芸能人や有名人の白い歯はセラミック矯正によるもの？女性歯科医師が解説

白石．笑顔を作る要素として、スマイルラインというものがあります。

スマイルラインとは、笑顔になった際に見える、上の前歯の先端を結んだラインと、唇のバランスのことです。

このスマイルラインは、お顔の印象に大きく影響します。そのため美しい笑顔を作るには、美しいスマイルラインが大切です。

歯並びがガタガタしている場合など、スマイルラインを整えるためには、歯列矯正が有効です。しかし、歯列矯正には、長期間にわたるワイヤーやマウスピースといった矯正器具の装着が必要で、見られることがお仕事の芸能人や有名人には難しいことが多いのではないでしょうか。そのため、芸能人や有名人の方には、セラミック矯正という方法を選択される方もいらっしゃるようです。

白石．芸能のお仕事をされている方は、やはり審美性（見た目の美しさ）を大切にされている方が多いようです。確かに、セラミック矯正は、審美性に優れた治療法の１つです。

では、簡単にセラミック矯正治療について、ご説明しましょう。

セラミック矯正とは、ご自身の歯を削って、セラミックによる白い被せ物を装着する方法です。

被せ物の素材としては、オールセラミックや、ジルコニアセラミック、メタルボンドクラウンといった種類があります。材質によって治療方法や通院回数に違いはほとんどありませんが、費用が異なってきます。保険診療外治療のため、歯科医院によって値段が異なりますが、1本の歯で安くて7万円程度の価格設定が多いのではないでしょうか。

白石．基本的に、医療は個人情報なので、「ここのクリニックでは芸能人や有名人の〇〇さんが治療しました」「モデルの〇〇が前歯を治しました！」といった情報は宣伝すべきものではないように思います。

しかし、セラミック矯正は保険診療外の治療であり、高価な治療方法ですので、技術力があり、費用対効果を納得できるクリニックで施術を受けることが望ましいでしょう。

セラミック矯正を得意としているクリニックの目安としては、噛むという機能の他に、美しさや再現性に優れた「審美歯科」の領域に力を入れている歯科医院がよいのではないでしょうか。

具体的に、どのようなクリニックで受けることが良いかということであれば、セラミック矯正という症例を多く経験しているクリニックがお勧めです。

セラミック矯正は、保険外診療のため、保険診療をメインに行っている歯科医師によっては、症例が少ないというところもあります。審美性の高いセラミック矯正を行いたい場合には、多くの症例を経験している審美歯科に行かれるのがいいのではないでしょうか。

白石．歯科医師の見解からすると、歯の一番の目的は、しっかりと咬むことができて、お食事などの生活に問題がない、という機能的な部分が優れていれば問題はないのです。しかし、ご質問にあるように、見た目に違和感のある歯というのは、自然な見え方の回復という点で、審美性に劣っているといえます。

考えられる原因の1つは、シェード選択の間違いです。

歯科医師は、歯が唾液で濡れている状態や、光が当たって光沢がある状態などを、イメージしながらシェードといわれる色合いを選択します。

歯科医師の使用しているシェードガイドというものは、世界的な標準であるVITAシェードというものを使うことが多いです。このシェードのよると、日本人はA2~A3程度の色合いが天然歯に近いのですが、患者様によっては「せっかくだからより白く！」といった希望を伝える方もいらっしゃるのです。

しかし、加齢によりお肌のトーンがくすんでくると、真っ白な歯はコントラストが強くなりすぎるため不自然にも見えます。シェードの選択については、隣在歯、肌色、年齢、顔貌を考慮して、しっかりと歯科医師と相談することが大切です。