銀歯とセラミックはどっちがいいの?特徴の違いを徹底比較
歯の治療を受ける際、詰め物や被せ物の素材選びで悩んだ経験はありませんか?
歯科医院で「銀歯とセラミック、どちらにしますか?」と複数の選択肢を提示されることがありますが、それぞれの違いがよくわからず、すぐには決められないという方も多いでしょう。
治療で使用される素材にはそれぞれ異なる特徴があり、「審美性」「耐久性」「値段」「リスク」のうち、どの条件を優先するかによって最適な選択肢が変わってきます。ご自身が納得のいく治療を受けるためには、各素材の特徴や違いを正しく理解しておくことが非常に重要です。
この記事では、銀歯とセラミックの基本的な特徴や素材の違い、それぞれのメリットとデメリット、選び方のポイントを詳しく解説します。
この記事を読むことで、各治療素材の特性や違いを深く理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- 銀歯とセラミックの基本的な特徴にはどのような違いがあるの?
- 治療後に虫歯が再発(二次う蝕)しにくいのはどの素材?
- 金属アレルギーが心配だけど、リスクがない素材はあるの?
- セラミックにも様々な種類があるみたいだけど、どんな違いがあるの?
- 審美性や耐久性など、自分が優先したい条件に合うのは結局どれなの?
目次
銀歯とセラミックを選ぶ4つのポイント
歯の治療を受ける時、歯の詰め物の材料について複数の選択肢を提示されることがあります。特に被せ物をする場合、何を優先するかによって決められることがほとんどです。
選択の優先順位とされるものとしては「審美性」「耐久性」「値段」「リスク」の4点が挙げられ、使用される材料によって、どの条件を満たすのか、どこで妥協するかという選択を迫られることになります。その際に重要なのは、それぞれの材料の特徴や違いをよく理解しておくことです。
銀歯とセラミックの基本的な特徴を比較
銀歯とセラミックには、審美性、耐久性、値段、歯への影響、身体への影響といった特徴の違いがありますので、以下で説明します。
審美性
銀歯は金属でできているため、目立ちやすく審美性に劣ります。
一方でセラミックは歯に近い色合いを再現することができるため、審美性に優れています。ただし、セラミックの種類によって天然歯の再現度が異なり、審美性にやや劣るものもあります。
耐久性
銀歯は非常に硬く強度が強い特徴があるため、耐久性に優れています。
一方、一般的なセラミックは強い衝撃で破損することがありますが、ジルコニアは金属に匹敵する強度があります。
値段
一般的な保険適用の銀歯は、3割負担の人で数千円程度と安価です。ただし、金歯(ゴールドクラウン)は保険が適用されません。
セラミックの中でもハイブリッドセラミックは、条件に適合すれば保険が適用されるものもあります。その他のセラミックは保険が適用されず、1本あたり数万円~十数万円で、歯科医院ごとに設定されています。
歯への影響
銀歯は経年で接着剤やセメントが劣化して隙間ができ、二次う蝕(虫歯)のリスクが高まるだけでなく、レントゲンを透過しないため、内部にできた虫歯の発見が遅れることがあります。また、金属イオンが歯肉に沈着して変色するメタルタトゥーが起こることもあります。
一方セラミックは精度や接着性が高いため、二次う蝕のリスクが低く、歯肉への影響も起こりにくい特徴があります。
体への影響
銀歯の素材は金属なので、金属アレルギーを発症するリスクがあります。
一方、セラミックはアレルギーの発症リスクはありません。ただし、金属にセラミックを焼き付けるメタルボンドは、金属アレルギーのリスクがあります。
銀歯とセラミックの素材の違い
一般的な保険適用の銀歯の素材には、金銀パラジウム合金が使用されています。しかし、金属でも保険が適用されない素材として、ゴールドクラウンがあります。
また、セラミック素材の代表的なものにはハイブリッドセラミック、e-max、ポーセレン、ジルコニアがあります。
金銀パラジウム合金(保険適用)
一般的な保険適用の銀歯は、金銀パラジウム合金という複数の金属をミックスした合金です。金パラともよばれ、安価で強度が強い特徴があります。
歯ぎしりや食いしばりの強い人は、硬いが故にずれが生じて脱離することがあります。
治療の流れ
- ❶歯冠形成(歯冠形成の前に根管治療や歯周病治療などが必要)
- ❷印象(型取り)+咬合採得
- ❸咬合調整後、接着剤で装着
