ガムピーリングとは(薬剤除去法)
薬剤除去法によるガムピーリングとは、色素沈着した歯茎に薬剤を塗布し、歯茎の色を改善する治療です。
歯茎にフェノールとエタノールを塗布することで、歯茎は一過性のダメージを受けます。ダメージを与えることで、歯肉上皮が再生する力を利用し、元の健康的なピンク色へと導きます。
ガムピーリングは比較的安価に受けることができ、施術後の強い腫れなどのダウンタイムが少ない治療です。また、一回の施術で歯茎の色調の改善が期待できるため、歯茎の色にお悩みの方にとって、有効な選択肢となっています。
ガムピーリングはこんな方におすすめ
- 歯茎の黒ずみにお悩みの方
- タバコのヤニによる歯茎の着色が目立つ方
- 会話や笑顔の際に歯茎が見えやすい方
- ガミースマイルのため歯茎が紫外線にさらされやすい方
- 口呼吸による歯茎の呼吸線が目立つ方
- 結婚式や就職試験など大切なイベントを控えている方
- 口元を明るくきれいにしたい方
ガムピーリングの種類
歯茎を健康的で美しい色調に導くには以下の方法があります。それぞれの特徴を理解し、適した方法を選択することが大切です。
薬剤除去法
フェノールとエタノールによる薬剤を歯茎に塗布する治療方法です。
表層の歯茎にダメージを与え、メラニンを除去し歯茎の新生を促します。施術後2週間程度でご自身が本来持っている美しいピンク色の歯茎を取り戻します。
フェノールやエタノールにアレルギーがある場合には行えません。
レーザー除去法
歯茎の着色の改善には、レーザー照射も効果的です。
レーザー照射は、施術中や術後の痛みが少ないメリットがありますが、メラニン色素の蓄積が強い場合には複数回の施術が必要です。
外科的除去法
外科的除去法は、重度のメラニンの沈着や金属の被せ物が原因で歯肉が黒ずむメタルタトゥーを除去することに適しています。メタルタトゥー除去の場合には、外科的除去法の後、メタルフリーの被せ物治療を行います。
歯茎が黒ずむ原因
歯茎の黒ずみは、喫煙や口呼吸といった習癖の他、歯科治療に由来するメタルタトゥーがあります。
喫煙
喫煙は歯面だけでなく、歯茎にも着色を起こします。喫煙者の歯茎は、歯との境目にある辺縁歯肉が肥厚し、歯茎にはメラニンが蓄積するため赤黒い特徴があります。
喫煙による歯茎の着色には、ガムピーリングが効果的です。
紫外線
お顔だけでなく、歯茎も紫外線による日焼けの影響を受けます。お肌のシミと同様に、メラニンの蓄積が歯茎にも起こるためです。ガミースマイルなど、歯茎が外気にあたりやすい方は、より日焼けに注意が必要です。
日焼けが原因の歯茎の着色にも、ガムピーリングが適しています。
口呼吸
歯並びの影響で口を閉じにくい方は、口呼吸になる傾向があります。口呼吸の方は呼吸線といって、歯茎に色調の境界が起こり目立ちやすくなります。
口呼吸が原因の歯茎の着色にはガムピーリングが効果的ですが、併せて口呼吸の習慣を意識的に改善することが大切です。
歯周病
歯周病の場合、歯茎に炎症が起きているため歯茎がより赤みが強くなり、腫脹して出血しやすい状態です。
この場合、歯茎の色調を改善するためには、歯周病の治療を先に行い歯茎の炎症を抑えることが必要です。
メタルタトゥー
金属の被せ物や詰め物をしている場合、経年劣化により金属が流出し歯茎に蓄積することで、歯茎が黒ずむメタルタトゥーが起ります。
ガムピーリングだけでは除去できませんが、外科的除去法とメタルフリーの被せ物治療で改善します。
ガムピーリングのメリット
ガムピーリングは歯茎のメラニン沈着を改善し、美しい元の歯茎の色を回復する治療方法です。
痛みが少ない
