裏側矯正(舌側矯正)とは
裏側矯正(舌側矯正)とは、ワイヤー矯正の術式のひとつで、歯の裏側(舌側)に金属製の矯正装置を付け、そこにワイヤーをとおして歯牙移動を促すことで、歯列不正や不正咬合を改善することを目的とした矯正技術です。歯科では舌側矯正(ぜっそくきょうせい)といい、一般的には裏側矯正と呼ばれることもあります。
矯正装置は舌側にあるため開口時に見えづらく、矯正期間中でも高い審美性を保つことができます。
裏側矯正は主に2つに分けられ、フルリンガルとハーフリンガルの2種類があります。リンガル(舌側)とは、矯正装置を歯列の裏側に設置することを意味し、それが全部(フル)か半分(ハーフ)かによって、治療に伴うメリット・デメリットも変わってきます。
フルリンガル矯正の特徴
金属製のワイヤーとブラケットを上下顎ともに裏側に設置する矯正法です。フルリンガル矯正と呼ばれることもあります。開口時には矯正装置が見えないため、接客業、人前で話す機会の多い経営者や芸能人、就職活動中の学生におすすめの矯正法です。
フルリンガル矯正のメリット
- 矯正中であることにほとんど気付かれない
- 表側矯正よりも虫歯になりにくい
- 表側矯正と比べ前歯を引っ込める場合に優位
- 舌癖防止になり、矯正治療後の後戻りのリスクが減る
フルリンガル矯正のデメリット
- 表側矯正よりも治療費が高くなる
- 慣れるまでは違和感や発音障害が大きい
- 食事がしづらい
- 歯磨きがしづらい
ハーフリンガル矯正の特徴
ハーフリンガル矯正では、上顎の歯は裏側に、下顎の歯は表側に矯正装置を設置します。
笑った時に見えづらい下の歯の表面にしか矯正装置がつかないため、比較的装置が目立たず、フルリンガルと比べ、発音や舌への違和感が軽減されます。「少しだけ矯正装置が見えてもいいけど、快適に矯正をしていきたい」といった方におすすめです。
ハーフリンガル矯正のメリット
- 目立ちやすい上顎は裏側に設置するので周囲に気付かれにくい
- 下顎は舌側に設置するので発音の邪魔にならない
- フルリンガル矯正より治療費が安くなる
ハーフリンガル矯正のデメリット
- フルリンガルと比べると装置が目立ちやすい
- 一般的な表側矯正よりも治療費が高くなる
裏側矯正(舌側矯正)の適応

叢生(八重歯・乱杭歯)

上顎前突(出っ歯・口ゴボ)

反対咬合 / 下顎前突(受け口)

上下顎前突

開咬(オープンバイト)

交叉咬合

過蓋咬合(深い噛み合わせ)

切端咬合

空隙歯列・正中離開(すきっ歯)

正中の不一致

顎偏位 ※骨格性でないものに限る

過剰歯

萌出遅延・埋伏

捻転歯

転位歯

歯の欠損 / 先天性欠如

ガミースマイル
裏側矯正(舌側矯正)の料金・費用
メニュー名 | 本数・回数・内容 | 価格(税込) |
---|---|---|
裏側矯正(リンガルブラケット) | ハーフリンガル(上顎:舌側、下顎:表側) | 1,320,000円 |
上下顎 | 1,540,000円 | |
処置料(毎回) | 無料 | |
リンガル(裏側)部分矯正 | 片顎前歯6本 | 660,000円 |
ハーフリンガル(上顎:舌側、下顎:表側) | 1,100,000円 | |
精密検査、診断料 | – | 55,000円 |
プラークコントロール料 | – | 5,500円 |
リテーナー(保定装置) | 片顎 | 55,000円 |
ワイヤー矯正オプション
メニュー名 | 本数・回数・内容 | 価格(税込) |
---|---|---|
アンカースクリュー | 1本 | 55,000円 |
矯正補助装置 | 片顎1個 | 11,000円 |
MFT(口腔周囲筋筋機能訓練) | 1回 | 5,500円 |
裏側矯正(舌側矯正)のよくある質問
私たちの歯は、一般的に表側の方が虫歯になりやすいです。裏側は唾液による自浄作用などが働きやすいからです。そのため、表側に装置を装着すると虫歯や歯周病のリスクが大きく上昇します。ですから、虫歯や歯周病を予防するという点においては、裏側矯正の方が優っているといえます。
ワイヤー矯正の中では、フルリンガルである裏側矯正が最も気付かれにくい治療法といえます。とはいえ、大きく口を開けた際には、装置が目につくこともありますので、絶対に気付かれないということもありません。
裏側矯正は、表側矯正よりもケアが難しい傾向にあります。そのため、歯ブラシだけではなく歯間ブラシやデンタルフロスといった補助的清掃器具を活用する必要があります。それらの使用方法も踏まえ、適切なオーラルケアの仕方を指導させていただきますのでご安心ください。
ハーフリンガル矯正は、いろいろな症例に適用することができますが、万能ではありません。ケースによっては一般的な表側矯正の方が適していることもあります。
ハーフリンガル矯正では、抜歯が必要なケースとそうでないケースとがあります。抜歯が必要かどうかは、精密な検査を実施するこで判断することが可能です。もちろん、どうしても抜歯をしたくないという患者さまには、そのご意向を反映した治療計画をご提案いたしますのでご安心ください。
一般的な表側矯正と比べると、治療中であることに気付かれにくいといえます。ただ、下の歯列は表側に矯正装置が装着されますので、フルリンガル矯正よりは気付かれやすいといえます。
裏側矯正(舌側矯正)のページをご覧の皆様へ
このページでは、上下顎の裏側または、上顎は裏側で下顎は表側に矯正装置をつける「裏側矯正」についてご確認いただけます。
南青山矯正歯科クリニックの裏側矯正は、出っ歯や受け口など幅広い症例に適用可能です。特に矯正期間中でも、審美性を重視される方にはおすすめの矯正法といえます。
当院ではキャリア10年以上、もしくは大学附属病院所属の実績のある女性歯科医師が対応いたしますので、治療に関するご要望等も気兼ねなくお伝えください。裏側矯正だけでなく、その他の審美の悩みも同じ施設内で連携対応可能なため、治療ごとに医療機関を変える必要がありません。
裏側矯正 (舌側矯正)の治療概要
治療方法 | 裏側矯正 (舌側矯正) |
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治療説明 | 裏側矯正(舌側矯正)は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着することで、矯正期間中の審美性を保ったまま、歯並びや不正咬合を改善する矯正法です。 |
治療費 | 550,000円〜1,540,000円(税込) |
治療の副作用(リスク) |
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治療期間 | 3か月〜3年 |
治療回数 | 5回〜40回 |
適応症例 | 空隙歯列、下顎前突、上顎前突、開咬、叢生などの歯列不正 |
ダウンタイム | なし |
カウンセリング当日の治療 | カウンセリングまで |
入院の必要性 | なし |
術後の制限事項 | 保定期間あり |
不適応の症例 |
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