ラミネートべニアとは
ラミネートベニアとは、歯の最表面を薄く切削し、歯の色調を再現した薄板を接着する審美歯科治療の方法です。歯の色調や、歯間離開(歯と歯の間にある小さな隙間)を改善することに優れています。
治療方法は、歯の最表面にあるエナメル質の表層をわずか0.3㎜~0.5㎜程度を切削し、薄いセラミックのチップをレジンセメントで接着します。
ラミネートべニアは、歯冠を一周切削する必要があるクラウン(被せ物)と比較した場合、歯の切削量が少なく神経への影響も少ないといえます。
ラミネートべニアはこんな方におすすめ
- 歯の変色が気になる方
- 歯間離開が目立つ方
- 矮小歯を治したい方
- 軽度の歯の捻転がある方
- 外傷など歯の先端が欠けている方
- テトラサイクリン歯(薬剤性の歯の変色)
- ホワイトニングで効果のない歯がある方
ラミネートべニアのメリット
- 歯の切削量が少ない
- セラミックの特性上、変色しない
- 金属の流出による歯肉の黒ずみが起こらない
- 歯の色を改善できる
- 歯間離開や矮小歯など歯の形態を改善できる
- 治療回数が少ない(最短2回で完了)
- ホワイトニングよりも効果期間が長い
- ホワイトニングが効果のない歯も改善できる
ラミネートべニアのデメリット
- 天然歯を切削する必要がある
- 咬み合わせ、食いしばりが強い場合、割れることがある
- 自費診療のため、保険診療と比較すると費用が高額
- 経年劣化により、歯周病で歯肉が退縮した場合には再治療が必要
ラミネートベニアの種類(形態)
ラミネートべニアは、用途や切削量により、フルラミネート、パーシャルラミネート、ノンプレップラミネートの3つに分けられます。
フルラミネートベニア
最も一般的なラミネートべニアは、フルラミネートべニアです。歯の表面全体をエナメル質の範囲内で薄く切削し、型をとって製作したセラミックのシェルを接着します。色調や形態を整えることに優れています。
パーシャルラミネートベニア
パーシャルラミネートべニアは、部分用のラミネートべニアです。
適応は、歯間離開のわずかな空隙を埋めることや、外傷による歯の欠けを修復することに優れています。支台歯との境目が自然な仕上がりになるように色を合わせることが必要です。
ノンプレップベニア
ノンプレップべニアとは、歯を削らないラミネートべニア治療です。天然歯を切削しないというメリットはありますが、シェルの厚み分、歯が大きく見える、口元にボリュームが出るというデメリットもあります。
ラミネートベニアの材質
ラミネートべニア治療には、現在2種類のセラミックが採用されています。それぞれ、強度や光の透過度に特徴があります。
e-max(イーマックス)
当院では、従来からあるオールセラミックより天然歯により近い強度の近い、耐久性の高いe-maxを採用しています。また、咬合状態に問題がなく、食いしばりや歯ぎしりといった習癖がない場合には、e-max(イーマックス)を選択します。強度に優れ、光の透過性も高いため、より天然歯に類似した色調を再現することに優れています。
ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックの特徴は、e-maxと比較して強度に優れることです。歯のツヤや、色調の再現性では、e-maxには劣りますが、その反面、土台となる歯の色による影響を受けにくいため、変色歯などの治療には最適の材質です。
ラミネートベニアの症例
治療名:ラミネートベニア / 症例:歯の色・形態 / 治療本数:2本 / 治療期間1か月程度 / 通院回数:2回
治療名:ラミネートベニア / 症例:歯の色・形態 / 治療本数:4本 / 治療期間1か月程度 / 通院回数:2回
治療名:ラミネートベニア / 症例:歯の色・形態 / 治療本数:16本 / 治療期間2か月程度 / 通院回数:4回
治療名:ラミネートベニア / 症例:歯の色・形態 / 治療本数:2本 / 治療期間1か月程度 / 通院回数:2回
ラミネートベニアの適応
歯列不正 / 不正咬合 ※軽度症例
前歯の空隙歯列・正中離開(すきっ歯)
歯の着色・変色(嗜好品・加齢)
失活歯(神経が死んだ歯)
テトラサイクリン歯
歯の欠け
虫歯
ラミネートベニア治療の流れ
ラミネートべニア治療は、切削し歯型を採る日、製作したラミネートべニアを接着する日の最短2回の来院で治療が完了します。
ラミネートベニアの診察・相談では、現在の歯の色調や形態などのお悩みや理想の状態を伺います。その上で、適した治療のご提案や、治療の流れをご説明いたします。
治療に際しての疑問や質問などがございましたら、お気軽にご相談ください。
ラミネートべニアは、失活歯など重度の変色や、軽度の歯間離開など、歯の色調や形態の改善に効果的な治療方法です。
歯質の切削量が少ない保存的な処置ですが、咬合によりラミネートべニアに直接接触する下の歯や、咬み合わせの強い臼歯は適応外です。
歯の最表面にあるエナメル質を薄く切削します。エナメル質は痛みを感じないため麻酔は不要です。
治療後、一過性の知覚過敏が出ることがありますが、数日で軽快します。エナメル質が薄く、不快症状が継続する方は、神経を除去する処置を併用することがあります。
切削した歯の状態と対合歯(向かい合う歯)の咬み合わせの記録を採取します。
基本的には仮歯が不要ですが、捻転歯など歯並びを併せて修正する場合には、切削量が増えるため仮歯をセットすることがあります。
患者様とご相談しながら、ラミネートべニアの完成形の色を選択します。色は50種類以上あるシェードガイドと呼ばれる色見本をもとに、隣り合う歯や対合歯との調和を確認し決定します。
ラミネートべニアは、歯の色調や形態を改善する審美歯科治療の方法です。グラデーションや形態など、歯科医師の細かな指示をもとに、ラミネートべニアの製作経験が豊富な審美歯科専門の歯科技工士が製作します。
