歯科レントゲンとCTの種類と安全性

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歯科医院を受診したとき、よく「レントゲンを撮りましょう」と言われたことがあると思います。しかし、同じ歯を何枚も撮影したり、複数の機械で撮影したりと、なぜこのようなことをするのか疑問に思うこともあったかもしれません。

今回は、歯科で使用するレントゲンについてお伝えしたいと思います。

レントゲン(エックス線画像診断)とは

よく耳にする「レントゲン」という言葉ですが、これはエックス線画像撮影法の開発者であるヴィルヘルム・レントゲンの名前にちなんだ呼称であり、医療機関では他にもX-Pという呼称を用いることもあります。

エックス線という特定波長域の放射線を物体に照射し、透過したエックス線をフィルムなどに写し撮ることをエックス線画像撮影、それで得られた画像を見て診断を行うことをエックス線画像診断といい、以後このコラムではエックス線画像撮影とエックス線画像診断をあわせてレントゲンと呼ぶことにします。

レントゲンでわかること

レントゲンではその原理の性質上、撮影したもののすべてがわかるわけではなく、得意、不得意があります。

基本的にレントゲンは硬組織(歯や骨など)の描写を得意とし、軟組織(歯肉など)の描写は苦手です。

虫歯

レントゲンでは虫歯の大きさ、深さなどを知ることができます。撮影条件によっては初期の虫歯を発見することも可能で、現在でも虫歯の診断にはレントゲンは最も有効です。

しかし、たとえば銀歯の内側など、虫歯のできている場所によっては描写することができないこともあります。

根尖病巣、歯の破折

虫歯が歯の神経まで到達し、感染が成立すると根の先で骨の中に膿を作ったり、強い炎症を起こすことがあり、これを根尖病巣と呼びます。根尖病巣は骨の中の病変なのでレントゲンでの診断が有効です。

また、歯の頭(歯冠)や根が折れたりひびが入ったりすること(歯の破折)がありますが、これらの多くは直接見ることができない部位で起こるため、レントゲンでの診断が有効です。

歯周病

歯周病は歯を支える骨(歯槽骨)や歯肉などの歯周組織に細菌感染が起き、それによる炎症で歯槽骨の吸収などがおこる病気で、昔は歯槽膿漏と呼ばれていました。

レントゲンでは歯周組織の状態はわかりませんが、歯についた歯石や歯槽骨の炎症の所見や吸収程度を見ることができ、歯周病の診断や治療の評価に重要な役割を果たしています。

歯周病の原因と治療方法

顎関節

顎から音が鳴る、口が開きづらいなどの顎関節症の症状がある場合、レントゲンで顎関節症の診断、タイプの判定などが可能です。

頭蓋、顔面領域の骨

撮影法によりますが、現在の顎顔面領域の骨の状態、歯の生え方などを知ることもできます。

レントゲンでわからないこと

歯科で用いるエックス線は硬組織を描写することに適したセッティングになっているため歯肉、舌、頬粘膜などの軟組織はフィルムに写らず、診断することができません。

なぜレントゲンを撮影するか?

ここまでレントゲンでは何がわかるか、わからないかを見てきました。それでは、歯科治療では何を目的にレントゲンを撮影するのでしょうか?

ひとつは、今現在の状態を知るためです。

これから治療する虫歯や根尖病巣が現在どんな状態なのか、たとえば単純に削って詰めるだけで治せそうか、神経の治療が必要そうか、残念ながら抜歯しないといけなそうかという評価をするためや、矯正では現在の骨や歯の状態を分析して治療計画を立てるためにレントゲンを撮影します。

ふたつめは、経時的な変化を知るためです。

以前の治療の後、しっかり治ってくれいるか、悪化していないか、新しい虫歯や根尖病巣が出現していないかを評価するためや、矯正では顎の骨の成長や各種指標の変化を評価し、治療計画の修正、変更、継続等を検討するためにレントゲンを撮影します。

レントゲンの種類

レントゲンは分類法によりいくつかの種類に分けられますが、ここでは実際に歯科医院で使用する装置と撮影法により紹介していきたいと思います。

デンタル

デンタル レントゲンの種類

歯科で最も使用されている撮影法で、口の中にフィルムを入れ、撮影対象をフィルムとエックス線照射装置とで挟むようにして撮影します。

虫歯や根尖病巣の治療や歯周病の治療など幅広く用いられており、解像度の高い画像を得られますが、撮影範囲が小さいため複数歯にわたって撮影したいときは複数枚のフィルムを順番に入れて撮影していく必要があります。

