ホワイトニングの効果がではじめる回数と持続する期間
歯を白く美しくする方法としてよく知られているのが、ホワイトニングです。
しかし、何回ホワイトニングをすれば納得のいく結果が得られるのか、いつまでやればいいのか、などの疑問を持っている方も多いと思います。
この記事では、ホワイトニングの効果が得られる施術回数や効果持続期間などを解説します。
この記事を読むことで、ホワイトニングで歯が白くなる理由やホワイトニングの種類、効果が得られるまでの施術回数や効果が続く期間、白さを長持ちさせる方法などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- ホワイトニングで歯が白くなるメカニズム
- ホワイトニングの種類と効果が得られるまでの回数
- ホワイトニングの効果持続期間
- ホワイトニングの効果を長持ちさせる方法
ホワイトニングの仕組みと種類
ホワイトニングは1回でも効果を実感できますが、人によって感じ方はさまざまです。ここでは一般的に効果を実感できる回数や期間についてみていきます。
歯が白く見える仕組み
まず、ホワイトニングをするとなぜ歯が白く見えるのかを説明します。
ホワイトニングはエナメル質と呼ばれる歯の外側にある結晶の層に漂白剤を作用させます。漂白剤には過酸化水素が用いられ、過酸化水素が分解するとヒドロキシラジカルやスーパーオキシドなどの活性酸素を発生させます。
この活性酸素が着色の原因となる物質(有機物)を分解し、着色が取り除かれて歯本来の色になり、白く見えるようになります。
また、ホワイトニング剤が作用することでエナメル質表層の構造に変化が起き、光の散乱、乱反射が起きやすくなることで白く見えるようになります。
ホワイトニングはこのふたつの作用によって歯を白くし、どちらか片方の作用のみが起きるということはありません。
方法によって回数と期間は変わる
ホワイトニングの効果が出る回数や期間について、一概に言うことはできません。
ホワイトニングには医院でのみ行うオフィスホワイトニング、家で行うホームホワイトニング、その両方を併用するデュアルホワイトニング、失活歯(神経の治療済みの歯)に対して行うウォーキングブリーチと種類があり、どの方法を用いるかによって回数や期間が大きく変わります。また、ホワイトニング後の再着色や色戻りの傾向も異なります。
ホワイトニングの効果が得られる標準的な回数と期間は?
各ホワイトニング方法での標準的な回数と期間について説明します。
オフィスホワイトニングの場合
オフィスホワイトニングは、1回の処置で効果が得られるのが最大の特徴です。
1回の処置でかなり白くなりますが、実際には、使用するシステム(製品)にもよりますが、1週間程度の間隔をあけて計3回ほど行い、これを1セットとするようになっているものが多いです。
1セット計3回ほど行う場合でも初回で十分な効果が得られることが多く、2回目以降の白くなる程度は1回目に比べると緩やかになります。
ホームホワイトニングの場合
ホームホワイトニングは薬事承認された製品では1回2時間以内、1サイクル最大2週間となっています。
クリニックによっては国内未承認の海外製品を処方していることもあり、この場合は先に述べた限りではありませんが、安全性等については保証できません。
1回あたりでの変化は少ないですが、1サイクルを完了することで十分なホワイトニング効果が得られるようになっています。
効果の程度はオフィスホワイトニング1セットとホームホワイトニング1サイクルで差はないとされています。
デュアルホワイトニングの場合
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用する方法になるため、ホワイトニングの効果はオフィスホワイトニングと同様に1回目の処置から得られます。
実際のデュアルホワイトニングはオフィスホワイトニングとホームホワイトニングを同時に行うのではなく、オフィスホワイトニングを先に行い、しばらく期間を設けた後にホームホワイトニングを行います。
ウォーキングブリーチの場合
オフィスホワイトニング、ホームホワイトニングはともに歯の表面からホワイトニング剤を作用させます。
一方、ウォーキングブリーチは神経を取り除く処置をした歯の中にホワイトニング剤を入れ、そのまま蓋をして一定期間置いておき、それを1回とします。1回の期間としては2週間程度です。
ホワイトニングの効果はいつまで続く?
