乳歯のすきっ歯は大丈夫?理想の隙間と自然に治る場合と矯正が必要になるケース
子どもの乳歯に隙間があることで、将来的な歯並びに不安を感じる親御さんもいらっしゃいます。しかし、乳歯の時期に隙間があることは、成長と共に顎が発達して永久歯のための準備が始まるため、ごく自然なことです。
一方で、アンバランスな隙間や悪癖などが原因となっている場合など、専門的な判断が必要なケースも存在します。
この記事では、乳歯期にすきっ歯になる原因、理想の隙間、自然に治る場合と矯正治療が必要になるケースの違いを詳しく解説します。
この記事を読むことで、子どもの成長と乳歯の隙間の関係を理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- 子どもがすきっ歯になる原因
- 乳歯にあるべき理想の隙間とは
- すきっ歯は成長して永久歯が生え揃えば自然に治るの?
- 小児矯正治療が必要になるのはどのようなケース?
- すきっ歯を放置してしまうと、どのような悪影響があるの?
- すきっ歯の悪化を防ぐために、日頃から気を付けること
子どもがすきっ歯になる原因
乳歯に隙間があることで、将来的な歯並びに不安を感じる親御さんもいらっしゃいます。
子どもがすきっ歯になる原因には、成長の過程によるものや顎と歯のアンバランス、悪癖、乳歯の欠損、上唇小帯付着異常などの理由が挙げられます。
成長の過程によるもの
子どもは成長過程にあり、顎の骨もどんどん大きくなっている途中です。
乳歯は赤ちゃんの頃に生え始め3歳くらいで生え揃いますが、それ以降も顎はさらに成長して歯が並ぶスペースが拡大することから、隙間が生じるのはごく自然なことといえます。
顎と歯のサイズのアンバランス
乳歯のサイズは小さく、発達過程においては顎のスペースが拡大することにより隙間が生じるのが本来の状態です。
しかし、永久歯の生え変わりの頃になっても隙間がない場合や逆に隙間が極端に広い場合には、不自然なアンバランスによる隙間が生じている可能性があります。
悪癖によるもの
歯並びに影響を与える悪癖によって、すきっ歯になることがあります。
例えば、指しゃぶりなどの指弄癖、舌で前歯を押す舌癖、唇を噛む唇弄癖、口呼吸などがあります。
乳歯の早期脱落や先天性欠如
虫歯による抜歯や外傷による早期脱落、生まれつき歯の本数が不足している先天性欠如などの歯の数が不足している状態では、顎にスペースが過剰にできて、すきっ歯になる原因になります。
上唇小帯付着異常
上唇小帯(上唇から延びるヒダ)が長いケースや太く強固であるケースでは、上顎前歯の正中に隙間ができることが多いです。成長と共に改善することもあります。
過剰歯
本来あるはずのない過剰な歯がある場合、隙間ができることがあります。特に上顎前歯の間に多く見られ、埋伏歯の場合はレントゲン撮影で見つかることがあります。
子どもの成長と乳歯の隙間の関係
生え揃ったばかりの乳歯は、隙間がないことがほとんどですが、成長するにつれて隙間が生じるため、「歯並びは大丈夫だろうか?」「どれくらい様子をみていいのだろうか?」と心配に思う親御さんも少なくありません。
乳歯に隙間ができる時期
乳歯は、生後6か月頃から次々と萌出し、2歳半~3歳頃に生え揃うのが一般的です。
生え始めの乳前歯には、しばしば隙間がみられますが、乳歯の萌出が進み歯が並ぶにつれて隙間が埋まり、生え揃うころには隙間は消失します。その後4歳から6歳頃にかけて、徐々に隙間がみられるようになります。ただ、永久歯の生え変わりのスピードは個人差がありますので、どれくらいで判断するかは、年齢だけでなく、変化の定期的な観察や検査による専門的な診断が必要です。
乳歯の理想の隙間とは
乳歯にみられる隙間は、自然にできる隙間がほとんどです。そもそも乳歯は永久歯より小さい歯ですので、成長と共に顎が発達して、より大きな永久歯のために準備が始まると隙間ができるのはごく自然なことです。
この隙間は、部位によって『霊長空隙』や『発育空隙』『リーウェイスペース』とよばれ、将来的に萌出する永久歯が正しく並ぶためのスペース確保のために、乳歯にあるべき理想の隙間とされています。したがって、隙間がない場合は注意が必要です。
