セラミック歯の寿命とメンテナンス
セラミック歯を入れようかと考えている方にとって、セラミック歯の寿命はとても関心のあるポイントだと思います。
実際のところ、セラミック歯の寿命はケースバイケースですが、寿命をできるだけ長くする方法はいくつかあります。
この記事では、セラミック歯の寿命に影響する要素やメンテナンスなどについて解説します。
この記事を読むことで、セラミック歯の寿命を縮める原因や寿命を延ばす対策などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- セラミック歯の種類
- セラミック歯の寿命に影響する要素
- セラミック歯を長持ちさせるための対策
セラミックの歯は4種類
セラミック歯には、下記の4種類があります。どのセラミック歯を選ぶかでも寿命などは変わってきます。
オールセラミック
歯全体がセラミックで覆われる形になるセラミック歯です。見た目は最も美しく、金属アレルギーの方でも使えますが、費用は高くなります。
ハイブリッドセラミック
歯科でよく使われるレジンというプラスチックとセラミックを合わせたセラミック歯です。レジンだけよりは強度が出ますが、見た目はオールセラミックに劣ります。
メタルボンド
被せる土台に金属を使用しているセラミック歯です。金属のため強度がありますが、金属アレルギーの方には使えません。また金属の土台がある部分は、歯の透明感が出しにくくなります。
ジルコニアセラミック
ジルコニアは人工ダイヤモンドにも使われる素材で、軽さと硬さに優れた新しいタイプのセラミック歯です。
セラミック歯の寿命を縮める原因と対策
セラミックの歯の寿命を縮める原因にはいくつかあります。
装着時のセラミック歯の適合状態
まず、先ほど述べた4種類のセラミック歯の素材の違いにより、その歯の寿命に違いが出てきます。そして、セラミック歯と土台となる歯(支台歯)との適合状態も、その歯の寿命に違いが出ます。
セラミックと支台歯との間に微妙な隙き間があると、隙間から虫歯が起きたり、がたつきが発生して脱離する可能性があります。
この原因にはいくつかあります。担当する歯科医師や歯科衛生士の経験値・注意力・技量は大きな要素になります。また歯型(印象)を元に作成する技工士の腕・技量もありますし、歯型を取った時のわずかな変形や実際に使用する素材もセラミック歯の形態に影響します。
保険診療で使える素材は制限がありますが、セラミック歯は自由診療ですので、そこで使用する素材に制限はありません。よりいい素材を使うようにしましょう。
これらのリスクを減らすには、治療前にはいくつか確認が必要です。まずあまりにも安い価格設定であれば、セラミック歯の経験値を積みたい(=症例が欲しい)とも考えられますので、安さにつられないようにすべきだと思います。日頃から症例数が多いかどうか、事前に確認しておきたいものです。
歯ブラシの選択、ブラッシングの仕方が悪い
日々のブラッシングの回数とその仕方でセラミック歯の寿命は異なってきます。硬い毛質で大きなヘッドのブラシを使い、力を入れてゴシゴシと歯肉を傷つけるようなブラッシングを続けると、歯肉が下がります(歯肉退縮といいます)。
柔らかい毛質で、コンパクトヘッドのブラシをまず選ぶようにしましょう。持ち方はペングリップ、つまり鉛筆や筆を持つ時の持ち方にすると、歯肉にかかる力が軽くかつコントロールしやすくなります。
ブラシを動かす幅(ストローク)が大きいと、歯と歯の間や歯と歯肉の境目など細かく磨くことができません。ストロークはできるだけ小さく、小刻みにしましょう。
2次カリエス
かぶせ物や詰め物の下に虫歯ができることを「2次カリエス」と言います。セラミック歯に限らず、金属やレジンなどの詰め物やかぶせ物を入れる前には、土台となる歯の虫歯をしっかりと除去することが必要です。
しかし、かぶせものと土台となる歯との隙き間や段差があると、そこをきっかけに、食物残渣が留まり、虫歯ができます。この段差を削って調整したり、食物残渣が溜まらないよう、歯科医院での定期的なメンテナンスが重要です。
歯の神経を取っている場合
虫歯が深くまで進行し、歯の神経に到達した場合や、セラミック矯正と言ってセラミック歯の形態と方向を本来の方向から変えて、理想とする歯並びに変化させることがあります。
これらの場合は神経を取る(抜髄)処置を行います。神経を除去し、殺菌後に最終的に薬で埋めてしまいます。しかし、この抜髄処置をすると歯は徐々にもろくなり、歯の土台としての強度が落ちます。その分、セラミック歯としての寿命は短くなります。定期的なメンテナンス時に咬合調整をしてもらいましょう。
歯ぎしり、食いしばり、TCH、硬いものを食べること
セラミック歯の大敵は強大な咬合力です。硬いものを好んで食べたり、習慣化した歯ぎしり、食いしばり(TCH)などでは天然の歯でも削れたり、折れたりすることがあります。
歯ぎしりは就寝中に下顎を左右にガリガリと擦り合わせたり、普段とは違うとても強い力で咬み合うことです。最近ではTooth Clenching habit (TCH)という日中でも無意識に歯が接触する・噛み込むことがわかってきました。これらの強力な咬合力はセラミック歯が欠けたり、割れたりすることに繋がります。
【まとめ】セラミック歯の寿命とメンテナンス
セラミック歯の寿命に影響する要素や対策などを解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
ここがポイント!
- セラミック歯には、オールセラミック・ハイブリッドセラミック・メタルボンド・ジルコニアセラミックの4種類がある
- セラミック歯の寿命に影響する要素としては、セラミックの素材、歯と支台歯の適合状態、歯ブラシの選択とブラッシング方法、2次カリエス、抜髄、強大な咬合力などが挙げられる
- セラミック歯の寿命を延ばすためには、より良い素材を選んで治療経験豊富な歯科医師に治療を任せることが重要
- 使っている歯ブラシとブラッシングの方法を見直すこと、定期的なメンテナンスを受けること、食習慣や歯ぎしりなどの癖を改善することも、セラミック歯の寿命を延ばすのに役立つ
セラミック歯の寿命を延ばすためには、治療前に確認すべきことがいくつかあります。セラミック治療で後悔しないためにも、セラミック歯の治療は技術力のある治療経験豊富な歯科医師のもとで受けるようにしましょう。
南青山矯正歯科クリニックには、セラミック治療などの補綴治療全般の経験が10年以上ある女性歯科医師が担当するため、安心してセラミック治療をお受けいただけます。
今入っている歯をセラミックの歯に置き換えたい方や、欠損部分をセラミックで補いたいといった方は、ぜひ診察にお越しください。丁寧に対応させていただきます。