セラミッククラウン治療で失敗しないための16のポイント
セラミッククラウン治療は、天然歯に近い色調のセラミックを使用する審美性に優れたセラミック治療です。しかし、ほとんどのケースで自費診療となるため、費用が高く透明性に欠ける、実績や経験がある歯科医院や歯科医師が見つけづらいといった声も少なくありません。
そのため、治療後に後悔したり、トラブルが起きたりしないようにしたいと思う方も多いかと思います。
この記事では、セラミッククラウン治療による後悔やトラブルを防ぐためのポイントなどを解説します。
この記事を読むことで、クリニック選びのポイントや診察・相談時に確認すべきこと、治療後の注意点などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- セラミッククラウン治療の概要と流れ
- 治療を受ける歯科医院選びのポイント
- 診察・相談時に特に確認すべきポイント
- 治療後に注意すべきポイント
- セラミッククラウンのメンテナンス方法
セラミッククラウン治療とは
セラミッククラウンとはセラミックを使用したクラウン(被せ物や差し歯)のことをいいます。虫歯だけでなく過去に金属で修復した材料の交換や変色歯の治療、歯並びや歯の形態の改善などの治療時にも行います。
セラミッククラウンの種類には、ハイブリットセラミッククラウン、オールセラミッククラウン、メタルボンドがあります。
ハイブリットセラミッククラウンは、セラミックとレジンが混ざった材料で作製したクラウンです。
オールセラミッククラウンは、金属を使用せず、全てセラミックで作製したクラウンです。オールセラミッククラウンの中でも、特に強度の高いジルコニアを使用したものをジルコニアセラミッククラウンといいます。
メタルボンドは、金属のメタルフレームの上にセラミックを焼き付けたクラウンです。
セラミッククラウン治療の流れ
治療は以下の流れで行います。
- ❶診察・相談・精密検査
- ❷歯の形成
- ❸仮歯の装着
- ❹歯型取り・クラウン作製
- ❺装着
歯の状態によっては先に神経治療を行います。また、残存歯質が少ない歯や神経処置を行った歯では、コアという土台を立てることもあります。
セラミッククラウン治療の歯科医院選び4つのポイント
セラミッククラウン治療を受けるためには、まずはどこの歯科医院で治療を受けるのかを検討する必要があります。ここでは歯科医院を選ぶ際のポイントをみていきます。
歯科医師の実績と経験がある
歯科医師にもそれぞれ得意分野があります。行いたい治療が決まっているのであれば、その分野の専門の歯科医師である方がより良い治療を受けられる可能性があります。
衛生管理を徹底している
待合室や診療室が清潔であることはもちろん、治療に使用する器具の感染防止策まで徹底している歯科医院を選びましょう。
診察・相談をしっかり行っている
適切な治療のために重要なのは、治療前の診察・相談です。診察・相談をしっかり行い、信頼関係をきちんと築いてくれる歯科医院を選びましょう。
また、実際に治療を行う歯科医師が対応してくれると、歯科医師とのコミュニケーションがとりやすくなるでしょう。
アフターフォローが充実している
セラミッククラウン治療を行う場合は自費診療となることが多いため、治療後の保証期間とその内容については確認しておきましょう。歯科医院によって対応が異なるため、治療後のトラブルを避けるためにも保証内容を知っておくことが大切です。
また、治療したら終わりではなく、治療後のメンテナンスまで見据えた診療を行ってくれる歯科医院は信頼できるといえます。
セラミッククラウン治療の診察・相談時に確認すべき5つのポイント
診察・相談を受けて、各歯科医院の治療方針や患者さんに対する姿勢を確認しましょう。
治療方針・方法の説明
診察・相談時に患者さんの現在の状態を説明し、治療の選択肢を提示して選ばせてくれるかどうかを確認しましょう。メリットだけでなく、それぞれの治療法のデメリットも説明してもらうことも大切です。
治療内容や治療方針、治療期間などを患者さんがしっかり理解し、納得できるまで丁寧に説明してくれる歯科医院を選択しましょう。
費用についての細かい説明
治療部位にもよりますが、ハイブリットセラミッククラウンは保険診療が適用できる場合もあります。保険診療で対応できるのであれば、保険診療案も出して比較検討させてくれるべきです。
特に自費診療は高額になることも多いので、治療の概要や費用、メリット・デメリットまで伝えてくれるか確認しましょう。
コミュニケーションがとりやすい
納得のいく治療を行うためには、スタッフや歯科医師とのコミュニケーションが重要です。患者さんが何でも聞ける、話せる雰囲気があるということは大事なことです。
担当医制の歯科医院であれば、歯科医師にも質問しやすくコミュニケーションがしっかりとれて、質の高い治療につながるでしょう。
神経治療を行うか
セラミッククラウン治療は虫歯の状態や歯の切削量によって、神経治療が必要になる場合があります。
神経を取ってしまうと歯がもろくなり、将来的な破折などのリスクが高くなります。可能な限り神経を残すに越したことはありません。また、治療期間も変わってくるので、診察・相談時に確認しておきましょう。
支払い計画の選択肢の数と種類
自費治療の支払い方法や支払い時期は、歯科医院や患者さんの状況によって変わってきます。現金、クレジット、デンタルローン、一括払いや分割払いなど、支払い計画の選択肢の数と種類が豊富だと、自費治療を選択しやすくなります。
セラミッククラウン治療後に注意すべき7つのポイント
治療後の歯には様々なリスクがあります。患者さん自身が治療後のリスクをしっかりと認識して、痛みや違和感など、わずかな変化でも早期に歯科医院に相談することが大切です。
欠けたり取れたりすることがある
