インビザライン矯正や歯列矯正とホワイトニングは同時にできる?順番などの注意事項も解説
歯並びと歯の色は、美しい口元の大事な要素です。しかし、歯列矯正もホワイトニングもそれなりに時間がかかります。
それでは、治療期間短縮のために歯列矯正とホワイトニングを同時にすることはできるのでしょうか。
この記事では、歯列矯正とホワイトニングを並行して進められるのかについて解説します。
この記事を読むことで、歯列矯正とホワイトニングを同時に行うための条件や注意点などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- 歯列矯正とホワイトニングは同時にできるのか
- どのような条件が揃えば矯正治療とホワイトニングを同時に行えるのか
- 矯正治療とホワイトニングを同時に行う方法
- 矯正治療とホワイトニングを同時に行う場合の注意点
歯列矯正とホワイトニングは同時にできる?
歯列矯正とホワイトニングは、同時に治療を進めていくことはできるのでしょうか?
できないケースとできるケース、またできるケースでの注意点などをお伝えします。
原則できない
歯列矯正とホワイトニングを同時に行うということは、原則的にできないと言えます。
一部例外的な条件の下では行えますが、基本的には歯列矯正を完了させた後にホワイトニングを行うことになります。
同時にできる場合
先ほど、一部例外的な条件の下では行えますがとお伝えしました。
その条件とは、以下の3つになります。全て満たした場合は、歯列矯正とホワイトニングを同時に行える可能性があります。
歯列矯正がマウスピース矯正または舌側矯正であること
いわゆる表側からのワイヤー矯正では、ブラケット(マルチブラケット)やワイヤーなどが障害物になってしまい、それらがある部分にホワイトニング剤を届けることができません。
そのため、ホワイトニング剤と干渉することのないマウスピース矯正または舌側矯正をしているか、表からのワイヤー矯正であれば、ある段階からブラケットを外せるようになるマウスピース矯正との併用である必要があります。
ホワイトニング法がオフィスホワイトニングであること
ホームホワイトニングでは、2週間程度連続して同じマウスピースを使いますが、このときは歯の移動が無いことが前提条件になります。
したがって、マウスピース矯正中にホワイトニング用マウスピースを作っても、マウスピースと歯が合わなくなってしまい、使用することができなくなります。
ホワイトニング用マウスピースは比較的柔らかいため入れることはできますが、矯正中の歯の位置とマウスピースの歯の位置が段々ずれてくるため、歯の移動に影響する可能性があります。
動的治療がある程度終了していること
ホワイトニングは歯の構造上、ホワイトニング剤が直接触れている歯面よりもわずかに広い範囲まで効果が得られます。
しかし、叢生(いわゆる乱杭歯)や捻転などにより十分にホワイトニング剤をいきわたらせられない部分があると、そこだけホワイトニングの効果が得られず、ムラのある仕上がりになってしまいます。
まだ歯並びが整っていないうちは目立ちませんが、動的治療が終わり、歯並びが整うとムラが目立つようになることがあります。そのため、少なくとも歯と歯の重なりが無い状態までは治療が進んでいることが望ましいです。
どんな方法でなら同時にできる?
歯列矯正とホワイトニングを同時に行える場合を見ましたが、具体的にどういう方法であれば同時に行えるのでしょうか?
- ❶まず、ホワイトニング剤を十分に行き渡らせられる程度まで動的治療を進めます。このときはマウスピース矯正でもワイヤー矯正でも、どちらでも問題ありません。ワイヤー矯正とマウスピース矯正の併用を選択した場合は、ワイヤー矯正が終わるまで待ちます。
- ❷ワイヤー矯正からマウスピース矯正に移行できたとき、または担当の歯科医師がホワイトニングを行っても問題ないと判断したらホワイトニングが可能になります。
- ❸オフィスホワイトニングを各システム所定のサイクルで行います。このときアライナーは通常通り使用してもらいます。
同時にしたいときに気をつけこと
ホワイトニングとマウスピース矯正とを同時に行うときに、注意するべきポイントがあります。
ホワイトニングのマウスピースと矯正用マウスピースは別物
ホームホワイトニングではホワイトニング用マウスピースを作ります。
マウスピース矯正でも矯正用マウスピース(アライナー)を作ります。
どちらもマウスピースなのだから「アライナーをホワイトニング用マウスピースとして利用しても良いのでは?」と考えるかもしれません。
ホワイトニング用マウスピースはホワイトニング剤が入る隙間が設けられたものであり、歯とマウスピースの間にわざと隙間をあけています。
一方、矯正用のアライナーは歯に完全に密着させて持続的な力をかける道具であり、アライナーと歯との間に何かが入ることを想定していません。
この二つは異なるコンセプトからなる、似て非なるものです。そのためアライナーをホワイトニング用マウスピースとして使用すると、ホワイトニング剤がアライナーからはみ出してしまい、歯肉に化学的なダメージを与える可能性が高いです。また、ホワイトニング剤がはみ出ないようなはめ方をすると、アライナーとしての役割が果たされず、矯正治療の進行に影響が出る可能性があります。
さらにアライナーにホワイトニング剤を入れた場合、洗浄が不十分だとアライナー内面に残ったホワイトニング剤により歯がダメージを受ける可能性もあります。よって、それぞれの治療の目的からも、安全面からも、アライナーをホワイトニング用マウスピースのかわりに使うことはやめたほうが良いです。
アタッチメントのある部分はホワイトニングがされない
マウスピース矯正では、アタッチメントと呼ばれる突起を歯につけることがあります。このアタッチメントは、ホワイトニングにとっては障害物となってしまい、ホワイトニング剤が届きません。なので、ホワイトニングをしたい範囲にはアタッチメントが無い状態にしておく必要があります。
アタッチメントの取り付けや撤去のタイミングは、クリンチェックの段階でわかります。同時にホワイトニングを行えそうか、早めに確認しておいても良いでしょう。
【まとめ】インビザライン矯正や歯列矯正とホワイトニングは同時にできる?順番などの注意事項も解説
歯列矯正とホワイトニングを同時に行うための条件や方法、注意点などを解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 歯列矯正とホワイトニングは、原則として同時にはできないため、基本的には歯列矯正完了後にホワイトニングを行う
- 例外的にマウスピース矯正または舌側矯正の場合、オフィスホワイトニングの場合、動的治療がある程度終了している場合の3条件を満たす場合は、歯列矯正とホワイトニングを同時に行える
- 動的治療がある程度進み、ワイヤー矯正からマウスピース矯正に移行できたとき、または歯科医師が問題なしと判断したらホワイトニングが可能。アライナーを通常と同じように使用しながら、オフィスホワイトニングを所定のサイクルで行う
- 歯列矯正とホワイトニングを同時に行う場合でも、アライナーをホワイトニング用マウスピースのかわりに使うのは避けるべき
- アタッチメントのある部分はホワイトニングできないので要注意
歯列矯正とホワイトニングを同時に行うためには、一定の条件をクリアしなくてはなりません。ただし、たとえ条件をクリアして同時に行ったとしても、時間の短縮以上のメリットはあまりないといえます。
どうしても同時に行いたい場合は、自分が条件に該当するか担当の歯科医師に相談してみましょう。
南青山矯正歯科クリニックでは、一定の条件のもと歯科医師の判断によって、歯列矯正やインビザライン矯正中にホワイトニングのご案内も可能です。矯正治療中のホワイトニングをご希望の場合は、事前の診察にてご相談ください。