- 霊長空隙:上顎は乳側切歯(B)と乳犬歯(C)の間、下顎は乳犬歯(C)と第一乳臼歯(D)の間にできる隙間
- 発育空隙:霊長空隙以外にみられる乳歯列期の隙間。主に上下の前歯にみられる
- リーウェイスペース:乳犬歯~第二乳臼歯(C+D+E)のサイズ合計と、永久歯の犬歯~第二小臼歯(3番+4番+5番)のサイズ合計の差のこと
乳歯の計の方が大きい。
これらの隙間は、永久歯に交換する場合にスペースを適切に確保する役割があります。
すきっ歯が自然に治る場合
子どもの乳歯がすべて生え揃った後、成長につれて徐々にできた隙間のほとんどは発育空隙で成長過程のひとつです。したがって、永久歯との交換が始まり、永久歯がすべて生え揃うと、すきっ歯は自然に治ることがほとんどです。
ただし、悪癖などや噛み合わせの問題がなく、口腔周囲の筋肉が適切に発達していることが前提です。
矯正治療が必要になる場合
子どものすきっ歯の原因や状態によっては、矯正治療が必要なケースもあります。
矯正治療が必要なケースとして、生え変わりが進んでも隙間が広い、正中に隙間がある、永久歯の萌出のずれ、咬合の問題、家族性の問題といった要因が挙げられます。
生え変わりが進んでも隙間が広い
一般的に永久歯との生え変わりが進むと同時に顎の成長も緩やかになり、すきっ歯は改善していきます。しかし、顎のスペースと歯のサイズのアンバランスがみられる場合、隙間が広いまま残ることがあります。
このようなケースでは、自然に隙間が塞がらないため、矯正治療で歯を移動して隙間を塞ぐ必要があります。
指弄癖や舌弄癖等の悪癖がある
指弄癖(指しゃぶりなど)や舌弄癖(舌で前歯を押す、舌を噛むなど)、弄唇癖(唇を噛む、吸うなど)、口呼吸などの悪癖がある場合、前歯が前突したり、舌側に倒れたり、上下が咬合しない状態になって隙間ができることがあります。
このようなケースでは、矯正治療と並行してMFT(口腔筋機能療法)による口腔周囲筋のトレーニングも必要です。
上顎の正中の隙間が塞がらない
上顎の正中離開(真ん中に隙間がある状態)では、上唇から伸びるヒダの付着異常や埋伏している過剰歯が影響していることがあります。
上唇小帯付着異常と診断された場合は、手術が必要になることがあります。また、過剰歯の場合では抜歯が必要です。これらの処置を行うと、その後自然に治ることもありますが、なかなか改善しない場合には矯正治療が必要になります。
永久歯の向きや位置がずれている
永久歯が萌出した時に捻転していたり、違う位置に萌出したりすることがあります。そのような場合には、矯正治療で正しい向きや位置への誘導が必要になることがあります。
咬み合わせに問題がある
隙間はあるが上下がきちんと咬合していない、歯並びがガタガタしていて噛み合わせがずれているという場合には、早期に矯正治療が必要になることがあります。
特に開咬(上下の前歯間に隙間がある)や反対咬合(受け口)、上顎前突(出っ歯)は、早めに介入することが求められます。
家族も歯並びが悪い
顎骨や歯の形状やサイズは、遺伝するとされています。そのため、親御さんの歯並びがもともと悪かったり、矯正治療を受けた経験がある場合には、子どもさんも矯正が必要になるケースが少なくありません。
このようなケースでは、早期から小児歯科で管理を行い、矯正治療が必要と判断された場合には、早期から介入することで後の治療を軽減することができます。
すきっ歯を放置することの悪影響
すきっ歯の放置は、発音不良、虫歯や歯周炎のリスク増加、噛み合わせのズレ、見た目のコンプレックスを招くことがあります。
発音への影響
すきっ歯になると、歯と歯の隙間から空気が漏れるため、発音に影響を与えます。特にさ行の発音が不明瞭になります。
歯や歯肉への影響
歯間空隙に食物や汚れが残りやすく、虫歯や歯周炎のリスクが高まります。
乳歯は柔らかく虫歯になりやすい上、子どもは症状を適切に伝えられないという特徴がありますので、毎日の仕上げ磨きによる口腔ケアや定期健診など、親御さんによる管理が重要であることはいうまでもありません。
