ラミネートベニアのメリットと知っておくべきデメリット
近年、性別や年齢を問わず見た目への自己投資が基本となっています。そういった美意識の高い方が、前歯の色やすきっ歯、捻じれにお悩みの場合、選択されているのがラミネートベニアによる歯科治療です。
「ラミネートベニア」はエナメル質を薄層切削し、セラミック製の補綴物を歯の表面に合着する治療法です。歯の切削量が少なくて済むことが、大きなメリットとなります。
そんな審美性が高い治療法でもあるラミネートベニア治療にデメリットはあるのでしょうか?
この記事では、ラミネートベニア治療を受ける前に知っておきたい治療の特徴について解説します。
この記事を読むことで、ラミネートベニアのメリットとデメリット、治療できない症例について理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- ラミネートベニアのメリット
- ラミネートベニアのデメリットと注意点
- ラミネートベニア治療が向いていない症例
ラミネートベニアのメリットとは
ラミネートベニアは、歯の変色や、歯間離開(すきっ歯)、捻転(捻じれ)、矮小歯(歯の大きさが先天的に小さい)など様々な症例に適応可能な治療方法です。
まずは、ラミネートベニアのメリットについてご説明いたします。簡単に列挙すると下記のとおりです。
- 通院回数は2、3回程度
- 治療中の痛みが少ない
- 歯の切削はエナメル質の薄層切削
- 施術完了時の仕上がりの満足度(天然歯に類似したツヤや色調)
- 金属アレルギーでも治療が可能
多忙な方でも、数回の治療で痛みもなく美しい見た目を獲得できるため、お勧めの治療方法の1つと言えます。また、金属を使わないことから、アレルギーがご心配の方にもお勧めで、経年劣化によるメタルタトゥーと呼ばれる歯肉への金属イオンの流出も起こらないことも長期的なメリットの1つです。
ラミネートベニアの知っておくべきデメリット
様々な症例に適用可能なラミネートベニアですが、もちろんデメリットもあります。
デメリットとしては、大きくわけて3つの項目が考えられます。
①保険適応外のため、費用が高額
ラミネートベニアは、審美歯科領域のため、あくまでも疾患ではありません。そのため、健康保険が適応されず、一般的なう蝕(齲蝕)や歯周病の治療に比べて費用が高額です。
自費診療のため歯科医院によって価格設定が異なりますが、通常、1本あたり6万円~10万円程度の設定が一般的でしょう。また、治療を受ける歯の本数が増えれば、×2本、×3本となるため、総額を始めに確認することが大切です。
②健全なエナメル質の切削が必要
薄いネイルチップ様のセラミックを合着するスペースを確保するため、歯の表面をエナメル質の範囲内で薄層切削します。エナメル質の切削なので、ほぼ痛みはなく、麻酔も必要ない範囲です。
しかし、支台歯となる歯がう蝕などの問題がない健全歯だった場合、エナメル質を削ることで、初めて知覚過敏などの症状を起こす可能性があります。もちろん、ラミネートベニアの合着直後における一過性の知覚過敏であることもありますが、不快な症状が残ることもゼロとは言い切れません。
歯の構造上、エナメル質の下には、順に象牙質、歯髄という構造があります。象牙質には、刺激から神経を守るために形成される2次象牙質という物質があるため、通常は知覚過敏症状も一過性であることが多いため、過度な心配は必要ありません。
心配な場合には、歯科医師に仮に症状があった場合にはどのような処置が行われるかなど事前に相談しておきましょう。
③術者によって完成度に差がある。
ラミネートベニアは、健康保険が適応な一般歯科とは異なり、審美歯科領域です。
そのため、数件の症例実績しかない歯科医師もいるのが現状です。補綴専門医や審美歯科を標榜する歯科医師など補綴治療に習熟した術者による治療が完成度、満足度ともに高いと言えます。
自費診療であることはすでにお伝えしましたが、安かろう悪かろうではありませんが、価格で選ぶことなく歯科医師の実績によって選ぶことが良好な予後につながり、長期的なコストパフォーマンスに優れているかもしれません。
ラミネートベニアは誰でも受けることができる?
歯の変色や歯間離開、矮小歯、捻転歯など様々な症例に適応が可能なラミネートベニアではありますが、治療に適している人がいる反面、向かない人もいらっしゃいます。
具体的には、以下の方が想定されます。
- 歯ぎしり
- 食いしばり
- 切端咬合など咬合状態の問題
治療に向いていない人が、無理にラミネートベニアを選択すると、せっかく費用や時間をかけてセットしたセラミックが割れて再作製や、剥がれて再合着が必要になる場合があります。
歯並びや習癖が心配な場合は、ラミネートベニア治療を多く経験している歯科医師に相談することで確かな設計や診断を受けることができます。
【まとめ】ラミネートベニアのメリットと知っておくべきデメリット
ラミネートベニアのメリットとデメリットについて解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
ここがポイント!
- ラミネートベニアは歯の切削量が少ないので痛みが少なく、治療回数も2〜3回程度で済む
- ラミネートベニアは、保険適応外の治療のため治療費が高額になる
- ラミネートベニアは、少なからず健全なエナメル質を削る必要がある
- ラミネートベニア治療では、歯科医師の経験や技術によって治療完成度に差が出る
- ラミネートベニアは、歯ぎしりや食いしばりがあったり、咬合状態に問題があったりする方には向いていない治療である
ラミネートベニアは、さまざまな歯のお悩みの改善に適しています。治療回数や疼痛も少ないことから治療を受けやすいことは事実です。しかし、歯の負担や治療回数が少なくて済むメリットがありますが、どのような症例でも受けられる治療というわけではありません。破折や脱離のリスクが高い噛み合わせの方、習癖がある方には向いていない治療法です。
また、ラミネートベニアは仕上がりが自然であるという審美性が高いことが醍醐味ですが、不慣れな歯科医師が行うと、違和感のある仕上がりになってしまいます。多くの症例を経験した歯科医師によるラミネートベニア治療が高い満足度につながるため、まずは実績のある歯科医師に相談することをおすすめします。
南青山矯正歯科クリニックでは、治療前に歯の色調や形態などのお悩みや理想の状態を詳しくお伺いし、患者様と相談しながら色調を決めていきます。審美歯科、補綴分野の治療経験を積んできた女性歯科医師が担当しますので、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。