度の上顎前突の場合
- 親知らずの埋伏歯があって、歯を押している場合
抜歯を避けられるケース
以下のような条件があればスペースの確保ができるため、抜歯の必要はありません。
- IPRで十分なスペースを確保できる場合
- 歯列を全体的に外側に拡大できる場合
- 奥歯を移動すればスペースを作れる場合
【まとめ】インビザラインはデメリットとメリットの理解が重要!
インビザラインのデメリットとメリットについて解説しました。
この記事では、下記のようなことを理解していただけたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- インビザラインは透明なマウスピースを使ったアメリカ生まれの矯正治療法で各国で採用され豊富な実績がある
- インビザラインの適応症は、重度でない叢生や前突、咬合異常などがあるが、程度や原因によっては適応しない症例もあり、診断には検査が必要
- インビザラインのデメリットには、決められたルールの厳守や食事や口腔ケア時などに外すこと、適応症例が限られていること、IPR(歯の側面をスライスカットする方法)が必要になること等が挙げられる
- インビザラインのメリットは、目立たない、痛みがない、自分で着脱できる、通院頻度が少ない、治療前後に治療経過や成果を3Dで見ることができ、モチベーションが維持できるなどが挙げられる
- インビザライン治療では抜歯を行わないことが多いが、歯並びに必要なスペースの問題や奥歯の状態などによっては、抜歯が必要となることがある
インビザライン治療は、従来のワイヤー矯正とは違って、日常生活への影響が少ないことから、長年歯並びに悩んでいた大人の方もチャレンジしやすい人気の矯正治療法です。もちろん対象とする年齢は子どもから大人まで幅広く、実施している歯科医院も増加傾向で身近な矯正治療となりました。
ただし、すべての人が受けられるわけではなく、治療を成功させるためには綿密な検査に基づいた診断を受けることが大切です。
そこで、インビザライン矯正を検討されている方は、信頼できる専門医による検査を受けることをお勧めします。南青山矯正歯科クリニックでは、インビザラインの実績が豊富な歯科医師が在籍していますので、歯並びが気になる方は、お気軽にご相談ください。



