歯科矯正治療における医療費控除について解説しています。
以下は参考としていただき、治療内容が医療費控除対象であるかどうか、提出が必要な書類についてはお住いの管轄の税務署にてご確認ください。
医療費控除とは
医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの間に、自分とその家族の治療費、交通費、検査代、調整代などの合計金額が10万円を超える支払いがあった場合、確定申告を行うと一定の金額の所得控除を受けられるもので、納めた税金の一部が返ってくるという制度です。
医療費控除はいつ申請するの？
確定申告の時期（毎年2月16日から3月15日の一ヶ月間）
申請はどこにするの？
- 申告時の住所地を管轄する税務署に郵送
- 申告時の住所地を管轄する税務署の受付に持参
- 電子申告（EーTAX）
申請はどこまでさかのぼって申請できるの？
さかのぼって5年前の分まで申告できます。
どの治療内容が対象になるの？
- 虫歯治療
- 歯周病治療
- 親知らずの抜歯
- セラミック治療
- 金歯
- 入れ歯
- インプラント
- 歯科矯正治療（正確にはお住いの税務署の許可が降りるもの）
- デンタルローンやクレジットでの支払いによるもの
- 通院時の公共交通機関を使用した交通費（付き添い者の分も含む、マイカーは不可）
申請に必要なものは？
- 確定申告書
- 医療費控除明細書
- 診断書
- 領収書
- 契約書の写しや信販会社の領収書（デンタルローン使用時）
- 源泉徴収票
- 印鑑
- 申告者の口座番号
- 保険金で補填した場合はその金額がわかるもの
- 通院の際の交通費の領収書
実際の控除はどのくらい？
一年間で支払った10万円以上の医療費（交通費も含む）から、医療保険などの保険金＋10万円を差し引いた金額が医療控除の対象です。ただし、所得が２００万円以下の場合は所得の５％です。これは一人暮らしで住居が別の方、共働きで妻が扶養控除から外れている場合でも生計が一緒であれば合算して医療費として申告できます。
申告者は所得が多い人の方が還付金も高くなります。医療控除対象金額から、申告者が支払っている税金（所得税の税率）をかけた金額が還付されます。つまり、ご夫婦の場合、申告者は所得の多い人の方が還付金も高くなります。この還付金は申告から約一か月で指定口座に振り込まれます。
控除額の計算式は？
医療控除額＝その年に支払った医療費の合計（交通費なども含む） － 加入している保険で補填される保険金 ー 10万円（総所得が200万円以下の場合は5%）
還付金の目安＝医療控除額×所得税率
税率ってなに？
所得税率（平成27年分以降）
5%・・・195万円以下
10%・・・195～330万円以下
20%・・・330～695万円以下
23％・・・695～900万円以下
33%・・・900～1800万円以下
40%・・・1800～4000万円以下
45%・・・4000万円超え
（国税庁「所得の税率」より）
医療が控除される以外のメリットも！
医療控除が認められると、翌年度の年間住民税が減税されます。特に医療控除で払い戻しがない場合でも、翌年の住民税を減らせることがあるのです。医療費控除の対象となるのならば。申請可能な場合はぜひ申請しましょう。
住民税減税の計算式は？
医療控除額 × 10%（住民税一律）
医療控除でお得になった実際の例
課税所得が年間500万円、医療費が72万円だった場合
（医療費合計金額72万円ー医療費控除外10万円 ー 保険金充填0円）× 所得税率20% ＝ 還付金12万4000円