ホワイトニングの効果が続いているかどうかは、最終的にはその人の感覚に影響されてしまうところがあります。しかし、客観的な評価ができないと本当に色戻りしているのか、再度のホワイトニングをするべきかわかりません。
実は、ホワイトニングの効果がどれくらい続くかについて調べた研究がいくつもあります。
ホワイトニングの効果を評価する研究では、CIEL*a*b*均等知覚色空間(美術の授業や教科書で見たことがあるかもしれません)を用います。これは人間の知覚する色をL(明度=明るさ)、a(赤−緑の色相)、b(黄−青の色相)の座標で表したもので、それぞれの数値が大きくなると明るく、赤く、黄色くなり、数値が低くなると暗く、緑に、青になります。これらの数値は、非接触型分光光度計という色を数値化する専用の機械を用いて計測します。
それらの研究によると、ホワイトニング直後にはLの値は大きく(=明るく)なり、aとbは0に近づいた(=無彩色に近づいた)とされています。
一方で、処置後1か月にはLは低く(=暗く)、bは大きく(=黄色く)なり、aは変わらない傾向がみられ、後戻りの発生がみられています。
とはいえ、これは数値上の変化であり、処置前に比べれば明らかに見た目の歯の色は白く、1か月経過時点ではホワイトニングの効果は十分に得られているといえます。また、色の後戻りは処置後30日を経過すると明らかに少なくなり、1年経過時点でも多くの場合はホワイトニングの効果が持続しているという研究結果もあります。
志賀華絵他. 二酸化チタン光触媒併用漂白材と高濃度過酸化水素漂白材における生活歯漂白の効果と色調後戻りに関する研究. 岩手医科大学歯学雑誌. 2017年, 42巻, 2号, p.61-70. https://www.jstage.jst.go.jp/article/iwateshigakukaishi/42/2/42_61/_article/-char/ja/, (参照 2021-04-13)
大野知子他. 非接触型歯科用分光光度計を用いた漂白効果と後戻りの評価. 日本歯科保存学雑誌. 2013年, 56巻, 1号, p.69-77. https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikahozon/56/1/56_KJ00008610731/_article/-char/ja/, (参照 2021-04-13)
ホワイトニングの効果がどれくらい続くかはその人の生活習慣にも影響を受けます。着色性の強い食品を摂取する機会の多い人や、喫煙者では色の後戻りは早く起こる傾向にあるようです。
白さを長持ちさせるタッチアップ
ホワイトニングの効果は、1年後でも持続することが研究からわかりましたが、その研究の中でも半年以内に明らかな色の後戻りがみられた例もあります。この原因には、生活習慣のほかに元々の歯の性質もあり、なかなか予測は難しいものです。
ホワイトニング後の色の後戻りがみられた場合、また白い色を取り戻す追加のホワイトニング(タッチアップ)を行うことができます。タッチアップを行うことで再び白い歯になれるだけでなく、再着色しづらくなるという研究報告もあります。
よりトーンの明るい歯を求める場合だけでなく、より白さを持続させられる歯にするために、タッチアップは有効です。
【まとめ】ホワイトニングの効果がではじめる回数と持続する期間
ホワイトニングの効果が得られるまでの回数や効果持続期間、白さを長持ちさせる方法などを解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
ここがポイント!
- ホワイトニングで歯が白くなるのは、着色原因物質が分解されたり、エナメル質表層の構造変化によって光の散乱や乱反射が生じたりするため
- 歯科医院で行われるオフィスホワイトニングは、1セット計3回ほど行うことが多いが、1回の処置で十分な効果が得られることも多い。自宅で行うホームホワイトニングは、1回2時間以内で1サイクルは最大2週間だが、1サイクル完了で十分なホワイトニング効果が得られる
- オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用するデュアルホワイトニングは、1回目の処置からホワイトニング効果が得られる。失活歯に対して行うウォーキングブリーチは、1回2週間程度の施術でホワイトニング効果が得られる
- ホワイトニングの効果持続期間については、施術から1年経過後も効果が持続していたという研究報告がある
- ホワイトニング後の後戻りが見られた場合は、タッチアップを行うことで白さを長持ちさせることができる
ホワイトニングの回数や持続期間は方法により異なりますが、得られる白さや後戻りのしやすさはオフィスホワイトニングとホームホワイトニングで大きな差はありません。
ホワイトニングにかけられる時間や自分の性格にあう方法を選択できるとよいでしょう。
南青山矯正歯科クリニックでは、厚生労働省による認可を受けた高い効果が期待できる日本製のホワイトニング専用薬剤『ティオン・オフィス』を採用しています。
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