子供の矯正はいつから始めるのがいいの?小児矯正の重要性についても解説
「子供の歯並びが気になるけれど、いつから相談すればいいのだろう?」「まだ乳歯だし、もう少し様子を見ても大丈夫かな?」と、お子さまの矯正治療を始めるタイミングに悩まれている親御さんは少なくありません。
子供の歯列矯正は、始める時期によってその後の治療内容や将来的な負担が大きく左右されるため、適切なタイミングを見極めることが非常に重要です。
この記事では、子供の矯正治療を始めるのに最適なタイミングや、各年齢段階での治療目的、そして早期に矯正を行う重要性を詳しく解説します。
この記事を読むことで、お子さまの成長に合わせた最適な治療時期や、小児矯正が将来の健康に及ぼすメリットを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- 結局、何歳から矯正の相談を始めるのがベストなの?
- 早期に矯正を始めることで、どんなメリットがあるの?
- 子供のどんな歯並びが、小児矯正の対象になる?
- 家庭でチェックできる、小児矯正が必要なサインはある?
- 第Ⅰ期治療と第Ⅱ期治療では、何が違うの?
目次
子供矯正はいつから始める?
「子供の歯並びっていつから気にしたらいいの?」「子供矯正って何歳から何歳までやるの?」など、子供の矯正治療は親御さんにとって疑問の多い領域でしょう。
一般的な子供矯正は、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に始めることが多く、その目安は、上下の前歯4本の永久歯がある程度萌出する6~7歳頃といわれますが、歯の萌出や顎の骨の状態などによって個人差があります。
ただし、乳歯が萌出するころからリスク管理を行っていて、早期に対応が必要と判断された場合には、乳歯列期の3~5歳くらいから介入を始めることがあります。また、初めての乳歯が生えてきた0歳から経過を見ながら、予防的にリスク管理を行うことも子供矯正の重要なアプローチといえるでしょう。
子供矯正のタイミング別の治療と目的
子供矯正は始めるタイミングが非常に重要です。タイミングによって、その後の治療が大きく左右されるといっても過言ではありません。
例えば、永久歯が生え揃ってから治療を開始した場合、歯をきれいに並べるスペースの確保が難しくなり、抜歯が必要になったり治療期間が長くなったりすることがあります。治療の開始が遅れるほど、虫歯や歯周病になるリスクも高くなりますし、心理的なコンプレックスの原因ともなり得ます。
逆に早期に治療を開始すれば、治療の負担やリスクも軽減できますし、長期的なメリットが大きいと言えます。
0~3歳:乳歯が萌出する時期【時期】
積極的な小児矯正の時期ではありません。
定期健診やフッ素塗布、指しゃぶりや口呼吸などの管理を行いながら、虫歯予防と並行して矯正のリスク管理を行います。
3~5歳:乳歯列期【時期】
明らかな反対咬合や開咬などがみられる場合には、早期にマウスピース型の装置(プレオルソやムーシールドなど)を使った治療を開始し、歯列不正の原因となる指しゃぶりや口呼吸などの改善を目指します。
6~12歳:混合歯列期【時期】
小児矯正を本格的に行う時期でⅠ期治療といわれます。
成長が著しい時期なので、顎骨の成長と歯並びのバランスをコントロールしながら進めます。拡大装置やマウスピース型矯正装置と並行して口腔周辺のトレーニング(MFT)を行い自然な歯並びを目指します。
12歳以降:永久歯列期【時期】
永久歯が生え揃ってから行う治療でⅡ期治療とよばれます。
積極的に歯を動かすワイヤー矯正やマウスピース矯正で精密に歯を動かし、計算された美しい歯並びや噛み合わせを目指した治療を行います。
Ⅰ期治療【治療別】
5~11歳くらいで、乳歯が生え揃い永久歯と混在する混合歯列期に行う小児矯正です。
この時期は顎骨の成長も活発なので、その力をコントロールして永久歯が綺麗に並ぶスペース確保を目的に治療を行います。Ⅰ期治療で土台作りをすれば永久歯への影響も少なく、その後のⅡ期治療もスムーズに進めることができます。
Ⅱ期治療【治療別】
乳歯と永久歯の交換が終わった12歳以降の永久歯列期に行う積極的な小児矯正です。
計算された理想的な歯並びを目指して、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などを行います。スペース確保のために抜歯が必要になることもあります。