咬み合わせへの影響
すきっ歯になると、噛み癖や歯の位置などにより、一部の歯に過度の負担がかかり、咬み合わせにずれが生じることがあります。
見た目への影響
笑ったり話したりする際に、すきっ歯が気になり、心理的なコンプレックスになることがあります。
すきっ歯の予防や悪化防止に必要なこと
すきっ歯の悪化予防には、指しゃぶり等の悪癖、口呼吸、歯ぎしりの改善と、歯科医院での定期検診が重要です。
悪癖を改善する
指しゃぶりなどの悪癖を改善することは、歯並びだけでなく、顎や口腔周囲の筋肉の健全な発育にとっても重要な条件となります。
悪癖はすきっ歯を助長するだけではなく、なかなかやめられないことから長期的に影響を与え続け、例え矯正治療を行っても後戻りの原因となったり、歯並びを悪化させたりすることにもつながります。
口呼吸を改善する
口呼吸は口腔乾燥だけでなく、舌や口唇の筋肉の機能を低下させ、歯並びの悪化を招きます。
本来、歯列は舌と口唇に挟まれたスペースでバランスをとりながらその位置をキープします。口呼吸になると、舌が前歯を押す力が優勢となるため、すきっ歯や上顎前突、開咬などの原因となります。
歯ぎしりや食いしばりを改善する
歯ぎしりや食いしばりは、歯に過度の負担がかかります。前後左右に強く揺さぶられるため、隙間を助長し、咬耗を促進します。
子どもの歯ぎしりは成長と共に改善することも少なくありませんが、生え変わりが過ぎても続く場合には注意が必要です。
歯科医院で定期的に管理する
乳歯期や永久歯との交換期は、歯科医院での定期的な観察が不可欠です。
成長と共に変化が大きく専門的な評価が必要であることや、虫歯や歯肉炎予防の観点からも、定期検診を受けることが望ましいです。
乳歯の隙間は正しい成長の証
乳歯の隙間は発育に伴って発言する必要な隙間であり、正しい成長の証です。ただ、中には問題が隠れているケースもあり、その判断は専門医でなければ診断が困難です。しかし、矯正治療などの介入が必要な場合、早期に開始することで治療の負担を軽減することができます。
大切なのは、乳歯に隙間があることを不安視するのではなく、隙間ができることを前提として、見えていない問題がないかを定期的に確認することです。
【まとめ】乳歯のすきっ歯は大丈夫?理想の隙間と自然に治る場合と矯正が必要になるケース
子どもの乳歯のすきっ歯の原因、理想的な隙間、自然に治る場合と矯正治療が必要になるケースについて詳しく解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 乳歯のすきっ歯は、成長過程による顎のスペース拡大が原因であることが多く、ごく自然なこと
- 「霊長空隙」や「発育空隙」「リーウェイスペース」と呼ばれる乳歯の隙間は、永久歯が正しく並ぶために必要な理想の隙間
- 発育空隙などの成長に伴う隙間は、永久歯がすべて生え揃うと自然に治ることがほとんど
- 生え変わりが進んでも隙間が広いままの場合や、指しゃぶり・口呼吸等の悪癖、上唇小帯の異常、噛み合わせの問題などがある場合は、矯正治療が必要になることがある
- すきっ歯を放置すると、発音への影響、虫歯や歯周炎のリスク増加、噛み合わせのズレなどを招くことがある
- すきっ歯の予防や悪化防止には、悪癖や口呼吸の改善と、歯科医院での定期的な管理が重要
乳歯の隙間は発育に伴って発生する必要な隙間であり、基本的には正しい成長の証です。しかし、中には問題が隠れているケースもあり、その判断は専門医でなければ診断が困難です。
もし矯正治療などの介入が必要な場合であっても、早期に開始することで将来的なお子様の治療負担を大きく軽減することができます。
「うちの子のすきっ歯は様子を見ていて大丈夫だろうか?」と少しでも不安に思われましたら、ぜひお気軽に南青山矯正歯科・審美歯科へご相談ください。小児の歯並びや成長に詳しい専門的な視点から、見えない問題が隠れていないかをしっかりと確認し、お子様の健やかな成長をサポートいたします。
まずは一度、女性歯科医師のカウンセリングや定期検診へお越しください。



