ガミースマイルが改善できる耳介軟骨移植とは?
近年、個人の審美的欲求が高まるにつれ、歯科用専門用語も普及してきました。「ガミースマイル」もその中のひとつです。
ガミースマイルとは、笑った状態で歯茎が2㎜以上露出していることをいいます。
そんなガミースマイルの治療法はいくつかありますが、近年は美容整形手術の一種である「耳介軟骨移植手術」が選択されることもあります。
耳介軟骨移植手術には、どのような利点があるのでしょうか。
この記事では、さまざまなガミースマイル治療の特徴やメリット・デメリット、耳介軟骨移植手術の概要などを解説します。
この記事を読むことで、主なガミースマイル治療の特徴や耳介軟骨移植手術の概要、利点や欠点などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- 主なガミースマイル治療の特徴およびメリット・デメリット
- 耳介軟骨移植手術の概要
- 耳介軟骨移植手術のメリット・デメリット
- 耳介軟骨が移植する材料として優れている理由
主なガミースマイルの治療法
ガミースマイルに対する治療法も様々あります。代表的な治療法は以下の3つです。
- ❶ボツリヌストキシン注射
- ❷アンカースクリューを用いた歯科矯正治療
- ❸外科的手術を伴う歯科矯正治療
①から③にかけて外科的な侵襲性が高い治療法となります。
それぞれの治療法に対してもやはり利点欠点が存在します。
ボツリヌストキシン注射は、笑ったときに歯茎が見えるよう上唇を引き上げる筋肉に対してその力を弱めるために打つ注射です。
「ボツリヌス療法に必要な顔面筋の形態に関する一考察」浅見知市郎氏によると、効果は3か月から半年程と言われ、効果を持続させるためには繰り返し打つ必要性があるようです。
しかし、一回一回の注入が安価で外科的侵襲を伴わないため挑戦しやすい治療法となります。
歯科矯正治療でもガミースマイルを治療することはできます。
その際、アンカースクリューと呼ばれる生体用のネジを上顎前歯の骨に打ち込むことによってそこを固定源として歯面に装着されたワイヤーごと引き上げるとガミーの改善ができるとされています。
歯並びも整えられて一石二鳥なのですが、治療期間が2年以上かかり費用も通常の歯科矯正治療費+アンカースクリューの料金もかかり高額です。
また、重症度が高いと上顎骨を切り、垂直方向に持ち上げて歯肉の露出を少なくする外科的な治療法もあります。
これは全身麻酔が必要な処置で、一番大がかりな手術となりますが矯正治療と併用することで咬み合わせも整えることができます。そして症例の重症度によっては(例:ガミースマイルを伴う著しい上顎前突など)保険適応の可能性があります。
ガミースマイルを改善する骨切り術の種類と治療が受けられる医療機関
どれも利点・欠点がありますが代表的な治療方法です。しかし、近年ガミースマイル治療の選択肢として新たに「耳介軟骨移植手術」という選択肢が浮上してきました。
そこで、まずはガミースマイルの治療法である「耳介軟骨移植手術」について解説していきましょう。
耳介軟骨移植手術について
耳介軟骨移植手術とは、ふくらみを待たせたい部位に対して、耳の裏側の軟骨を採取し、移植する美容整形手術のことです。
鼻尖を高くするために、鼻尖縮小手術に加えて行うケースや、鼻と上唇の間に採取した軟骨を移植することで、上唇の過度な引き上げを抑えるガミースマイルの治療法としても用いられます。
耳の裏側から軟骨を採取し、その軟骨を鼻の穴から切開し、挿入するため傷跡は目立ちにくいです。
一度の手術でガミースマイルの改善ができるため、ボツリヌストキシン注射のように頻回に施術を行う必要性もなく、矯正治療のように長期間にわたる治療期間もかかりません。
しかし、この耳介軟骨移植手術にも他の治療方法と同様に利点・欠点が存在します。
耳介軟骨移植手術の利点・欠点
まずは、「手術」とは名がつくものの施術時間が30分~1時間と短期間での改善が望めることが利点としてあげられるでしょう。
上述した、外科手術を伴う歯科矯正治療は術前の矯正治療で1年半、手術は全身麻酔で3時間ほど。その後の入院は1週間〜2週間。そして、術後の矯正治療で1年以上はかかります。ガミースマイルの根本的な解決策ではありますが、それと比べると長すぎますね。
また耳介軟骨移植手術は、麻酔も局所麻酔で済ますことができるため手術後日帰りができることも利点です。
軟骨を移植するため、切開が耳の裏と鼻の穴の二か所になってしまいますが、傷跡は目立たず耳の軟骨は再生するため耳の変形といった心配はありません。
また、効果は半永久的に続くといわれているため、ボツリヌストキシン注射のように頻回の施術を必要としません。
ただし、いわゆる美容整形にあたるため保険は効かず、自費治療となります。また、7日間ほどのダウンタイムの存在も欠点といえるでしょう。
耳介軟骨についての報告
耳介軟骨を移植することは、プロテーゼなどといった人工物を移植するよりも生体親和性がよく、自家移植となるため免疫反応が起こりにくいとされています。
耳介軟骨は美容整形手術に用いられる以外にも、その利便性を生かし顎関節症の治療にも用いられるようです。
「耳介軟骨による中間挿入移植を併用した顎関節形成術について」近藤らによると、自家移植としての耳介軟骨は動的環境である関節内への移植材料として、優れた材料であり、注目されている。物性としては硬度、弾性ともに良好である、とされています。
移植する材料としては申し分ないということですね。
【まとめ】ガミースマイルが改善できる耳介軟骨移植とは?
主なガミースマイル治療の特徴や耳介軟骨移植手術のメリット・デメリット、耳介軟骨の有用性などを解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 主なガミースマイル治療としては、ボツリヌストキシン注射・アンカースクリューを用いた歯科矯正治療・外科的手術をともなう歯科矯正治療がある
- ボツリヌス療法は効果持続期間が短いが、安価で外科的侵襲をともなわない
- アンカースクリューを用いた歯科矯正治療は審美的に優れた仕上がりとなるが、治療期間が長く費用が高い
- 外科的手術をともなう歯科矯正治療は全身麻酔が避けられないが、重症度によっては保険適応となる
- 耳介軟骨移植手術は、耳の裏側の軟骨を採取して移植する美容整形手術のことで、ガミースマイルを改善する場合は、鼻と上唇の間に軟骨を移植する
- 耳介軟骨移植手術は短時間で施術が終わり日帰りも可能で、切開の傷は目立たず、耳の変形もない
- 耳介軟骨移植手術は長期的な効果が期待できるが、ダウンタイムは7日ほどで自費治療となる
- 耳介軟骨の移植は自家移植となるため、免疫反応が起こりにくく、硬度・弾性ともに優れているため、移植材料に適している
ガミースマイルに対する治療法として、耳介軟骨移植手術は非常に有効です。
ただし、施術にあたってはメリット・デメリットをよく理解しておかなければなりません。
どの治療が自分に適しているのかを見極めるためにも、専門の歯科医院でよく相談してみましょう。
南青山矯正歯科クリニックでは、患者様の体への負担の少ない、低侵襲のガミースマイル治療を提供しております。
ガミースマイルでお悩みの方は、まずは女性歯科医師へ相談いただける、診察にお越しください。ガミースマイル治療について、丁寧にご説明させていただきます。