技工所に依頼し製作したセラミック製のラミネートべニアを、強固で保持力の高い歯科用接着剤により半永久的に固定します。余剰な接着剤は、歯肉の炎症やプラークが付きやすくなるため、補綴物の境目や歯肉の辺縁を丁寧に除去します。
ラミネートべニアが外れることや、歯との境に着色が起こることを防止するために、術後2時間程度はご飲食をお控えいただいております。
経年的に表面に蓄積するステイン(着色)は、クリーニングで除去が可能ですので、定期検診を継続しましょう。
ラミネートべニア装着後、約2週間程度をあけて状態の確認を行います。日常生活の中での問題点などありましたらお伝えください。歯とラミネートべニアの適合や、咬み合わせの最終確認を行います。
歯の表面に薄いセラミックを接着するラミネートべニアは、食いしばりや歯ぎしり、外傷などの衝撃によって、破折や外れることがあります。
治療後も快適な状態を維持できるように、定期検診を受診することをお勧めしております。
- シミュレーションを希望の場合は、通常の治療期間にシミュレーションチップの製作期間である2週間の追加が必要になります。
ラミネートべニアの料金・費用
メニュー名 | 本数・回数・内容 | 価格 | モニター価格 |
---|---|---|---|
e-max(イーマックス) | 1本 | 129,800円 | |
ジルコニアセラミック | 1本 | 129,800円 | |
e-max(イーマックス)またはジルコニアセラミック | 4本セット | 519,200円 | 440,000円 |
6本セット | 778,800円 | 605,000円 |
ラミネートベニアのよくある質問
ラミネートベニアの寿命は10〜20年ほどが目安です。
しかし、歯ぎしりや食いしばりなどの悪癖が生じると、取れたり欠けたりする可能性があります。また、ラミネートベニアの接着剤は経年劣化により接着力を失うため、接着力の低下により10年を待たずに外れることも考えられます。
ラミネートべニアに不具合が出た場合や不要な場合には、当院にてシェルを外すことが可能です。
しかし、ラミネートべニアは歯の表面を切削し期間をかけて行う治療です。一時的な色調の改善をご希望の場合には、ホワイトニングなど用途に適した治療を選択することをおすすめします。
ラミネートベニアは、薄いセラミックを貼り付ける治療です。そのため、歯ぎしりや食いしばり、外傷による衝撃などで割れる場合があります。
治療過程において、咬合や習癖を精査してシェルを製作しているのと、セラミックの性質の向上に伴い、日常生活の範囲での破損は低下してきています。
ラミネートベニアが剥がれる可能性はないわけではありません。
しかし、現在ではとても強い歯科用の接着剤が開発されたため、以前と比べるとかなり剥がれにくくなっています。
硬いものを噛んだり、歯ぎしりや食いしばりなどの噛み合わせの癖が生じたりすると、剥がれることがあるので注意が必要です。
ラミネートベニアは、治療期間が短いことがメリットの1つです。軽度の歯間離開や矮小歯、捻転歯など歯列不正を改善することも可能です。しかし、重度の歯列不正には適さないため、セラミック矯正やワイヤー矯正、マウスピース矯正をおすすめする場合があります。
ラミネートべニア治療の施術中は局所麻酔を実施するため、切削による痛みを感じることなく短時間で終了します。
術後、麻酔が切れると知覚過敏様の症状が一過性で出ることがありますが、数日で軽快します。
黒ずんだ失活歯(神経が死んだ歯)も、ラミネートべニア治療の適応です。
歯の表面を薄く削り、臨在歯や対合歯に調和した色合いのシェルを接着することで、審美性を高め口元の印象を改善することができます。
ホワイトニングは、天然歯の漂白を行う治療方法です。ラミネートべニアで治療した歯は、エナメル質がセラミックのシェルで覆われるため、ホワイトニング剤の効果が発揮できません。
しかし、シェルを貼り付けた以外の臨在歯などの自然歯にはホワイトニング効果がありますので、ラミネートベニアの治療前の色合わせとしてホワイトニングを併用することは可能です。
ラミネートべニアのページをご覧の皆様へ
このページでは、歯を削る量は最表側だけにとどめ、軽度の歯並びや歯の色、歯の形を改善するラミネートべニアについてご確認いただけます。
ラミネートべニアは削っても痛みを感じにくく、虫歯になりにくいエナメル質という歯の表面にセラミック製のシェルを歯科専用の接着剤で装着する治療法です。歯科医師の技術によっては、歯に違和感が出やすく、外れやすい、壊れやすいという弱点もあります。
当院では、できるだけ自然に歯を保存しながら外れにくく、壊れにくいラミネートべニアを装着するために、審美歯科、補綴分野の経験豊富な女性歯科医師が治療の検査・診断からアフターケアまで一貫して責任をもって担当しております。
ラミネートべニアの治療概要
治療方法 | ラミネートべニア |
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治療説明 | ラミネートベニアは、歯を最小限に削り薄いセラミック素材のチップを装着することで、歯の色、歯の隙間、歯の形を同時に治療することを目的とした治療です。 |
治療費 | 129,800円〜778,800円 |
治療の副作用(リスク) |
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治療期間 | 2週間〜4週間 |
治療回数 | 2回〜4回 |
適応症例 | 形成不全、着色歯牙、神経治療歯、虫歯、歯牙破損、空隙歯列 |
ダウンタイム | なし |
カウンセリング当日の治療 | カウンセリングまで |
入院の必要性 | なし |
術後の制限事項 | 仮歯期間中は固いものや粘着性の食べ物を控える。 |
不適応の症例 |
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