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歯列矯正は痛い?痛みが起きやすいケースと対処法

歯列矯正は痛い?痛みが起きやすいケースと対処法

歯列矯正について聞いたり調べたりしてみると、「痛い」という声を見聞きすることがあります。歯列矯正は時間も費用もかけて行うものなので、できれば痛みは避けたいものです。

しかし、歯列矯正による痛みは緩和できるのか、そもそも避けられないものなのかなど、痛みについてあらかじめ知っておくと受け入れ方が違ってくるかもしれません。

この記事では、矯正治療における痛みの種類のほか、ワイヤー矯正・マウスピース矯正固有の痛みなどを解説します。

この記事を読むことで、矯正治療で生じる痛みの種類や原理、ワイヤー矯正とマウスピース矯正における痛みの特徴などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

こんな疑問を解消!

  • 歯列矯正にともなう痛みの種類と原理
  • 痛みが出る時期や期間
  • ワイヤー矯正特有の痛み
  • マウスピース矯正特有の痛み

歯列矯正の痛みの種類

歯列矯正に伴う痛みは歯の移動による痛み、歯の接触による痛み、器具による痛みに大きく分けられます。ひとつひとつ見ていきましょう。

歯の移動による痛み

歯列矯正で歯が動くときに出現する痛みです。

痛みが出る原理

歯列矯正では固定式のワイヤーまたはアライナーなどの可撤式(取り外し式)装置により歯に持続的に力をかけて移動させます。

歯に持続的な力がかけられると、歯は力の方向へ歯を支える骨(歯槽骨)に押しつけられるかたちになり、この側を圧迫側と呼びます。このとき、同じ歯の逆側では歯は歯槽骨から引き離されるかたちになり、この側を牽引側と呼びます。

圧迫側では歯槽骨の吸収、牽引側では歯槽骨の添加が起きて歯の移動が起こりますが、このとき体の反応としては炎症が起きています。つまり、矯正力をかけることで歯の根の周囲で炎症が起きるため痛みが出るのです。

このため、痛みが全く出ないようにすることはできませんが、動かす部位やかける力の強さにより痛みの程度は変わります。

一般に治療の初期の方が痛みは強く出やすく、後期になるとワイヤーを交換してもほとんど痛みが出なくなることもあります。

痛みが出る期間

痛みはいつ頃から出てどれくらい続くのでしょうか?

ワイヤー矯正の場合、ワイヤーの交換後6時間程度で痛みが出現するとされています。その後2日間くらいをピークに徐々に痛みは落ち着き、1週間後にはほぼ落ち着いた状態となります。

ワイヤー矯正の特性上、ワイヤーの交換後14日程度で再び痛みが出ることがありますが、これは数日で落ち着くことが多いです。

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歯の接触による痛み

矯正力による炎症が強く起きているときに歯を咬み合わせる、食事をするなどして力が加わることで出る痛みです。

炎症を起こしている組織へ、力による刺激を受けて出る痛みのため、ある程度炎症が落ち着けば治まります。ワイヤーの交換後1週間程度は持続し、その後落ち着いてきます。

器具による痛み

器具に舌や頬などが当たって出る痛みです。

ワイヤー矯正では、ブラケットというスロットやチューブのついた小さな装置を歯に直接貼り付け、そこにワイヤーを通して、その上からゴムや細いワイヤーで外れないように押さえつけるという構造になります。

このブラケットが唇の内側や舌に当たって口内炎を起こすことがあります。

また、ワイヤー矯正のワイヤーは歯に固定されているのではなく、スロットやチューブの中をスライドして動けるようになっています。

そのため歯が移動してくると後ろからワイヤーの端が飛び出してきて頬に刺さることがあります。

そのほか、ゴムをかけるためのフックをワイヤーに取り付けることがあり、このフックが唇の内側などに当たって痛むこともあります。

ブラケットが当たったり、こすれて痛むのは矯正治療の初期、特に舌側矯正で見られます。

歯の形がブラケット装着によって変わった事によって、舌などが対応しきれず出てくる痛みのため、時間が経って慣れたり、歯が動いて口の中でのブラケットの角度が変わってくると痛まなくなります。

ワイヤーやフックが刺さる痛みに対しては、矯正用ワックスを球状にしてワイヤーの先端につけて緩和させたり、歯科医院でワイヤーの先端を切ったり曲げてもらったりすることで対応できます。

自分で切ったり曲げたりしようとすると、かえって刺さりやすくなったり装置が歪む原因になるためやめましょう。

ワイヤー矯正の詳細はこちら

マウスピース矯正は痛まない?