子児矯正の重要なチェックポイント
3歳で歯並び予測と癖の改善、6歳で永久歯と顎の状態をチェック。早期対応が負担の少ない治療に繋がります。
3歳頃:乳歯が全部萌出した時期
乳歯が生え揃うと、将来的な歯並びのアンバランスが予測できます。また、早期から治療が必要な下顎前突(受け口)や開咬に気付いたり、指しゃぶりや口呼吸などの歯並びに影響する習慣への対処をしたりと、歯列不正の予防的な対応を始めることができます。
6歳頃:永久歯が生え始める時期
6歳頃になると、第一大臼歯(6歳臼歯)が顔を出します。その後は次々と生え変わりが進み、永久歯のスペースや位置の問題などが徐々にわかってきますので、専門医によるチェックや検査で今後の問題や治療の必要性が明確になります。
この時期は顎骨の柔軟性が高くコントロールしやすいので、その特性を生かして負担の少ない治療を行うことができます。
小児矯正の対象となる歯並び
小児矯正は出っ歯や受け口、叢生、すきっ歯等が対象となります。歯列不正を改善することで、咀嚼や発音の改善、虫歯・歯周病予防に繋がります。
上顎前突(出っ歯)、下顎前突(反対咬合、受け口)
上の前歯が過度に前に出ていたり、下の前歯が上の前歯より前に出ていたりする状態です。
唇を閉じにくく口呼吸が習慣化しやすくなりますし、奥歯の噛み合わせもずれていることが多く、咀嚼や発音がうまくできないという悪影響が生じることが少なくありません。
開咬、過蓋咬合
開咬は、奥歯は噛んでいても上下の前歯に空隙があり、噛み合わない状態です。前歯で噛み切れなかったり、サ行やタ行の発音時に空気が抜けて正しい発音ができなかったりします。また、隙間に舌を入れる舌突出癖が起こることも少なくありません。
過蓋咬合は、噛み合わせた状態で上の前歯が下の前歯に過剰に被さっている状態です。下の前歯はほとんど見えないため、審美的にも不自然で顎関節にも負担がかかります。
どちらも一部の歯に過度の負担がかかり、歯の破折や摩耗が生じることがあります。
叢生(ガタガタ歯列、八重歯)
歯並びと顎のサイズのアンバランスの影響で歯並びが重なったり捻じれたりして、ガタガタになった状態で、中でも犬歯が唇側に位置するのを八重歯といいます。
叢生では、口腔内で複数の歯並びの問題がみられることも少なくありません。清掃性が悪く、虫歯や歯周病のリスクが高まりますし、人前で歯を見せることに対してコンプレックスになることも少なくありません。
空隙歯列(すきっ歯)
本来あるべきではない空隙が歯と歯の間にある状態です。
乳歯では成長と共に空隙ができるのが正常な状態ですが、永久歯に空隙があるのは正常ではなく、食べ物が詰まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを高めますし、空気が漏れて発音の問題にも繋がります。
また、隙間に舌を入れるのが癖になり、歯を前に押す力が加わり空隙をさらに広げたり矯正治療を妨げたりする原因となることもあります。
小児矯正が重要な理由
早期の小児矯正は正しい呼吸や発音を促し、虫歯や将来の抜歯リスクを低減します。また、費用や心身の負担も抑えます。
正しい発音や呼吸を身に着けられる
歯並びや噛み合わせの悪さは、発音や呼吸に影響します。
子供の頃に脳が記憶した発音や呼吸の問題は、成長するほど改善が難しくなりますので、早期に治療を開始することで、正しい発音や呼吸を身に着けることが期待できます。特に小児矯正は、口呼吸から鼻呼吸へ改善することを目標のひとつとしています。
虫歯や歯周病のリスクを下げることができる
歯並びが改善することで清掃性も高まり、虫歯や歯周病などのリスクを下げることができます。
将来的なコンプレックスの早期解消
歯並びが悪いと、審美性や発音などの問題からコンプレックスになり、人前で笑えなかったり、無口になったりすることがあります。
小児矯正でこれらの問題を解決することによって、コンプレックスを解消したり、予防したりすることが期待できます。
永久歯への影響を最小限に抑えられる
小児矯正で永久歯列期の土台作りをすることで、永久歯の歯列不正への影響を押さえることができ、矯正治療の負担を軽減することにもつながります。
大掛かりな矯正治療を回避できる
顎が成長する力を活用して永久歯のスペースをスムーズに確保できるので、抜歯やワイヤー矯正などの大掛かりな治療を回避することが期待できます。
治療にかかる費用を抑えられる