パノラマ(オルソパントモグラフィ)

パノラマ(オルソパントモグラフィ) レントゲンの種類

デンタルの次によく使用される撮影法で、断層撮影という特殊な撮影方式を用います。顔を一定の撮影範囲の中にセッティングし、顔の周囲をフィルムとエックス線照射装置が回転して撮影します。

撮影法の名称から、パノラマ、オルソ、パントモなど医院やスタッフにより呼称にバリエーションがありますが、いずれも同じものを指しています。

デンタルとの最大の違いは、歯列と顎骨全体を撮影でき、これ1枚でおおまかな虫歯の位置や大きさ、歯周病の進行程度、親知らずの深さなど非常に多くの情報を得られることです。

しかし、デンタルと比較すると解像度が低く、より詳細な情報が欲しい場合にはデンタルや後述のCTを併用する必要があります。

撮影モードにより顎関節のみを写すことも可能で、顎関節症が疑われる場合には有用な撮影法です。

セファロ

セファロ レントゲンの種類

矯正治療を行う際に必須となる撮影法です。専用の装置を用いる場合と、パノラマ撮影装置にオプションとして組み込まれている場合があります。

一定の距離、一定の角度から、顎顔面全体を撮影します。治療前、治療中、治療後の分析、診断、評価に用いるため撮影条件が規格化されている点がデンタル、パノラマとは大きく異なります。

歯科用CBCT

ここ10年ほどで、歯科用CBCTという装置が普及してきて、多くの歯科医院でも導入されるようになってきました。比較的新しいこの装置についてご紹介したいと思います。

歯科用CBCTとレントゲンの違い

これまで見てきた撮影法は歯や骨といった3次元のものをエックス線で2次元の画像に写して、いわば影絵のようにして見るものでした。そのため、角度や部位などの撮影条件によっては描写できない病変等が存在していました。

歯科用CBCTはエックス線を照射して得られたデータをコンピュータで処理、再構築することにより、3次元的な情報を保ったまま見ることができるようになり、これまでの撮影法では得ることが難しかった情報を得られるようになりました。

たとえば、親知らずの抜歯の際の神経損傷リスクをより確実に評価できるようになったり、インプラント埋入の際にどこにどれだけ骨があるか、あるいは不足しているかを事前に知ることができ、成功率を高める治療計画を立てられるようになったりしました。

医科用CTとの違い

医科用CTと歯科用CBCTは撮影方法、画像の再構築の原理に違いがあり、どちらもCTではありますが得られる情報に差があります。

詳しい撮影原理は割愛しますが、医科用CTではCT値と呼ばれるデータが存在し、骨質と呼ばれる情報や、軟組織の情報も得ることができます。

一方、歯科用CBCTではCT値が存在せず、軟組織の情報は得られません。よって、歯科用CBCTで得られたデータは医科用CTで得られたデータと同等に扱うことができず、歯科用CBCTで腫瘍などを疑う病変が見つかった場合には、あらためて医科用CTで撮影しなおす必要があります。

撮影時の被曝と防護について

レントゲン、歯科用CBCT共に、エックス線という放射線の一種を用いるため、撮影には必ず被曝を伴います。現在も撮影の際には防護エプロンを用いる医院も多くみられます。

しかし、ガイドラインや論文などによれば鉛エプロンを使用しても被曝線量の低下にはあまり効果はなく、アメリカやヨーロッパでは鉛エプロンの使用は推奨しないとされています。また、東京都歯科医師会が公開している資料によれば、歯科治療時に撮影されるデンタル1枚の放射線量は0.01mSv程度、パノラマ撮影時は約0.03mSvであり、自然放射線1年分(約1.5mSv)に比べて極めて少ない値であるとされています。

エックス線も放射線の一種ということで不安に思われる方もいるかもしれませんが、歯科で使用されるレントゲンは安心して受けていいものであると知っていただければと思います。

NPO法人日本歯科放射線学会 歯科X線検査の放射線防護に関するヨーロッパのガイドライン

社団法人東京都歯科医師会 歯科治療のX線撮影は安全です!放射線と歯科X線撮影のお話(都歯雑誌平成23年8月号付録)

【まとめ】歯科レントゲンとCTの種類と安全性

あらゆる歯科治療を行う上でレントゲンは欠かせないものであり、より良い治療のためには適切なレントゲンの使用が必要です。疑問に思うことなどもあるかもしれませんが、このコラムがお役に立てれば幸いです。

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