前歯2本の出っ歯をセラミック矯正するメリットとデメリット
上の前歯の2本だけが少し出ている(いわゆる「出っ歯」になっている)場合、ワイヤー矯正やマウスピース矯正では治療期間が長くなり、治療費も高額になりがちです。
しかし、それで治療を諦めてはいけません。
このような方には、「セラミック矯正」という選択肢があります。
ただ、治療にあたってはメリットだけでなくデメリットも知っておかなければなりません。
この記事では、前歯2本をセラミック矯正する場合のメリットとデメリットを中心に、デメリットをできるだけ抑える方法などを解説します。
この記事を読むことで、出っ歯の矯正にセラミック矯正がおすすめな理由や、知っておかなければならない注意点などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解消!
- 前歯2本をセラミック矯正する場合のメリット
- セラミック矯正がほかの治療法よりも優れている点
- 前歯2本をセラミック矯正する場合のデメリット
- セラミック矯正のデメリットを抑える方法
前歯2本のセラミック矯正のメリット
セラミック矯正最大のメリットとして、歯列だけでなく歯の色、形、大きさを同時に改善できるといったことが挙げられます。
ワイヤー矯正やブラケット矯正よりも短期間で済む
セラミック矯正の大きなメリットのひとつは、治療期間が短いことです。
初回は口腔内写真を撮影して色調などの記録を取ったあと、歯の形を削って整えて歯型を取り(印象採得)、仮歯を装着します。その次の時に、被せ物を装着することで完了します。
セラミックは、歯の色調をかなり自然歯に近い状態に再現できる素材です。ただ、最終的な形をこだわりたい場合や、周囲の歯肉の腫れや形などを改善するために治療を行なっている場合は、一度仮歯の状態のまま経過を診ることもあります。それでもワイヤー矯正よりも治療期間は短く済むことがほとんどです。
歯の大きさも調整でき、隣の歯と形や色の調和が取れる
セラミックの歯の形と色は、両隣の歯を参考にして決めます。歯の形については希望によって仮歯の状態で形を修正することも可能です。調整することで、患者さんの希望に近い形にすることも可能です。
歯の大きさも調整でき、隣の歯と形や色の調和が取れる
セラミックの歯の形と色は、両隣の歯を参考にして決めます。歯の形については希望によって仮歯の状態で形を修正することも可能です。調整することで、患者さんの希望に近い形にすることも可能です。
抜歯が不要なケースもある
ワイヤー矯正で歯科治療を行う場合、歯を引っ込めるために、歯を抜歯してスペースを作ります。よく側切歯(真ん中から2番目の歯)、第一小臼歯(犬歯の隣の歯)を抜いてスペースを作ることが多いのですが、多くの歯を動かすこととなり、治療も大掛かりになります。その分、矯正期間もかかります。
しかし、セラミック矯正なら、動かしたい2本の歯だけをさわることで治療できる可能性があります。
前歯2本のセラミック矯正のデメリット
セラミック矯正もメリットだけとは限りません。デメリットもしっかり理解してから治療方針を検討する必要があります。
汚れの付着の程度が異なるため、隣在歯と色調が合わない可能性がある
治療直後はほとんど気にならないのですが、赤ワインやカレーなど、色のある食べ物や飲み物によって、セラミック歯と天然歯の表面につく汚れの程度・速度が異なります。
前歯2本だけをセラミック矯正した場合は、会話の時にその隣の歯は相手から見えていますので、日々歯磨きをしっかり行い、汚れの付着の程度には注意しましょう。歯科医院で定期的に専門的なメンテナンスを受け、歯の汚れをしっかりと落としてもらうことも必要です。
隣の歯と形態が合わない可能性がある
治療後の歯の形は両隣の歯を参考にしますが、前歯を引っ込めるにあたり、歯を小さくしないと並べられない可能性があります。その場合、両隣の歯と大きさや傾きなどのバランスの調整が難しいことがあり、皆さんが想像しているような歯並びにならない可能性があります。
抜髄(ばつずい)が必要になることがある
元の歯の生えている方向と、治療後の歯の形・方向との兼ね合いになるのですが、歯を削るにあたり、歯の神経(歯髄)が近い場合、もしくは神経の部分も少し削らないと目当ての治療効果が得られない場合があります。
この場合、前もって歯の神経を除去しておく処置が必要なことがあります。神経を除去し、最終的な薬を詰め、ファイバーコアという素材で土台を形成します。この治療は何回かかかり、またその分の費用がかかります。
歯根が破折する危険性がある
これも元の歯の生えている方向と、治療後の歯の形・方向との兼ね合いになるのですが、歯の方向を急激に変えるため、前歯で噛み切る際に歯が折れる危険性も出てきます。歯が折れた場合、再度土台を立てて治療できればいいですが、歯根の部分で折れた場合は、抜歯を考えないといけません。
下の歯は触らないため、咬み合わせの調和に限界がある
上の前歯2本を治療するだけですので、噛み合う下の歯については、ほとんど変化がありません。
噛み切りやすさなどは、治療の前後で多少変化します。しっかりと噛み切ることを考えるなら、下の歯の矯正治療も踏まえたトータルな治療計画が必要です。
デメリットをできるだけ最小限にするには
今まで述べたのは、前歯2本のみをセラミック矯正する場合についてです。しかしその隣の歯、もしくは下の歯も含めてセラミック矯正をすることで、デメリットを減らせることがあります。
前歯4本や6本でのセラミック矯正なら、歯の大小の大きさの調和をとることもしやすくなりますし、色調も揃えやすくなります。下の歯(2〜6本)も含めて治療プランを考えると、治療前よりもより噛み切りやすくなるでしょう。
このように、前歯2本だけでしか治療できないわけではありません。より多くの本数でセラミック矯正する場合の治療案も検討してみてください。より審美的に長持ちし、噛むという機能面もより向上する結果が得られるでしょう。
【まとめ】前歯2本の出っ歯をセラミック矯正するメリットとデメリット
いわゆる「出っ歯」の矯正に、セラミック矯正を選択するメリットやデメリットなどを解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 前歯2本をセラミック矯正すると、歯列だけでなく歯の色や形、大きさを同時に改善できる
- セラミック矯正は短期間で終了することが多く、歯列矯正では抜歯が必要なケースでも、抜歯を回避できることがある
- セラミック矯正では、隣在歯との色調の違いや形態の不調和など、見た目のデメリットが生じるおそれがある
- 前歯の生え方によっては、抜髄や歯根破折のリスクがあり、また噛み合わせの調和に限界がある
- 前歯2本だけでなく、左右の歯や下の歯も同時にセラミック矯正すると、審美面や機能面でのデメリットを抑えやすい
上の前歯2本を治療したい場合、その2本だけセラミック矯正すれば済む場合もありますが、隣在歯や下の歯も同時に治療することでより審美的に、そして機能的に素晴らしい効果が得られることも少なくありません。
さまざまな選択肢とデメリットを考慮して、セラミック矯正を検討してみてください。
南青山矯正歯科クリニックでは、出っ歯のご相談も多くいただきます。また、出っ歯のセラミック矯正の症例も多く、診察・相談時には担当する女性歯科医師の症例写真をご覧いただくことも可能です。セラミック矯正のことで、疑問やご不安などありましたら、まずは診察にて女性歯科医師へご相談ください。