歯茎に薬剤を塗布すると刺激がありますが、術中には表面麻酔を行うため疼痛は十分に管理できます。術後も数日はヒリヒリするような感覚が残ることがありますが、痛み止めの服用なく改善することが一般的です。
即効性が高い
ガムピーリングによる効果は、施術後2週間程度で実感できます。
歯茎の色調の改善には、他にもレーザー照射や外科的除去法がありますが、ガムピーリングは多くの症例で、一回の施術で十分な効果を実感する方が多いです。
回復が早い
歯茎は皮膚よりも早くターンオーバー(古くなった上皮が新しい上皮に交換される)を起こしています。
ガムピーリングは、薬剤により人工的にターンオーバーを促進し、歯茎の色調を改善します。歯茎が新生することで、施術後2週間程度で自然な色調に回復します。
安全性が高い
ガムピーリングは、歯茎の色調の改善にこれまで多くの実績がある施術方法です。歯科医師が安全に十分に配慮した環境で、効果的な薬剤の塗布を行っています。
ガムピーリングのデメリット
歯茎の着色原因によっては、ガムピーリングが適していない場合もあります。ガムピーリングの特徴を理解して、治療を選択することが大切です。
施術後の違和感
施術中や施術後には、薬剤による影響でヒリヒリするような違和感を生じます。
施術中は、表面麻酔の実施によりコントロールが可能です。また術後数日間は、違和感が継続することがありますが、鎮痛薬の服用なしで消退することが多いです。
アレルギー既往
ガムピーリングで使用する薬剤には、フェノールやエタノールが含まれます。
これまでこれらの薬品が含まれた消毒などで、皮膚が発赤した経験がある場合やアレルギーが既に分かっている場合には施術を行うことができません。
メタルタトゥーには不適応
金属イオンの蓄積による歯肉の着色は、ガムピーリングでは除去しきれません。外科的除去法とメタルフリーの被せ物の再治療が必要です。
術後の歯肉退縮
着色のある歯茎に薬剤を塗布しますが、歯茎の付着が少ない部分に薬剤が作用すると歯肉退縮が起こることがあります。
薬剤除去法によるガムピーリングの施術行程
ガムピーリングは安全に配慮された状態で、歯茎を明示して薬剤を塗布します。15分程度かけて、着色部位に薬剤を十分に作用させます。
喫煙や口呼吸、日焼けといった習慣により歯茎が赤黒く着色していると、歯を白く美しくしていても老化や不健康な印象を与えてしまいます。
専用の薬剤を着色した歯茎に塗布していきます。
表面麻酔を行い、薬剤による刺激を緩和します。弱くヒリヒリするようなしみる感覚や、チクチクするような違和感があります。
施術後約2週間で、薬剤の効果により着色した歯茎が剥がれ、ピンク色の健康な歯茎が新生します。
ガムピーリングによる効果は一度で十分な効果が期待できますが、着色が濃い部分には再施術が有効です。
前回の施術では除去が不十分だった着色の濃い歯茎に薬剤を塗布します。
施術後2週間程度で、着色した歯茎が剥がれ歯茎が新生します。
美しく健康的でみずみずしいピンク色の歯茎を維持するためには、喫煙や口呼吸、日焼けといった習慣に注意しましょう。再度、着色が気になってきたら再施術が可能です。
ガムピーリングの症例
ガムピーリングによる歯茎の黒ずみの改善と歯のホワイトニングの症例
《担当医コメント》
歯の黄ばみ、歯茎の黒ずみにお悩みの患者様でした。喫煙をしないのに歯茎が黒く、歯が黄色いと仰せでしたが、実は煙草やコーヒー、紅茶、赤ワインなどの嗜好品でなくとも歯は日々のお食事で黄ばんだり、歯茎は日光の紫外線で黒くなることがあります。
