ホームホワイトニングのジェル選びのポイント!通販のジェルは大丈夫?
ホワイトニングについて調べると、歯科医院への通院なしにホワイトニングができるというサイトや製品を目にすることがあります。
ホワイトニングは自分の歯を白くできるため人気が高い治療ですが、「より簡単に費用を抑えてホワイトニングをしたい」と考えている方も少なくありません。最近では、通販でもホワイトニンググッズを購入できるようになっており、ホワイトニングセットを購入して自宅でホワイトニングができれば確かにお手軽ですが、やっても大丈夫なのでしょうか?
また、通販のホワイトニングジェルと歯医者のホワイトニングの違いが気になっている方もいることでしょう。
この記事では、歯医者のホワイトニングと通販のホワイトニングの違い、通販のホワイトニングの効果やリスクなどについて解説します。
この記事を読むことで、ホワイトニングの種類やそれぞれの効果の差について理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- 通販のホワイトニングの種類
- 通販のホワイトニングの効果
- 歯医者のホームホワイトニングジェルと通販のホワイトニングジェルの濃度と安全性
- 通販のホワイトニングを使用するリスク
ホームホワイトニングジェルは選べる?
歯科医院で採用しているホームホワイトニングのシステムは、1つだけのところが殆どです。そのため、歯科医院で処方されるホームホワイトニングジェルをいくつかの種類から選ぶということは殆どできません。
一方、インターネットでホームホワイトニングジェルを調べると、多くの種類のホワイトニングジェルが出てきます。どれを見ても効果がありそうで、多くの種類の中から選べそうですが、どんなものからでも選べるのでしょうか?
答えはNO(ダメ)です。
いくらかの幅は出ますが、目的や性質の違いにより選ぶべき製品があります。
ホワイトニングジェルの種類と効果
ホワイトニングジェルとして市販されているものは、大きく2つに分けられます。
研磨成分のみのもの
本来の意味でのホワイトニング成分は入っておらず、研磨性の高い歯磨剤(歯磨き粉)であったり、汚れを浮かす作用の薬剤が入っているものであったりします。成分として、ポリリン酸などをアピールしていることが多い印象があります。
歯の内部に浸透して、色素の分解を目的とする正しい意味でのホワイトニングジェルではなく、ステイン(歯の表面の着色)除去が目的のものになります。
Webサイトや広告を見ただけではわかりづらいものも多く、人気のある配信者やインフルエンサーが広告している商品などでも見かけることが多くあります。
承認 / 未承認の医院用ホワイトニングジェル
本来の意味でのホワイトニングジェルが、歯科医院で処方されるものになります。
成分として過酸化尿素を含みます。さまざまな濃度のものがありますが、おおむね高濃度タイプ(20%以上)と低濃度タイプ(10%以下)とに分けることができます。
高濃度タイプ
海外で市販・使用されるものを、個人輸入などで販売しているものが主です。
日本国内では、ホームホワイトニングジェルで高濃度タイプのものは、薬事認証をされておらず、また海外製品なので説明書なども英語等で書かれており、使用はあくまで自己責任のもとで行うことになります。
ホワイトニングの効果は、歯のエナメル質内での化学反応によるものなので、高濃度の製品の方が同じ時間で比較すると高い効果が得られます。その反面、歯髄への刺激性が高くなったり、ホワイトニング後の知覚過敏症状が出やすくなっています。
低濃度タイプ
国内で薬事認証を得ている商品が含まれます。
高濃度タイプのものに比べると、1日あたりの使用時間は長く、効果はマイルドですが、比較的安全に使えます。
しかし、歯科医院で使用しているものと同じ製品が通販などで売られていることもありますが、個人で購入して使用する場合には、あくまで自己責任のもとでの使用になります。
ホワイトニングジェルの購入先と安全性
ではホワイトニングジェルは、どこで購入できるのでしょうか?