永久歯列期や成人の治療より治療期間も短く、治療そのものにかかる費用も抑えることができます。
お口に関する悪い習癖を早期に改善できる
指しゃぶりや口呼吸、舌の位置の異常などの悪い習癖は歯並びに大きく影響します。小児矯正では、これらの悪癖を改善することも治療の一環です。
家でも気を付けたい小児矯正の目安
指しゃぶり、乳歯の隙間不足、遺伝等は歯並びに影響します。将来のために早めの専門医相談を推奨します。
指しゃぶりやお口ポカン(口呼吸)等の癖が治らない
3歳を過ぎても、指しゃぶりやお口が無意識に開くお口ポカンの状態がある場合は、その後の歯並びや顎の発育に影響することが予測されます。
萌出した乳歯の間に隙間がない
顎の成長と共に乳歯に隙間ができるのは正常な状態ですが、5歳くらいになっても隙間がない場合、永久歯のスペースが不足して歯列不正になる可能性が高まります。
乳歯の後ろに重なって永久歯が萌出してきた
生え変わりの時に乳歯が抜けずに重なって永久歯が萌出することがあります。その場合、乳歯の抜歯や矯正治療が必要になることがあります。
既に下顎前突や開咬、叢生などの歯列不正がある
乳歯期に既に明らかな歯列不正がある場合、顎骨とのバランスだけでなく、悪い習癖が原因して起こることもあります。その場合、早期の介入を検討する必要があるケースもあります。
乳歯が早く抜けてしまった、もともと足りない
重度の虫歯や打撲による脱臼などで早期に歯を失うと、歯並びが乱れる原因となります。また、生まれつき一部の歯がない先天性欠如は乳歯にも永久歯にもみられ、発生率約10%といわれます。
歯がないことでバランスが崩れ、歯列不正や噛み合わせ異常を起こすことがあります。どちらも永久歯の歯並びまで視野に入れた管理が必要です。
親も歯並びが悪かった
骨格は遺伝的な要素が多いため、親も顎が小さく歯並びが悪かった場合、子供も同じように歯並びが悪くなる可能性があります。
早期から歯科医院でのチェックを!
乳歯の歯並びは、永久歯期に影響することがほとんどです。
そこで重要なのは、早期から専門医によるチェックや管理を受けて、適切な時期に適切な対応を行うことです。そうすることで、将来的に矯正治療そのものが不要になったり、複雑な治療を回避することができたりすることも少なくありません。
また、幼少期から歯科医院に通うことで、子供の恐怖心や苦手意識を払拭できるというメリットもありますので、早期から歯科医院でチェックを受けるようにしましょう。
【まとめ】子供の矯正はいつから始めるのがいいの?小児矯正の重要性についても解説
子供の矯正はいつから始めるのがいいのか、その最適なタイミングや小児矯正の重要性について詳しく解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 矯正開始の目安は、一般的には前歯が永久歯に生え変わる6~7歳頃が目安だが、歯並びの状態によっては3~5歳の乳歯列期から介入する場合もある
- 時期別の治療目的
・0~3歳:虫歯予防や、指しゃぶり・口呼吸などのリスク管理を行う時期
・3~5歳:明らかな反対咬合などの改善をマウスピース型装置で目指す場合がある
・6~12歳(Ⅰ期治療):顎の成長をコントロールし、永久歯が並ぶスペースを確保する土台作りの時期
・12歳以降(Ⅱ期治療):永久歯が生え揃った後、ワイヤーやマウスピースで精密に歯を動かし、理想的な歯並びを目指す時期 - 3歳頃には将来の予測や癖の改善、6歳頃には永久歯と顎の状態を専門医にチェックしてもらうのが理想的
- 小児矯正では、出っ歯(上顎前突)、受け口(下顎前突)、開咬、ガタガタ(叢生)、すきっ歯などが対象となり、見た目だけでなく、咀嚼や発音、虫歯リスクにも影響する
- 早期矯正によって、正しい発音・呼吸の習得、虫歯リスクの低減、将来的な抜歯や大掛かりな治療の回避、さらにはコンプレックスの解消が期待できる
- 指しゃぶりやお口ポカン(口呼吸)が治らない、乳歯の間に隙間がない、親の歯並びが悪いといった場合は、早めに専門医へ相談することが推奨される
乳歯の時期の歯並びや習慣は、将来の永久歯の並びに大きく影響します。
早い段階から歯科医院でチェックを受けることで、将来的に複雑な治療を避けられたり、矯正そのものが不要になったりすることも少なくありません。
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