マウスピース矯正は痛まない?

ウェブ広告やSNSなどでマウスピース矯正の広告を見かけるようになり、その中のうたい文句のひとつに痛くない(痛みが少ない)というものがありますが、マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べて痛みが少ないものなのでしょうか?

マウスピース矯正の詳細はこちら

痛みが出る原理は同じ

マウスピース矯正もワイヤー矯正も、歯に力を加えることで圧迫側と牽引側を生じさせ歯槽骨の吸収と添加を起こさせて歯を動かす、という歯を動かすための原理は変わりません。

歯を動かす原理が変わらないため痛みも同じように出ます。

ただし、一度に動かす量などによっても痛みの程度は変わるため、その点でワイヤー矯正よりアライナー(矯正用のマウスピース)ひとつあたりの痛みは少ないかもしれません。

アライナー着脱による痛み

マウスピース矯正独自の痛みとして、アライナー着脱時の痛みがあります。

アライナー着脱時には、矯正力をかけている歯に押し込み、または引き抜きの力がかけられることになるため、それによる痛みが生じます。

また、歯にアタッチメントをつけているときには、より強い力がかかるため痛みが出やすくなります。

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アライナー交換後の痛み

マウスピース矯正では、今の歯の位置とは少し歯の位置をずらしたアライナーを使用していくため、アライナー交換直後と次のアライナーへの交換直前では歯とアライナーの適合度が異なります。

アライナー交換直後は、言わば合っていないマウスピースに無理やり歯を合わせている状態になるため、痛みが出やすい時期になります。これはワイヤー矯正でいうワイヤー交換直後のような状態のため、防ぐことは難しいものになります。

【まとめ】歯列矯正は痛い?痛みが起きやすいケースと対処法

矯正治療における痛みの種類や原理、ワイヤー矯正・マウスピース矯正で生じる痛みの特徴などを解説しました。

この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。

ここがポイント!

  • 歯列矯正にともなう痛みは、歯の移動による痛み、歯の接触による痛み、矯正装置による痛みの3つに大別される
  • 歯の移動による痛みは、治療初期や矯正装置の調整後や交換後に生じやすく、ワイヤー矯正の場合は治療後2日間くらいが痛みのピークで、1週間程度でほぼ落ち着く
  • 歯の接触による痛みは、ワイヤー交換後1週間ほど続く
  • 矯正装置による痛みは、装置が舌や頬に当たることで生じる
  • マウスピース矯正もワイヤー矯正も痛みの原理は同じだが、マウスピース矯正特有の痛みとしてアライナー脱着時の痛みやアライナー交換後の痛みがある

歯列矯正では、原理上どのような方法でも少なからず痛みが発生します。

痛みが強いときには鎮痛剤を使うこともできますが、余りに痛みが強い場合や器具が刺さる場合には担当医に相談するのがよいこともあります。

痛みによってせっかくの治療が苦行にならないように、痛みの緩和や付き合い方を知って治療を進めていけると良いと思います。

南青山矯正歯科クリニックでは、痛み止めの処方だけでなく、ちょっとした痛みでもすぐに歯科医師へご相談いただけるように、無料のメール相談フォームを設けております。また土日祝日の診療も行っておりますので、耐えられないような痛みの際には、早めにご相談いただけるような体勢を整えております。

参考文献

相澤一郎. 「舌側矯正治療における患者管理」. 日本舌側矯正歯科学会会誌. 2015年, 2015巻, 25号, p.59-69. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjloa/2015/25/2015_59/_article/-char/ja, (参照 2020-11-11)

”矯正歯科治療のQ&A”. 日本矯正歯科学会. https://www.jos.gr.jp/about#qa, (参照 2020-11-11)

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