研磨成分のみのもの
研磨成分のみのものに関しては、通販などで購入しても問題ありません。先述したように、これらは歯の漂白作用を持たない、歯磨き粉の延長のようなものなので、その意味では安全です。
そのかわり、まったく効果がない可能性や、効果がゼロではないまではいかないが、広告等にあるような効果が期待できない可能性も認識しておく必要があります。
歯科医院用ホワイトニングジェル
歯科医院で購入できるホワイトニングジェルについてもみていきます。
国内承認の製品
国内で薬事認証を得ているホームホワイトニングは、ティオンホームプラチナ、オパールエッセンス10%、ナイトホワイトエクセル、松風ハイライトの4種のみでした。いずれも過酸化尿素10%の製品です。
2021年8月にオパールエッセンスGoが加わりました。こちらは過酸化水素6%の製品となっています。
これらの製品は医院以外への販売が禁止されているものであり、本来は通販で購入できるものではありません。現実には、オークションサイトやフリマアプリなどで入手することができることがありますが、販売経路が不透明なため、安全とは言えません。
国内未承認の製品
国内未承認のホームホワイトニングジェルは、オフィスホワイトニング用のジェルがホームホワイトニングジェルとして売られていることもあるため、注意が必要です。
これらの製品を使用して歯髄炎や粘膜炎などの症状が発生しても、ご自身での対処も難しいため、使用を控えた方が無難です。
通販でホワイトニングジェルを購入して使用するとこんなトラブルも!
ホームホワイトニングをしていて、医院から貰ったジェルが無くなってしまったり足りなかったりしたとき、医院で追加分を買うよりお得に買えるなら…と思ったり、歯科医院でやるより安くできるからと自分でホワイトニングジェルを買って使用したくなるかも知れません。
歯科医院で提供されるホームホワイトニングのシステムは、オパールエッセンスGoを除きカスタムトレー(型どりをして作るホワイトニング用マウスピース)を使い、一定期間内で一定量を使用するように設計されています(国内承認の製品は同梱のジェルを1日最大2時間で最長2週間)。
もし歯科医院からもらっていたホワイトニングジェルが早くになくなってしまった場合、使いすぎであった可能性もあります。
自分で追加分を購入して使用した場合、想定より多い薬剤量を使用してしまうことになりかねず、深刻な知覚過敏などが発生するおそれがあります。また、カスタムトレーを使用できない場合、ホワイトニングジェルが唇の裏や歯ぐきなど、歯以外の場所についてしまい、粘膜炎を起こす可能性があります。
トレーを持っていたとしても、カスタムトレーではなかったり、他のシステム用のトレーであった場合、ホワイトニングジェルの性状の違いから、適正なホワイトニングジェルの付け方ができないこともあります(国内承認の製品でも液だまり(レザボア)が必要な製品と不要な製品があります)。
ホワイトニングジェルは、適正に使用できないとダメージを与えてしまう薬剤であるため、安全のために専門家からの指導や管理がない状態での使用はおすすめできません。
【まとめ】ホームホワイトニングのジェル選びのポイント!通販のジェルは大丈夫?
ホームホワイトニングのジェル選びのポイントを、通販で購入できるジェルと歯医者で処方されるジェルを比較しながら解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 通販のホワイトニンググッズは、着色除去の効果はあっても漂白効果がない製品が多い
- 国内で薬事認証されていない高濃度ホームホワイトニングジェルを、個人輸入で販売しているものがある
- 高濃度の商品はより高い効果を期待できるが、歯髄への刺激が強く、歯髄炎や知覚過敏の症状が強く出る恐れがある
- 歯医者で使用されているホームホワイトニングジェルを通販で購入できることもあるが、自己責任のもと使用することになる
- 自分の歯に合ったトレーで正しい付け方をしないと、薬剤がトレーからはみ出して粘膜に付着してしまう可能性があり、粘膜に付着すると炎症を起こす危険がある
最近はさまざまなホワイトニンググッズが販売されており、通販で手軽に購入できるようになりました。歯医者でホワイトニングジェルを購入するより、安く手に入るものもあるかもしれません。
しかし、ホワイトニングジェルとは呼べないような製品が売られていたり、歯科医師の管理の下で使用するべき製品が手に入ってしまう現状があります。こういった通販で購入するものを使用する場合は、自己責任となってしまうため、リスクやトラブルについても十分に理解しておくべきです。いくら安くホワイトニングジェルが手に入ったとしても、正しい使い方ができなければさまざまなトラブルの原因となってしまいます。
確実な効果を得たり、安全のためにも自分で購入したりせず、歯科医師に相談するようにしましょう。
南青山矯正歯科クリニックでは、厚生労働省の認可を受けた日本製のホワイトニング薬剤を使用しています。低刺激でありながら高い効果が期待できるホワイトニングです。
術後の痛みや不快感に配慮した施術をしていますので、ホワイトニングに不安がある方も当院にお任せください。