乱杭歯の八重歯はセラミック矯正で改善可能
日本では、八重歯が幼さや可愛さのポイントとして受け入れられていた時代もありました。
そのため、昭和の時代には、八重歯のあるアイドルが多くいました。某女性グループやタレントなど、デビュー当時は八重歯が可愛い笑顔の写真がある方も、数年後には、八重歯を矯正しきれいに並んだ歯並びを獲得しています。
しかし、現在では八重歯にコンプレックスを持つ人が少なくありません。また、八重歯は古くから「鬼歯(おにば)」「添歯(そいば)」とも呼ばれてきたものです。これらの名前は、年齢を重ねるにつれて歯肉が退縮して八重歯が目立ち、牙(きば)のように見えることに由来するといわれています。
では、八重歯や乱れた歯並び(乱杭歯)はどのように改善すればよいのでしょうか。
この記事では、八重歯や乱杭歯をセラミック矯正で整える方法を解説します。
この記事を読むことで、八重歯・乱杭歯の原因やセラミック矯正で治療する方法、セラミック矯正の適応などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- 八重歯・乱杭歯の特徴や原因
- 八重歯・乱杭歯をセラミック矯正で治療する方法
- セラミック矯正が向いている症例
- セラミック矯正が向いていない症例
- セラミック矯正で注意が必要なケース
八重歯、乱杭歯の特徴とその原因
八重歯とは、上顎犬歯が歯列から外れて低位に萌出(ほうしゅつ)した状態です。また、乱杭歯とは、字のごとく歯が重なり合って生えている乱れた歯並びのことです。
八重歯、乱杭歯ともに、叢生(そうせい)、クラウディングと呼ばれる歯列不正の一種です。
八重歯の原因
以上のように、八重歯、乱杭歯は、顎骨に対して永久歯が正常に萌出するスペースが不足する場合に起こる現象です。
八重歯、乱杭歯の歯並びはセラミック矯正で治療が可能
八重歯や乱杭歯を矯正したいという方は多くいらっしゃいます。特に「短期間で美しく」という希望を多く伺います。
八重歯や乱杭歯は、他人から正面からも側面からもわかりやすいものです。このような審美的問題を回復するのに適している、歯科矯正のひとつがセラミック矯正です。
セラミックは、一般的に「白い差し歯」、「白いかぶせ物」と呼ばれることが多いです。
セラミック矯正とは、八重歯や乱杭歯を形成し、セラミッククラウンによる歯冠修復を行う治療方法です。セラミッククラウンの長所である色調にトーンや明度を持たせ、歯の形態をより自然にすることができます。
美しい歯並びに短期間で治療するセラミック矯正
では、具体的にセラミック矯正の方法について説明しましょう。
セラミック矯正とは、セラミッククラウンを使用した治療方法ですので、手順としてはセラミッククラウンの方法と同じステップです。
歯軸の修正が必要な場合、形成量が限られるため、前処置として生活歯の場合には抜髄を行い神経の除去を行います。その後、歯冠部を削合しセラミッククラウンの土台となるコアを築造します。この上に、セラミッククラウンを合着します。
治療ステップは、抜髄→支台築造(コア築造)→印象採得→クラウン合着の手順により1、2か月で完了します。
八重歯、乱杭歯の基本的な歯科矯正
セラミック矯正の他には、どのような矯正方法があるでしょうか?
八重歯、乱杭歯の一般的な矯正方法として、ワイヤー矯正やマウスピース矯正があります。特に顎骨のサイズに対して歯冠幅径が大きい場合には、抜歯を行う場合があります。その際には、抜歯をした空隙を閉鎖するために、時間がかかるため、セラミック矯正に比べると1年程度の時間がかかります。
セラミック矯正が向いている症例、向かない症例(人)
「短期間で美しく」というメリットのあるセラミック矯正ですが、適応するのはどのようなタイプの歯列でしょうか?