虫歯になったり、接着剤が劣化したり、噛み合わせに問題があるとクラウンが外れることがあります。また、セラミックは衝撃力に弱いため、歯ぎしりや食いしばりといった癖のある人は割れやすい可能性があります。
割れるリスクの高い人はセラミッククラウン治療を避けた方がいいこともあります。また、ナイトガード治療を併用したり、金属の裏打ちがあるメタルボンドや強度の高いジルコニアセラミッククラウンを選択したりして対応することもできます。
虫歯や歯周病になることがある
クラウンと歯の間に隙間ができると、そこに再び虫歯菌が侵入し虫歯になってしまったり(二次カリエス)、歯垢がたまると歯周病が進行したりします。
セラミックは歯垢が付きにくいためプラークコントロールしやすく、二次カリエスや歯周病のリスクは低いといわれていますが、丁寧なケアを行うことは大切です。
噛み合わせに違和感がでることがある
実際に日常生活で使用してみると、噛み合わせに違和感が出ることがあります。そのまま違和感を放置しておくと、将来的なクラウンの脱離や破損、歯の痛み、歯茎下がりを引き起こすこともあります。違和感が続く場合は、噛み合わせの調整をしてもらいましょう。
また、長期間使用していると噛み合わせに変化が生じることもあるので、定期的に確認してももらう必要があります。
治療した歯に痛みが出ることがある
噛み合わせがきちんと調整できていないと、歯の痛みにつながる可能性があります。
また、セラミックは歯質の切削量が多いため、神経を残して削る場合は痛みやしみる症状が出ることがあります。そのため、仮歯の段階で症状が出ないか確認してからクラウン治療に進みます。
クラウン装着後に症状が出た場合、一時的で徐々に落ち着くことも多いですが、症状が続く場合は歯科医師に相談しましょう。
滑舌が悪くなることがある
多数歯の治療や歯並びの改善治療などで、過去の歯並びと大きく変わる場合は注意が必要です。
通常仮歯の段階で歯の厚みや形を調整し、発音に問題ないか確認し、それをもとにセラミッククラウンを調整します。しかし、クラウン装着後も微調整が必要になります。
膿がでてくることがある
二次カリエスなどが原因となり、治療した歯の根(歯根)に感染が起こった場合、歯根の先端に炎症が起こり、歯茎から膿がでることがあります。この場合は再治療が必要となります。
歯茎が下がり歯根が露出してくる
長期間使用していると、歯茎が下がり見た目が不自然になることがあります。歯周病の進行、咬合性外傷(噛み合わせによる損傷)、不適切なブラッシングなどが原因で生じます。
審美的に気になる場合はやり替えが必要になってくるため、このような状態になる前に原因を解消しておく必要があります。
セラミッククラウンを長持ちさせるメンテナンス方法
セラミックは、生体親和性や耐摩耗性が高く、着色や変色もしにくい材質です。このようなメリットを持つ一方で、衝撃力に弱く割れやすいといったデメリットもあり、10〜20年が一般的な寿命といわれています。 しかし、いくら良い材質を用いても、正しいメンテナンスを行わなければ長持ちさせることはできません。
セルフケア
患者さん自身が行う毎日のブラッシングを正しく行うことが重要です。ブラッシング圧が強かったり、毛先の硬い歯ブラシを使用していたりすると、歯茎が下がる原因となってしまいます。
また、フロスや歯間ブラシの併用で歯垢除去効果が上がります。自分に合ったセルフケア用品や方法を歯科医院にご相談ください。
プロフェッショナルケア
定期的に歯科医院を受診していただくことでセルフケアでは落としきれない汚れを除去し、歯茎の健康状態や虫歯ができていないかを確認できます。
セラミッククラウンの劣化を患者さんが早期に自覚することは困難で、放置すれば症状の悪化を招きます。そうした事態を未然に防ぐためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。
【まとめ】セラミッククラウン治療で失敗しないための16のポイント
セラミッククラウン治療の概要や失敗しないためのポイントなどを解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
ここがポイント!
- セラミッククラウンとは、セラミックを使用した被せ物や差し歯のこと
- セラミッククラウンの治療は、診察・相談や精密検査後、歯の形成、仮歯の装着、歯型取りを経て、クラウン作製、装着という流れになる
- セラミッククラウンに対応する歯科医院選びでは、歯科医師の実績と経験、衛生管理の徹底、診察・相談およびアフターフォローの充実度をチェック
- 診察・相談時には、患者側が納得のいく治療方法を選ばせてくれるか、各治療法のデメリットまで説明してくれるか、保険診療案も含めた費用の説明、歯科医師とのコミュニケーションの取りやすさ、抜髄の要否、支払い方法の豊富さなどを確認
- セラミッククラウン治療をしても、クラウンの破折や脱離、二次カリエスや歯周病のリスクはあり、噛み合わせの違和感や痛み、滑舌が悪くなる、歯茎から膿が出る、歯根が露出するなどの症状があらわれる場合もある
- セラミッククラウンを長持ちさせるには、日々のブラッシングを正しく行い、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることが必要
セラミッククラウン治療で失敗しないためには、歯科医院選びが大変重要です。治療後の注意点もきちんと理解しておき、メンテナンスをしっかり行うようにしましょう。
南青山矯正歯科クリニックには、セラミッククラウン治療の実績と経験が10年以上の女性歯科医師が診察・相談から治療、定期検診まで一貫して担当いたします。診察・相談時には、患者様が治療への理解を深めていただけるよう、丁寧にご説明させていただいております。
セラミッククラウン治療のことで、疑問やご不安などありましたら、まずは女性歯科医師の診察・相談にお越しください。