治療期間
歯冠形成後、通常1~2週間
通院回数の目安
歯冠形成を含め2回程度
適応症例
歯の欠損が大きいケースやブリッジ、強い咬合力がかかる歯
適応部位
大臼歯を推奨
ゴールド(保険非適用)
通称金歯と呼ばれ、金(ゴールド)を素材としています。保険は適用されず、近年の金相場の高騰で値段は上昇傾向にあります。
金は柔らかく扱いやすい素材で歯への親和性が高く、最もリスクが少ない材料とされますが、審美性は期待できません。
治療の流れ
- ❶歯冠形成(歯冠形成の前に根管治療や歯周病治療などが必要)
- ❷印象(型取り)+咬合採得
- ❸咬合調整後、接着剤で装着
治療期間
歯冠形成後、通常1~2週間
通院回数の目安
歯冠形成を含め2~3回
適応症例
歯の欠損が大きい場合やブリッジ、虫歯のリスクがもともと高い人、歯ぎしりや食いしばりのある人
適応部位
小臼歯から大臼歯
ハイブリッドセラミック
コンポジットレジン(歯科用プラスチック)とセラミックをミックスした素材です。
コンピュータによるデジタル制作なので精度が高く自然な歯の色に近いのが特徴ですが、長期的にみると摩耗や変色がみられます。中でもCAD-CAM冠は保険が適用されるため、安価で入れることができます。
治療の流れ
- ❶歯冠形成(歯冠形成の前に根管治療や歯周病治療などが必要)
- ❷印象(型取り)+咬合採得、シェード(色調)合わせ
- ❸専用のシステムで製作
- ❹咬合調整後、接着剤で装着
治療期間
歯冠形成後、通常1~2週間(院内に技工システムがある場合は短縮可能)
通院回数の目安
歯冠形成を含め2~3回
適応症例
歯の欠損が大きく充填処置では対応できない場合で、安価で白い歯を入れたい人、咬合の条件を満たした単冠、特に見えやすい下の奥歯
適応部位
第三大臼歯(親知らず)を除くすべての歯(咬合などの条件あり)
値段
10,000円程度(3割負担の場合)
e-max
スイスのイボクラール社製のガラス系セラミック素材です。オールセラミックの一種で保険は適用されません。
オールセラミックは、強度と色調の美しさのバランスのよさが特徴で、歯と接着剤との親和性も高くインレー(部分的な修復)にも適していますが、強い衝撃で細かいヒビが入ったり割れたりすることがありますので、歯ぎしりのある人はマウスピースの使用が推奨されます。
治療の流れ
- ❶歯冠形成(歯冠形成の前に根管治療や歯周病治療などが必要です。)
- ❷印象(型取り)+咬合採得、シェード(色調)合わせ
- ❸試適(仮合わせ)、適合や咬合のチェック後接着剤で装着(インレーの場合は装着後咬合調整)
治療期間
歯冠形成後、通常2~3週間程度
通院回数の目安
歯冠形成を含め3~4回
適応症例
歯の欠損部分が大きく充填処置では対応できない場合で、強度と審美性を追求したい人、金属アレルギーのある人、ほどほどの金額で白い歯を入れたい人
適応部位
すべての歯(ただし大臼歯は推奨されない)
値段
8~10万円程度(自費)
ポーセレン
高温焼成型のスタンダードなセラミック素材です。保険は適用されず、金属を使わないオールセラミックタイプと、内面の金属にポーセレンを焼き付けたメタルボンドタイプがあります。
天然の歯に近い美しい透明感による再現性が最大の特徴で、経年による変色や劣化はほとんどありませんが、強い衝撃を受けると割れることがあります。
治療の流れ
- ❶歯冠形成(歯冠形成の前に根管治療や歯周病治療などが必要。)
- ❷印象(型取り)+咬合採得
- ❸TEK(仮歯)装着、シェード(色調)合わせ
- ❹技工士に製作依頼
- ❺試適(仮合わせ)、適合や咬合のチェック後接着剤で装着
治療期間
歯冠形成後、通常3~4週間程度
通院回数の目安
歯冠形成を含め4~5回
適応症例
欠損部分が大きく充填処置では治療できない場合で、自然な美しさを求める人
適応部位
すべての歯に可能ですが、咬合が強く破損しやすい大臼歯部は不向き。審美性が重視される前歯に適しています。
値段
9~15万円程度(自費)
ジルコニア
酸化ジルコニウムを素材としており、様々なセラミックの中でも強度が高いのが特徴です。保険は適用されず、素材の性質上、変色や劣化はほとんどありませんが、透明感の再現性にやや劣ります。
治療の流れ
- ❶歯冠形成(歯冠形成の前に根管治療や歯周病治療などが必要。)
- ❷印象(型取り)+咬合採得
- ❸TEK(仮歯)装着、シェード(色調)合わせ
- ❹専用のシステムによるジルコニアクラウン作成
