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歯列矯正の期間がより短くなるインプラント矯正とは

歯列矯正の期間がより短くなるインプラント矯正とは

矯正治療というと、「治療期間が長い」「複雑な装置を口の中に装着しなければいけない」など大変なイメージがあるかもしれません。
しかし、最近は従来の矯正治療のさまざまなデメリットを解消する「インプラント矯正」という方法が選択されることもあります。

この記事では、インプラント矯正の原理やメリット・デメリットなどを解説します。
この記事を読むことで、インプラント矯正が治療期間の短縮や装置のコンパクト化に役立つ理由などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

こんな疑問を解消!

  • インプラント矯正とはどのような治療か
  • デンタルインプラントと矯正用インプラントの違い
  • インプラント矯正の目的
  • インプラント矯正で期待できるメリット
  • インプラント矯正で生じうるデメリット

インプラント矯正とは

まず、インプラント矯正とはどのようなものかですが、学術的にはインプラント矯正という用語はありません。

生体親和性のある器具を歯槽骨や顎骨に固定し、それを固定源として用いる矯正法のうち、矯正用インプラントや矯正用アンカースクリューと呼ばれる装置を用いた矯正のことをそのように呼ぶことが多いです。

そのため、ここではではそのような装置を用いた矯正をインプラント矯正と呼び解説していきます。

矯正用インプラントとは

インプラントというと歯を失ったときに使用するデンタルインプラントを想像されるかと思いますが、矯正用インプラントはそれとは異なります。

デンタルインプラントは失った歯の歯根の代わりを果たす必要があるため、細いもので直径3mm、太いものだと直径5mmを超えるものもあり、長さも最も短いもので6mm、頻繁に使用されるものでは10mm前後、長いものでは15mmを超えるものもあり、多くはそれを歯槽骨の中に完全に植え込みます。

一方、矯正用インプラントはネジ切り部の直径が1.2mmから2.0mm、長さも4mmから最大でも12mmで、デンタルインプラントより明らかに小さいものになります。また、一部が口腔内に露出し、露出した部分は矯正用ゴムやワイヤーを引っ掛けたりできるような形状になっています。

矯正用インプラントはどこに打つか

矯正用インプラントは上下顎骨の歯槽部(歯が生えている部分)で、歯根と歯根の間に打つことが多いです。ガイドラインで推奨される部位もありますが、治療中の歯や顎の骨の状態等によりそれぞれの場合で最適な位置に調整して打ちます。

インプラント矯正の目的は絶対的な固定源の確保

ワイヤーを用いた矯正では、それぞれの歯がお互いに綱引きのように引っ張りあった状態になります。そのため、たとえば前歯を後ろに下げようとした場合、アンカーの役割をする臼歯も少し前に出てきてしまい、その割合は7:3程度と言われており、抜歯などで歯が移動できるスペースを作ったとしてもそのすべてを利用できるわけではありません。

つまり、人体の一部である歯を固定源とする以上、固定源の歯の移動も起こってしまい、従来の装置による矯正ではいかにしてそれを最小に抑えるかなどを考え、対策を取る必要がありました。

しかし、矯正用インプラントは骨に固定されるため、動くことのない絶対的な固定源として機能し、それにより以下に続くメリットが得られます。

インプラント矯正のメリット

インプラント矯正のメリットは矯正用インプラントと自分自身の歯との特性の違いによって得られます。

まず矯正用インプラントと自分自身の歯との特性の違いからみていきましょう。

矯正期間の短縮

従来の矯正装置では、複数の歯の移動を行う際には移動させたい歯と固定源とする歯との強さを見ながら少しずつ移動させていく必要がありました。

しかし、インプラント矯正では矯正用インプラントを絶対的な固定源として用いることで固定源とする歯の移動を考える必要がなくなるため、歯の移動期間を短くすることが可能になり、結果、トータルの治療期間を短縮させることが可能となります。

矯正装置のコンパクト化

一番後ろの歯を後ろに移動(遠心移動)させたり、歯を根の方向に押し込む(圧下)といった動きは従来の装置では難しく、固定源とする歯を増やしたり口腔外にも装置を装着したりするなど、矯正装置の大型化や複雑化は避けて通れないものでした。

しかし、インプラント矯正では動かしたい歯の装置と矯正用インプラントとを直接つないで力をかけることができ、従来の装置よりも装置をコンパクトにしたり、シンプルにすることが可能になります。また、そのことで矯正治療期間中の歯磨きも行いやすくできる場合があります。

非抜歯適応の拡大

矯正治療では歯を動かすのに必要なスペースを得るために抜歯を行うことが往々にしてありますが、必要なスペースの量により抜歯を行わなくても治療可能となる場合があります。

歯列矯正における抜歯の目的と非抜歯矯正との比較

外科手術を行わくても良くなる場合がある

ガミースマイルの方などで、顎矯正(顎の骨を切る手術を伴う矯正)が必要となる場合がありますが、条件により外科的手段を用いなくてもてもよくなる場合があります。

顎矯正が必要と診断される全てのケースでインプラント矯正で手術が回避できるようになるというものではないのでご注意ください。

ガミースマイルを改善する骨切り術の種類と治療が受けられる医療機関

インプラント矯正のデメリット

インプラント矯正は必ず矯正用インプラントの植立と除去が必要となります。

矯正用インプラントの植立は局所麻酔下で行いますが、このとき低確率ではあるものの歯根を損傷する可能性があります。

また、矯正用インプラントが生着せず脱落してしまうことや、矯正用インプラント周囲の清掃不良などで炎症を起こしてしまうこともあります。

医療機関によっては矯正用インプラント本体や植立の料金が治療代とは別途必要な場合もあります。

【まとめ】歯列矯正の期間がより短くなるインプラント矯正とは

インプラント矯正の目的やメリット・デメリットなどを解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。

ここがポイント!

  • 学術的に「インプラント矯正」という言葉はないが、矯正用インプラントや矯正用アンカースクリューを用いた矯正を指す場合が多い
  • デンタルインプラントは、失った歯の歯根の代わりとなるもの
  • 矯正用インプラントは、デンタルインプラントより小さく、口腔内に露出した部分に矯正用ゴムやワイヤーをかけられるようになっている
  • 矯正用インプラントは、歯槽部の歯根と歯根の間に打つことが多く、動くことのない絶対的な固定源として機能する
  • インプラント矯正をすると、治療期間の短縮、矯正装置のシンプル化およびコンパクト化、非抜歯適応の拡大、外科手術の回避などが期待できる
  • インプラント矯正では、矯正用インプラントの植立・除去が避けられず、歯根損傷の可能性もあり、矯正用インプラントの脱落やインプラント周囲の炎症が起きる場合もある
  • 矯正用インプラント本体や植立の料金が別途必要な場合がある

インプラント矯正は比較的新しい矯正手法で、すべての症例で適応となるわけではありません。しかし、適応の場合には得られる恩恵が大きい治療法でもあります。
矯正治療をご検討の際には、選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。

南青山矯正歯科クリニックでは、歯列矯正中に矯正治療だけでは動かない歯や大きく動かしたいといった際、また、ガミースマイル改善のためにインプラント矯正を用いることがあります。
歯列矯正やガミースマイル治療を検討中で、インプラント矯正についてもっと知りたい方は、まずは歯科医師の診察にてご相談ください。丁寧にお答えさせていただきます。

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