反対に、セラミック矯正が向かない状態についてもご説明いたします。
セラミック矯正が向いている症例
セラミック矯正が向いている症例をご紹介します。以下に当てはまらなくても、矯正目的でのセラミック矯正は可能です。
部分矯正のみで完了する症例
上顎両側の犬歯が八重歯になっている人や、部分的な叢生の場合には、セラミック矯正が適応されます。
失活歯の症例
特に前歯部の乱杭歯や八重歯の治療の場合、すでに神経が死んでいる失活歯の場合もセラミック矯正が適しています。
失活歯の場合、歯の色調が隣り合う生活歯に比べて黒ずむ傾向があります。セラミック矯正によって、より自然で明るさのある色合いを取り戻すことが可能です。
セラミック矯正が向いていない症例や人
生活歯で抜髄が必要な症例
八重歯や乱杭歯の場合、歯軸の向きが唇側に傾斜が強い場合があります。その場合、セラミック矯正を行うには形成量が多くなるため、抜髄の必要性があることはすでにご説明しました。
抜髄というのは、神経を除去する方法です。神経を除去するためには、健康な歯を切削する必要があり、抜髄するともとに戻すことができません。そのため、施術内容について十分な理解が必要です。
重度歯周病の症例
セラミック矯正の場合、セラミッククラウンにより歯冠形態を修復します。そのため、歯の形の他に、歯と歯肉の境目であるマージン部分の形態も大切になります。歯周疾患がある場合、歯肉が腫脹しているため正しい位置でマージンを決定できない可能性があります。
セラミック矯正を選択する場合には、前もって十分な歯周疾患の状態を改善する必要があるため、重度の歯周病の方にはお勧めできない治療法です。
短期治療であることにこだわる人
就職活動や結婚式など大切なライフイベントに向けて、セラミック矯正で短期間に治療を行いたいという方がいらっしゃいます。もちろん、セラミック矯正は短期間であることはメリットですが、無理な治療は長持ちしません。
短期間での治療にこだわり、神経の処置が不十分であったり、歯肉の状態を改善していない状態でかぶせ物をすると、結果として再治療が必要になるケースもあることは事実です。処置内容の十分な説明を行い、不明点は気軽に質問できるクリニックでの処置をお勧めします。
確認が必要なケース
セラミック矯正を受けるにあたって、よく確認をする必要がある方もおります。
金属アレルギー
金属アレルギーの場合、セラミック矯正に限らず、歯科治療には注意が必要です。セラミッククラウンの材質にも注意が必要なため、しっかりと担当医に既往などを説明しメタルフリーのオールセラミッククラウンや、ジルコニアセラミックなどを選択しましょう。
【まとめ】乱杭歯の八重歯はセラミック矯正で改善可能
八重歯や乱杭歯をセラミック矯正で治療する方法などを解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 八重歯や乱杭歯は、叢生といわれる歯と顎骨のアンバランスによって起こる歯列不正
- 八重歯や乱杭歯は、セラミッククラウンによる歯冠修復で治療可能。治療期間は1~4か月程度
- セラミック矯正が向いているのは、部分矯正のみで完了する症例や失活歯の症例など
- セラミック矯正が向いていないのは、抜髄が必要な症例や重度の歯周病の症例、治療の短さを重視し過ぎる症例など
- 金属アレルギーの場合は、セラミッククラウンの材質に注意が必要
セラミック矯正は審美的な回復が期待できるだけでなく、ほかの矯正治療に比べて短期間で治療が完了する優れた治療法です。その反面、セラミック矯正ではご自身の歯を切削する必要があります。
後悔しない治療方法を選択するためにも、まずはセラミック矯正の実績のある信頼できる歯科医師に相談することをお勧めします。
南青山矯正歯科クリニックでは、セラミック矯正の実績が10年以上の女性歯科医師が診察・相談から治療、定期検診までを対応しております。ご自身の歯並びがセラミック矯正に向いているかどうか知りたい方は、まずは診察にてご相談ください。
女性歯科医師が丁寧に診断させていただきます。