黄ばんだ歯や黒い歯茎は、清潔感がなく老けて見えることがあります。治療方法は手軽なガムピーリングとホワイトニングをご検討いただきました。どちらも基本的には1回で完了する施術で、先にガムピーリングから行いました。1回10分程度、麻酔も使わない痛みの少ない治療です。施術直後の写真のように歯茎が白くなりますが、肌のピーリングと同じで、内側から歯肉粘膜が再生し、2~3日で白味は剥がれます。2週間後にはピンク色の歯茎になります。 続いてホワイトニングです。
1回でもオフィスホワイトニングなら十分な効果を実感できますが、長年蓄積した着色は1回では除去しきれないことが多いです。3回程度を2週間間隔で行うと、ご自身の限界の色をみることができます。この患者様も施術を3回行いました。
(担当医 白石文)
ガムピーリングによる歯茎の黒ずみ改善の症例2
《担当医コメント》
虫歯もなく歯には自信があるけれど、昔から煙草を吸うため歯茎が黒いことでお悩みでした。ホワイトニングも何度か試したけれど、歯がきれいになっても歯茎が黒いため、あまりきれいに見えないと仰せでした。
歯茎の黒ずみは、歯に問題がなくても不健康な印象や清潔感を欠く印象を与えます。また、歯自体が汚れて見えてしまうこともあります。健康的でピンク色の歯茎にするためにガムピーリングを選択されました。
治療は1回10分程度で済み、専用の薬剤を塗布します。麻酔も使用しない程度の刺激のため施術後も食事制限などもありません。施術直後は歯茎が白くなりますが、2~3日で自然と剥がれ落ち、下からきれいな歯茎がでてきます。
(担当医 白石文)
薬剤除去法によるガムピーリングの流れ
ガムピーリングでは、施術後1週間ほど刺激物により、口内炎のような痛みを生じることがあります。ご予定を確認のうえ、施術のスケジュールを組むことをおすすめしております。
診察・相談は、60分を予定しております。患者様の歯茎の色に関するお悩みを拝聴し、口腔内を確認し原因を特定します。
ガムピーリングによる施術が効果的な場合には、予約状況によって当日の施術、もしくは後日ご予約のうえで施術が可能です。
安全に施術を受けていただくため、アングルワイダーという装置を装着していただきます。
薬剤は、唇に触れると一時的に白く変色するなど注意が必要です。装置により歯茎を明示することで、刺激の強い薬剤が唇に触れることを予防します。
ガムピーリングの薬剤や表面麻酔を効果的に作用させるためには、唾液を除去し、歯茎を乾燥させることが必要です。専用の器具を使い優しく送風することで、歯茎をしっかりと乾燥させます。
ガムピーリングの専用薬剤は、歯茎の表層にダメージを与えることを目的に使用するため、安全の範囲内でチクチクする痛みや違和感を生じます。
痛みや違和感を軽減するために、薬剤に先行して表面麻酔を塗布します。
薬剤を塗布すると粘膜に刺激が与えられ、一時的に歯茎が白くなります。歯茎が白くなったことを確認したら、しっかりとうがいを行っていただき薬剤を洗い流します。
2~3日程度で、白くなった表面の粘膜が剥がれ落ち歯茎が新生していきます。
2週間程度でご自身の元のピンク色の健康な歯茎が再生します。
施術後2週間後に再度ご来院いただき、効果を確認して黒ずみが気になる場合には、再度ガムピーリングを行うことについて検討いたします。
ガムピーリングの料金・費用
メニュー名 | 本数・回数・内容 | 価格 |
---|---|---|
ガムピーリング | 上下 | 49,500円 |
ガムピーリングのよくある質問
ガムピーリングで使用する薬剤は、フェノールやエタノールといった比較的刺激の強い薬剤ですが、歯科医師や歯科衛生士が安全に配慮して施術を行うため、お身体に悪影響が及ぶことはありません。
