マウスピースを使った子供矯正の効果は?種類・費用・治療期間なども解説
「子供の歯並びや噛み合わせが気になってきた」「なるべく負担の少ない矯正方法を選んであげたい」とお考えの親御さんは多いのではないでしょうか。
近年、小児矯正において目立ちにくく、取り外しが可能なマウスピースを使った治療が非常に注目を集めています。しかし、大人と同じような効果があるのか、費用や期間はどれくらいかかるのか、わからないことも多いですよね。
この記事では、子供の矯正治療におけるマウスピースの具体的な効果をはじめ、装置の種類、費用の相場、治療期間の目安について詳しく解説します。
この記事を読むことで、子供のマウスピース矯正がもたらすメリットや、症状に合わせた治療の選択肢を全体的に理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- 子供のマウスピース矯正は具体的にどんな効果があるの?
- 指しゃぶりや口呼吸など、お口の悪い癖も治せるって本当?
- 子供向けのマウスピース矯正にはどのような種類があるの?
- 機能的矯正装置、床矯正装置、アライナー矯正装置の違いは何?
- それぞれの治療にかかる費用の相場はどれくらい?
- 治療が完了するまでにどれくらいの期間が必要なの?
子供矯正でのマウスピース矯正の効果
子供の矯正治療でマウスピース矯正を利用すると、健全歯列への誘導効果や顎骨の発育誘導効果、歯列に悪影響を及ぼす悪習癖の改善効果が期待できます。
健全歯列への誘導
子供矯正のマウスピースは、咀嚼筋や口腔周囲筋の筋力、咬合力を利用する働きがあります。これにより、健全な咬合の形成を阻害する異常や障害を早期に排除し、理想的な歯列の形成を獲得します。
顎骨の発育の誘導
子供矯正のマウスピースには、咀嚼筋や口腔周囲筋の筋力、咬合力を利用し、顎骨の骨格を理想的な形態や大きさ、位置関係になるように誘導する効果があります。
口腔悪習癖の改善
子供の歯列は、舌突出癖、口呼吸、吸指癖、咬唇癖、頬杖など、さまざまな口腔悪習癖の影響を受けます。これらの口腔悪習癖が残存したままで矯正しても、矯正装置を解除した後、悪習癖によって歯列不正が再発する可能性があります。
子供矯正のマウスピースは、悪習癖に関係する咀嚼筋や口腔周囲筋の筋トレーニング効果もあり、口腔悪習癖の改善にも高い効果を示します。
子供矯正でのマウスピース矯正の種類
子供の矯正治療で使われることのあるマウスピース矯正の種類は、大きく分けると機能的矯正装置と床矯正装置に分けられます。
機能的矯正装置
機能的矯正装置は、咀嚼筋や口腔周囲筋などの筋力を賦活化させ、これらの筋力で歯や顎を移動させる矯正装置の総称です。
機能訓練型マウスピース
機能訓練型マウスピースは、既製品のマウスピース型矯正装置で、プレオルソ、ムーシールド、マイオブレース、パナシールドなどが代表的です。
咀嚼筋や口腔周囲筋の筋機能を向上させることで、口腔悪習癖を解消させ、健全な顎や歯列の成長発育を促進させます。主に乳歯列期の反対咬合などに適しています。
アクチバトール
アクチバトールは、F.K.Oとも呼ばれる機能的矯正装置で、上顎から下顎に及ぶ一塊となったレジン床とワイヤーの誘導線で構成されます。
乳歯列期から混合歯列期にかけての下顎後退症による上顎前突症、機能性反対咬合、過蓋咬合、交叉咬合に適しています。
リップバンパー
リップバンパーは口唇の力を使った機能的矯正装置で、前歯部にバンパーを設けた直径1.0㎜程度の唇側線と第一大臼歯に装着するバッカルチューブ(頬面管)を装着したバンドで構成されます。装着すると口唇からの圧力が解除され、前歯が唇側に傾斜するとともに、臼歯部に遠心方向への矯正力が作用します。
混合歯列期の第一大臼歯の近心傾斜、咬唇癖などに適しています。
床矯正装置
床矯正装置は、レジン床と誘導線で構成される可撤式の矯正装置の一つで、咬合力を利用して歯を移動させたり、顎の成長発育を誘導したりします。
咬合挙上板
咬合挙上板は、口蓋を被覆するレジン床と第一大臼歯に装着するワイヤークラスプ、そして前歯部にかかる唇側線で構成される床矯正装置です。
下顎前歯が接する部位がレジンにより盛り上げられており、咬合したときには下顎前歯だけが摂食嚥下障害し、臼歯部は1〜2㎜程度開咬した状態になります。これにより下顎前歯が圧下されるとともに、下顎臼歯部が挺出することで咬合が挙上され、前歯部の被蓋関係を浅くすることができます。
混合歯列期の過蓋咬合の治療に適しています。
咬合斜面板
咬合斜面板も咬合挙上板と同様に上顎に装着する床矯正装置で、レジン床と臼歯部に装着するワイヤークラスプ、前歯部にかかる唇側線で構成されています。
咬合挙上板との違いは、下顎前歯部が接する部位にあり、咬合斜面板は斜面になっています。このため、咬合時に下顎骨が前方に誘導されます。前方に誘導されたとき、臼歯部は開咬しているので、臼歯が挺出し、咬合関係が挙上します。
混合歯列期の下顎遠心咬合の治療に適しています。
アライナー矯正装置
アライナーとは、マウスピース型の矯正装置のひとつです。
成人向けのアライナー(マウスピース)矯正と同様に、透明度が高く、歯に適度に適合したアライナーを定期的に交換しながら歯列を整えていきます。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、アライナー矯正の代名詞とも言えるアライン・テクノロジー社のインビザラインが子供向けに開発したアライナー矯正システムです。