- ❺試適(仮合わせ)適合や咬合の調整後接着剤で装着
- ❻必要に応じて後日咬合調整
治療期間
歯冠形成後、通常3~4週間程度
通院回数の目安
歯冠形成を含め4~5回
適応症例
歯の欠損部分が大きく充填処置では対応できない場合で、高い強度と審美性の両方を求める人、歯ぎしりや食いしばりのある人
適応部位
すべての歯(下の歯の臼歯部に推奨)
値段
10~20万円程度(自費)
銀歯のメリットとデメリット
銀歯は安価で高強度な一方、見た目が悪く、金属アレルギーや二次う蝕のリスクが高いという特徴があります。
メリット
- 安い(保険適応の場合)
健康保険適用なので安価で入れられる - 強度が高い
金属製なので強度が高く破損しにくい
デメリット
- 見た目がよくない
金属特有の銀色で目立つ - 金属アレルギーに非対応
複数の金属混合による合金であり、金属アレルギーの人には不向き - 二次う蝕のリスクが高め(ゴールドを除く)
経年で歯に隙間や段差ができて二次う蝕のリスクが高くなる。
セラミックのメリットとデメリット
セラミックは、見た目の良さやアレルギー・虫歯リスクの低さがメリットですが、費用が高く、割れるリスクもあります。
メリット
- 目立たない
材料ごとの特性はあるが、天然歯に近い色を再現できる。 - 劣化しにくい(ハイブリッドセラミックを除く)
耐久性が高く経年劣化や変色がほとんどない。 - 金属アレルギーに対応(メタルボンドを除く)
金属を使用していないため、金属アレルギーのリスクがない。 - 二次う蝕になりにくい
精度が高く劣化が少ないため隙間や段差ができにくく、二次う蝕のリスクが低い
デメリット
- 歯の切削量が多い
素材の厚みを確保する必要があるため歯を削る量が増える。 - 素材によっては保険非対応(CAD-CAM冠を除く)
保険適用ではないため値段が高い - 強度がやや劣る(ジルコニアを除く)
強い衝撃や食いしばりで割れることがある。
どちらを選ぶべきか迷ったら
治療でどれを選ぶべきか迷ったときは、「自分が優先したいのはなにか」というポイントで、以下の4点を基準に考えてみるといいでしょう。
- 審美性重視:ポーセレン、e-max
- 耐久性重視:ジルコニア
- 値段重視:銀歯、ハイブリッドセラミック
- リスク重視:金歯(ゴールド)、セラミック全般
それぞれにメリット・デメリットや特徴がありますので、自分の希望に最も近いものはどれか、担当の歯科医師と十分に検討を重ねて決めることが大切です。
【まとめ】銀歯とセラミックはどっちがいいの?特徴の違いを徹底比較
歯の治療における銀歯とセラミックの特徴や選び方のポイントについて、詳しく解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 被せ物などの材料を選ぶ際は、「審美性」「耐久性」「値段」「リスク」の4つのポイントが優先順位の基準となる
- 銀歯(金銀パラジウム合金)は、保険適用で安価かつ強度が強いが、見た目が悪く、二次う蝕や金属アレルギーのリスクが高め
- セラミックは、天然歯に近い美しさを持ち、二次う蝕や金属アレルギーのリスクが低い反面、歯を削る量が多く、強い衝撃で割れることがある
- セラミック素材には、条件により保険適用となる「ハイブリッドセラミック」、強度と美しさのバランスが良い「e-max」、透明感による再現性に優れる「ポーセレン」、金属並みの強度を持つ「ジルコニア」などの種類がある
- 保険適用外の「ゴールド(金歯)」は、審美性は期待できないものの、柔らかく歯への親和性が高いため、最もリスクが少ない素材とされている
- 素材選びに迷った際は、審美性重視ならポーセレンやe-max、耐久性重視ならジルコニア、値段重視なら銀歯やハイブリッドセラミック、リスク重視ならゴールドやセラミック全般といったように、自分の優先事項を基準に考えると良い
歯の被せ物や詰め物の素材にはそれぞれにメリットとデメリットがあり、治療する部位やご自身の希望によって最適な選択肢は異なります。ご自身が最も優先したいポイントを整理し、担当の歯科医師と十分に検討を重ねて決めることが大切です。
南青山矯正歯科クリニックでは、患者様一人ひとりのお悩みやご希望に寄り添い、お口の状況に合わせた最適な治療計画と素材をご提案しております。
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