歯茎の表層の粘膜にダメージを与える効果がある薬剤ですので、唇や肌に触れると刺激や一過性に白く変色することがあります。施術中はアングルワイダーという装置を装着していただき、歯茎を明示した状態で塗布しますのでご安心ください。
ガムピーリングは、施術後2~3日程度で表層の粘膜が剥がれ、歯茎が新生されます。約2週間で健康的なピンク色の歯茎が再生し、ガムピーリングによる色調の改善が確認できます。
よりメラニンの除去が望ましい場合には、再度施術を行う場合もありますが、必要な回数には個人差がございます。施術前後の比較や歯茎の状態ついて確認しながら、次の施術の必要性や頻度について検討します。
ガムピーリングは、基本的にお子様には施術を行っておりません。
当院では、審美歯科医療に実績のある女性歯科医師が在籍しております。年齢にかかわらず、歯茎の色にお悩みがある場合には、まずは診察・相談をご案内しております。お口の状態を拝見し、ガムピーリング以外の方法についてもご提案させていただきます。
ガムピーリングは、ご自身の歯茎の本来の色を取り戻すための施術です。歯茎に色素を注入して、色を改善しているわけではありません。
歯茎に沈着したメラニン色素をどれくらい効果的に除去できるかによって、術後の歯茎の色が決まります。そのため、ご希望の色を選択するというよりは、蓄積した黒ずみを除去して納得のいく色に近づけることになります。
ガムピーリングでは、薬剤を塗布し表層の粘膜に刺激を与えることで、歯茎の再生を促し色調を改善します。
強い痛みのご心配は不要ですが、薬剤による刺激はチクチクするような違和感を生じることがあります。施術後1週間程度は、熱いものや辛い物など刺激の強い飲食物の摂取はお控えください。
当院では、痛みの軽減を目的に、表面麻酔を行ってから薬剤を塗布しております。治療中に強い痛みを生じた場合には対応いたしますのでご安心ください。
ガムピーリングの効果は永久的ではありません。
ガムピーリングは繰り返し施術を受けていただくことができますので、当院では4~12か月ごとに施術を受けることをおすすめしております。
歯茎の黒ずみは、たばこなどの嗜好品の他、紫外線による日焼けや口呼吸も原因となります。健康的な歯茎を長期的に維持するためには、ガムピーリングだけでなく、併せて原因となる習癖を改善することが効果的です。
ガムピーリングのページをご覧の皆様へ
このページでは、歯茎の着色を除去し、健康的で若々しいピンク色の歯茎を回復するガムピーリングについてご確認いただけます。
歯茎の着色は、主にメラニン色素の沈着やたばこなどの嗜好品の着色によって起こります。この黒ずんだ着色によって、どんなに歯がきれいでも、不潔な印象や不健康な印象を与えてしまいます。
当院のガムピーリングは、痛みの少ない薬剤を使用しており、1回の通院で終了する安心、安全、手軽な治療です。着色は日常生活で再発することがありますので、リタッチをおすすめしますが、比較的安価なため気軽に行うことが可能です。
ガムピーリングの治療概要
治療方法 | ガムピーリング |
---|---|
治療説明 | ガムピーリングは、日常生活で黒ずんでしまった歯茎を、健康的な歯茎の色に改善することを目的とした治療です。 |
治療費 | 49,500円 |
治療の副作用(リスク) |
|
治療期間 | 1日 |
治療回数 | 1回 |
適応症例 | 煙草や日光など日常生活で黒ずんだ歯茎の着色 |
ダウンタイム | なし |
カウンセリング当日の治療 | カウンセリングまで |
入院の必要性 | なし |
術後の制限事項 | 施術後、1週間程度は熱いものや辛いものなどの刺激物を控えるようにする。 |
不適応の症例 |
|