ガミースマイルを改善する粘膜切除法で失敗?!知っておきたい予備知識
ガミースマイルとは、笑ったときに上顎の歯茎が広く露出する口元をいいます。
ガミースマイルは、治療が必須というわけではありませんが、歯茎の露出量が増えると口腔内が乾燥しやすくなります。口腔内の乾燥は、歯肉炎、歯周病、口臭や虫歯の発症にも関与することが報告されています。
また、ガミースマイルが原因で笑顔にコンプレックスを感じて悩む人も少なくありません。気にするあまり思いっきり笑えない、それが原因で性格的にも積極性がなくなる、自信が持てなくなるなどの二次的な影響を及ぼすこともあります。
ガミースマイルを改善する方法はいくつかありますが、後悔や失敗を防ぐためには、原因を正しく診断して適切な治療法を選択する必要があります。
この記事では、ガミースマイルの治療法のひとつである「粘膜切除術」について解説します。
この記事を読むことで、粘膜切除術が適応となるガミースマイル、治療の流れやメリット・デメリットなどを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- 粘膜切除術とは
- ガミースマイルの主な原因と治療法
- 粘膜切除術のメリット・デメリット
- 粘膜切除術を希望する際に選ぶべき歯科医院
- 粘膜切除術の流れ
粘膜切除術とは
粘膜切除術は、歯茎と上唇の間にある粘膜を切除し、上唇が上がらないように縫合する手術です。粘膜切除術によって上唇を上がりにくくすることで、ガミースマイルが目立たなくなります。
粘膜切除術は歯や骨格が原因ではなく、上唇が上がりすぎてしまうことが原因の場合に適応となります。
ガミースマイルの原因と治療法
ガミースマイルを引き起こす原因は一つに限られるわけではなく、複数の原因が重なって起こっている場合もあり、その場合は複数の治療法を選択する必要があります。原因に合った治療法を選択することが大切です。
ここではガミースマイルを引き起こす原因を大きく3種類に分けて紹介します。
骨格や歯並びが原因の場合
1つ目は「骨格や歯並び」が原因の場合です。
上顎骨の上下的過成長や上顎前突の場合にガミースマイルを引き起こしやくなり、矯正治療や外科的矯正治療が必要になります。
唇が原因の場合
2つ目は「唇」が原因の場合です。
上唇を持ち上げる筋肉(上唇挙筋群)が強い、または筋の緊張が強い場合に、必要以上に唇が引き上げられてしまいます。この場合、粘膜切除術やボトックス注射が適応となります。また、上唇自体が縦に短い人もガミースマイルになることがあります。
歯茎が原因の場合
3つ目は「歯茎」が原因の場合です。
歯茎が発達しすぎて歯に覆いかぶさってしまったため、歯の露出部分が少なくなり、歯冠長が短く見え、ガミースマイルの原因となります。この場合は歯肉整形術が選択されます。
粘膜切除術のメリット
粘膜切除術にかかる時間は30分~1時間程度で、1〜2回の通院で治療が終了します。また、後戻りの心配が少なく、1回の手術で効果が長く持続するということが大きなメリットです。
粘膜切除術は骨や歯に対する手術ではないためリスクが低く、身体的負担が少なくすみます。手術部位は唇の裏側で口の中のため、術後に傷口が見えません。また、唇の粘膜組織の回復は比較的早いため、術後数週間~1か月程度で傷も目立たなくなります。
粘膜切除術のデメリット
外科手術のため、術後は腫れや痛みが生じることがあります。腫れは数日間生じますが、1週間程度で落ち着いてくることがほとんどです。痛みも通常は痛み止めで抑えられる程度です。
上唇挙筋群の発達の強い人は、粘膜切除後も再度筋肉が発達することがあり、後戻りの可能性があります。また、歯や骨格が原因となっている場合は、粘膜切除術による治療をしても、後戻りする可能性があります。
このようなトラブルが起きないように、治療前にしっかりと原因を診断してもらう必要があります。
粘膜切除術が受けられる歯科医院
粘膜切除術は、審美歯科、美容歯科、口腔外科の歯科医院で受けることができます。
前述したように、ガミースマイルを引き起こす原因はいくつかあります。しっかりと診査し、正しい原因を診断し、適切な治療法を選択しなければ、思うような治療効果が表れず、結果として失敗と後悔につながってしまいます。
複数の治療法を提案できる歯科医院だと、患者さんの選択の幅も広がり、失敗するリスクを減らすことができます。また、症例数の豊富な歯科医院を選ぶとより安心して治療を受けられます。
粘膜切除術は自由診療です。費用相場は20~30万円程度ですが、値段は各歯科医院で異なりますので確認が必要です。
粘膜切除術の流れ
粘膜切除術の一般的な治療の流れをみていきます。
局所麻酔
切除部分に局所麻酔をします。注射の痛みを軽減するために、表面麻酔を塗ってから局所麻酔を行うことも多いです。歯科麻酔に対して恐怖心の強い方は、あらかじめ歯科医師に伝えておくとよいでしょう。
粘膜切除と縫合
上唇と歯肉の間の粘膜を切除し、歯茎の見える範囲を調整した位置で、上唇が上がらないように縫合します。
抜糸
術後約1週間後に抜糸を行い完了です。吸収性の糸を使用した場合は抜糸が必要ないこともあります。
【まとめ】粘膜切除術で失敗して後悔したくない人は実績のある歯科医院に相談
ガミースマイルの治療法のひとつである粘膜切除術について解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 粘膜切除術は、歯茎と上唇の間の粘膜を切除し、上唇が上がらないように縫合してガミースマイルを改善する治療法
- ガミースマイルの原因が骨格や歯並びにある場合は、矯正治療や外科的矯正治療が必要
- ガミースマイルの原因が唇の筋肉に原因がある場合は、粘膜切除術やボトックス注射が適応となる
- ガミースマイルの原因が歯茎が原因の場合は、歯肉整形術が選択される
- 粘膜切除術のメリットは、手術時間が短く通院回数が少なくて済むこと・後戻りしにくいこと・効果が長続きすること・身体的負担が少ないこと・傷口が目立たないことなど
- 粘膜切除術のデメリットは、術後数日間は腫れや痛みが生じる可能性があること・筋肉の発達にともない後戻りする可能性があること・歯や骨格に原因がある場合は後戻りのリスクがあることなど
- 粘膜切除術は、審美歯科、美容歯科、口腔外科で受けられる
- 粘膜切除術は、局所麻酔、粘膜切除、縫合、抜糸というのが一般的な流れ
粘膜切除術はガミースマイルの治療法の一つで、上唇が上がりすぎていることがガミースマイルの原因となっている場合に適応となります。
粘膜切除術は1回の手術でガミースマイルを目立たなくしてくれる治療法ですが、原因が正しく診断されていないと期待した効果が得られない可能性があります。そのため、ガミースマイル治療で失敗・後悔しないためには、原因をしっかりと把握したうえで最適な治療法を選択する必要があります。
ガミースマイル治療を目的として粘膜切除術を希望する場合は、治療実績のある歯科医院に相談することをおすすめします。
南青山矯正歯科クリニックでは、審美歯科治療の実績と経験が10年以上の女性歯科医師が、ガミースマイル治療を担当させていただきます。ガミースマイルにお悩みの方は、まずは診察にてご相談ください。