混合歯列期を対象としており、小児矯正の第一期治療に適用されます。
エンジェルアライナーKID
エンジェルアライナーKIDは、エンジェルアライナー社が提供している子供向けのアライナー矯正システムです。
こちらも混合歯列期の第一期治療を対象としています。
子供矯正でのマウスピース矯正の費用
子供矯正は、原則的に保険診療の適用を受けていないので自費診療です。
治療費の目安になるよう、相場の金額を提示させていただきます。
機能的矯正装置
機能的矯正装置の治療費は30〜60万円が多いですが、リップバンパーはそれより少し低めです。
機能訓練型マウスピース
機能訓練型マウスピースの治療費は、30〜60万円程度が多いです。
内訳は、検査費用や診断費用が数万円、矯正装置の費用が30〜40万円で、残りが調整費用や再診費用となっています。
アクチバトール
アクチバトールの治療費も、30〜60万円程度が多いです。
内訳は、検査費用や診断費用が数万円、矯正装置の費用が10〜20万円、残りが調整費用や再診費用となっています。
リップバンパー
リップバンパーの治療費は、10〜20万円程度です。
内訳は、検査費用や診断費用が数万円、装置代が数万円、残りが調整費用と再診費用です。
床矯正装置
床矯正装置の治療費は、咬合挙上板も咬合斜面板もほとんど同じです。
咬合挙上板
咬合挙上板の治療費は、10万円程度です。
内訳は、検査費用や診断費用が数万円、咬合挙上板の費用が5万円程度、そして調整費用や再診費用です。
咬合斜面板
咬合斜面板の治療費も10万円程度です。
内訳は、検査費用や診断費用に数万円、咬合斜面板の費用が5万円程度、残りは調整費用や再診費用です。
アライナー矯正装置
アライナー矯正装置での子供矯正の治療費は、一般的に50〜60万円程度が多いです。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストの治療費は、50〜70万円程度です。
内訳は、検査費用と診断費用に数万円、アライナーの費用が40〜60万円ですので、ほとんどがアライナーの費用になっています。
エンジェルアライナーKID
エンジェルアライナーKIDの治療費は、40〜60万円程度です。
内訳は、インビザライン・ファーストと同じく、検査費用と診断費用が数万円、アライナー代が30〜50万円程度、残りは調整費用や再診費用です。
子供矯正でのマウスピース矯正の治療期間
ここでは一般的なマウスピース矯正の治療期間を提示していますが、実際の治療期間は、症状の程度や1日の装着時間、子供の成長発育の度合いによって差があります。
機能的矯正装置
機能的矯正装置の治療期間は、1〜3年程度が多いですが、症状が軽い場合は6か月程度で完了することもあります。
機能訓練型マウスピース
機能訓練型マウスピースはさまざまなタイプがありますが、早ければ6か月〜1年、一般的には2〜3年程度のことが多いです。
アクチバトール
アクチバトールの治療期間は、1〜2年程度です。
リップバンパー
リップバンパーの治療期間は、早ければ6か月ですが、1〜3年程度のことが多いです。
床矯正装置
床矯正装置の治療期間は、咬合挙上板も咬合斜面板もほぼ同じです。
咬合挙上板
咬合挙上板での矯正治療の治療期間は、1〜2年程度です。
早い方では、半年と経たないうちに咬合関係の改善が認められます。
咬合斜面板
咬合斜面板での治療は、治療期間は早い方で数週間、一般的には1〜2年程度です。
アライナー矯正装置
子供向けのアライナー矯正装置の治療期間は、いずれも1〜2年程度です。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストの治療期間は、6か月〜1年半以内を想定しています。
エンジェルアライナーKID
エンジェルアライナーKIDの治療期間は、個人差はありますが、1〜2年程度が想定されています。
【まとめ】マウスピースを使った子供矯正の効果は?種類・費用・治療期間なども解説
子供矯正でのマウスピース治療の効果、種類、費用の相場、そして治療期間について詳しく解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- マウスピース矯正は、健全な歯列や顎骨の正常な発育を誘導するだけでなく、指しゃぶりや口呼吸といった歯並びに悪影響を与える「口腔悪習癖」の改善にも高い効果が期待できる
- マウスピース矯正の種類は、大きく分けて「機能的矯正装置(プレオルソ、アクチバトール、リップバンパーなど)」「床矯正装置(咬合挙上板、咬合斜面板)」「アライナー矯正装置(インビザライン・ファースト、エンジェルアライナーKIDなど)」があり、症状に合わせて使い分ける
- 治療費の相場は、原則として保険適用外の自費診療となり、装置の種類によって異なるが、およそ10〜70万円程度が目安となる
- 治療期間の目安は、症状の重さや1日の装着時間、子供の成長度合いによって個人差はあるものの、概ね半年〜3年程度で完了することが多い
子供の時期に行うマウスピース矯正は、単に今の歯並びを綺麗にするだけでなく、お口周りの筋肉を鍛え、顎の正しい成長を促すことで将来的な歯列不正を防ぐ重要な土台作りとなります。
お子様のお口の状態や成長段階によって適した装置や治療のタイミングは異なるため、最適な治療を選択することが非常に大切です。
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